【建設】MatterportでBIMファイルの自動生成が可能に!手順と活用のポイントを解説!

・「MatterportでBIMファイルで自動生成できるって本当?」
・「新しいシステムで社内全体がうまく活用できるか不安…」
BIMの自動生成は便利なことはわかっているけど、社内で有効活用できるか不安で導入を検討しているという日本の建築系企業は非常に多いようです。
一方で、Matterportで現場をスキャンするだけでBIMファイルの自動生成することで、70%のコスト削減を実現している企業も存在しています。
つまり、短期的に見ると導入ハードルは少し高いですが、一度社内活用ができるよう研修や導入に工数をかけることで、長期的に手間がかかる業務を排除し売上UPにもつながるということです。
そこで本記事では、MatterportでBIMファイルを自動生成する手順やメリット・デメリットを解説します。
記事の後半では、Matterportを社内でスムーズに導入するためのポイントについても説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
MatterportでBIMファイルの自動出力が可能に!
Matterportでスキャンしたデータを、BIMファイルに変換できるようになりました。
Matterportカメラで施工現場を撮影し、そのままオンライン上に仮想空間として現場の3Dモデルを生成します。
そのデータを、BIMソフトウェアにエクスポートすれば、3Dモデルをそのまま図面として利用できます。
互換性のあるBIMソフトウェアは、Revit、SketchUp、AutoCAD、Rhino、およびVectorworksです。
従来の測量や図面作成の作業を、すべてツールに任せられるため、業務効率を格段にあげられるようになります。
MatterportでBIMファイルを生成する手順
MatterportでBIMファイルを生成する手順は次の通りです。
- Matterportで計測したい空間を撮影
- Matterportスペースをクラウドにアップロード
- プラグインを利用しBIMファイルに変換
- Autodesk Revit上でファイルを編集
一度覚えてしまえば、だれでもカンタンに実践できるので、ぜひ試してみてください。
Matterportで計測したい空間を撮影
まずは、BIMファイルに変換したい空間をMatterportで撮影します。
Matterport撮影は、Matterportシリーズカメラを利用して、空間を360度スキャンします。
一眼レフのように、専門的な撮影スキルは不要なため、社内でも導入しやすいでしょう。
ただし、Matterportはまだまだ発展途上のツールであるため、3Dモデルがうまく生成されなかったり、スキャンが進まなくなったりエラーが出るケースもあります。
エラーが出た際も、スムーズに撮影を進めたい場合は、撮影代行会社などプロに撮影・制作を依頼すると良いでしょう。
Matterportスペースをクラウドにアップロード
Matterportで空間をすべてスキャンできたら、スペース(制作したデータのこと)をMatterport専用のクラウドにアップロードします。
アップロードすることでMatterport特有の3Dモデルが生成される仕組みであるため、必ず必要な工程です。
Matterportクラウドは、無料プランから有料プランまで数種類用意されています。
制作するデータ数や使用するカメラにあわせて、最適なプランを選びましょう。
アドオンを利用しBIMファイルに変換
スペースにデータをアップロードできたら、Matterportのプラグインを使ってBIMファイルに変換します。
Matterportプラグインは「アドオン」とも呼ばれており、Matterportクラウドを保有している人であれば基本的に利用できます。
ただし、利用には費用が発生し、最低でも245USドル(25,000円程度)かかります。
床面積と選択したオプションに応じて費用が変動するため、大規模施設の場合はコストがかかることを理解しておきましょう。
また、BIMファイルに変換するには、申請から2〜16営業日程度かかるため、申請当日に編集できません。
変換はスケジュールに余裕を持った状態で行うようにしましょう。
プラグインを使ってAutodesk Revit上でファイルを編集
BIMファイルが生成できたら、Revit上にデータを移行しましょう。
Revitと連携するには、Matterportクラウドに「Matterport Revit Plugin」というプラグインをダウンロードする必要があります。
プラグインをダウンロードできたら、指示に従ってボタンをクリックするだけで自動移行が完了します。
Revitに入ったデータを編集すれば、3Dモデルが完成します。
MatterportのBIMファイル変換を利用するメリット
建設業界において、MatterportのBIMファイル変換を利用するメリットは次の3つです。
- 測定やCAD変換作業の大半が不要になる
- モデリングコストを70%削減し生産性を高められる
- 企画・提案時の資料としても活用できる
建設業界のDXを実現するツールやサービスはさまざまある中で、Matterportの魅力はどこにあるのか解説していきます。
測定やCAD変換作業の大半が不要になる
まずは、これまでプロジェクト毎に行っていた測定やCAD変換の作業がなくなります。
測定には、現地に直接足を運び、現場調査のために竣工写真を撮影したり計測したりと多くの作業に疲弊していた方も多いのではないでしょうか。
