私のおすすめはどれ?Matterport (マーターポート)全機種比較してみた

さまざまな業界で導入が浸透してきたMatterport(マーターポート)。
種類がいくつかあり、どれがいいのか悩んでしまいますよね。
今回はMatterportカメラ全種類について徹底的に解説し、あなたに最適なカメラを決定します!
Matterportカメラを選ぶ基準は、
- どこを撮影するのか(撮影場所)
- 予算とクオリティーどちらを重視するか
大きくこの2点です。
使用するカメラを間違えると、撮影ができない…または想像していたデータと違う…
なんてことも起こりうるのです。
このような失敗が起こらないよう、約800施設をMatteport撮影した経験に基づきカメラの機種について解説し、あなたに最適なMatterportカメラをご紹介します!
Matterport(マーターポート)とは?
Matterportとは、実空間を3Dで捉え、没入型の3Dモデルを作成する最新鋭カメラです。
いつでもどこからでも人と場所をつなぐことができるため、オンライン時代におけるキラーアイテムとしてさまざまな業界で活躍しています。
Matterportの機能や特徴、活用方法などより詳しい情報はこちらから

Matterport 必要な全機種比較一覧
Matterport Pro2

こちらがMatterport Pro2カメラ。Matterport撮影といえばPro2カメラでの撮影がスタンダードです。
距離を測るための赤外線カメラと空間を認識させるためのカメラが横並びについており、この2つのカメラが3段分、計6つのレンズがついています。この