Matterport撮影が完了すると、同時に計測作業も完了することになるため、計測作業は排除できます。また、現場写真の撮影漏れや危険な箇所の撮影をする必要もなくなるため、現場の人員コストを大きく削減できます。
モデリングコストを大幅に削減し生産性を高められる
Matterportには、プロジェクトに関わる資料やデータを一元的にまとめられるため、欲しい情報や資料へのアクセスを高速化できます。
HH Angus and Associates Ltd.のデジタルサービスディレクターであるAkira Jones氏によると、MatterportのBIMファイルを活用することでモデリングコストを70%削減できたといいます。
測量、システム入力など多くの作業を効率化できることで、ほかの重要な作業に手を回せるため売上にもつながります。
出典:https://matterport.com/ja/industries/case-studies/hh-angus-ka-matterport-bim-fuairuteshijiantofeiyongwoxuejian
企画・提案時の資料としても活用できる
建設業界におけるMatterportの魅力は、BIMファイルへの変換だけではありません。
Matterportは、4Kの高画質を採用しているため、データの「見栄え」も美しいという美点があります。
そのため、クライアントへ建物の完成イメージを共有したり、社内で企画を練る際も、白黒の紙媒体の資料よりも格段にイメージしやすくなります。
完成イメージを明確化した状態でコミュニケーションを取ることで、意思決定が早くなったり、ミスマッチを防止できたりさまざまなメリットがあるでしょう。
ほかのDXツールは「測定」に特化しているものもありますが、Matterportは測定はもちろん商談や企画などほかの業務にも有効活用できる魅力があります。
MatterportのBIMファイルに変換する際のデメリット
MatterportのBIMファイルを利用する際は、下記に注意する必要があります。
- プロジェクト内の全メンバーがBIMの操作スキルが必要になる
- 撮影前に現場を整える手間がかかる
導入に失敗してしまわないよう、事前に対策しておきましょう。
プロジェクト内の全メンバーがBIMの操作スキルが必要になる
BIMファイルは、図面の作成・編集や戦略設計などさまざまな場面で活用されます。
そのため、プロジェクトに関わるすべてのメンバーがRevitを操作できなければ、プロジェクトを完遂できないことになります。
つまり、社内のメンバーはもちろん職人さんや外部のメンバーにもBIMファイルの操作方法を共有する必要があります。
使い慣れてしまえば便利なツールですが、BIMがプロジェクトになじむまでには時間がかかってしまうデメリットがあります。
撮影前に現場を整える手間がかかる
BIMファイルを制作するためには、まず現場を360度カメラで撮影する必要があります。
360度撮影は、良くも悪くも現実空間を「そのまま」認識し、データに反映します。
そのため、現場にうつしてはいけない備品が写り込んだり、人物が見切れたりすると、再撮影する手間が発生します。
そのため、事前に現場が完璧な状態になるよう備品を管理したり、人物が写り込まないようスケジュール管理をするようにしましょう。
MatterportのBIMを社内でスムーズに活用するためのポイント
MatterportのBIMを社内でうまく活用できるようにするためには、次の2つのポイントを実践するとよいでしょう。
- 社内でRevitを扱える人材を確保する
- 活用までサポートしてくれる会社を利用する
いくら新しいデジタルツールを導入しても、機能しなければ意味がありません。
BIMをスムーズに活用できる環境を整えることが重要です。
社内でRevitを扱える人材を確保する
社内でRevitを扱える人材がいるか確認し、いなければ新たに採用することも考えましょう。
Matterportを利用すれば、BIMファイルの生成までは自動で行えるため、だれでも業務を遂行できます。
ただし、BIMファイルをRevitに移行した後は、操作できる人材が限られます。
まずは、社内で完璧にツールを使いこなせる人をつくり、その担当者を中心に、少しずつツールの活用を社内全体に浸透させていきましょう。
活用までサポートしてくれる会社を利用する
いきなり、デジタルツールを難なく活用し、DX化を実現できる建設会社は少ないのではないでしょうか。
特に従来のアナログな方法に慣れているほど、新しい文化への適応はハードルが高くなります。
そのため、Matterportでただデータを制作してくれるだけでなく、活用や社内への導入までサポートしてくれる会社に制作依頼することが重要です。
MatterportでBIMを自動生成し業務を効率化しよう!
MatterportのBIMファイルを有効活用できるようになれば、現場の作業効率は格段に上がるでしょう。
また社内にMatterportの利用が浸透すれば、Matterportやデジタルツールがあることが前提で業務を進められるため、ビジネスモデルの変革も可能です。
ただし、いきなりMatterportカメラを購入し、活用までスムーズにこなせる企業は少ないものです。活用までしっかりとサポートしてくれる企業に依頼することが、Matterportの導入を成功させる鍵といえるでしょう。
弊社は、Matterport撮影を1,500施設以上行っており、建設業界のDX化にも携わった経験があります。
「社内のDX化についてざっくばらんに相談してみたい」
「MatterportのBIMファイルの活用についてもう少し詳しく聞きたい」
など、ぜひお気軽にご相談いただけますと幸いです。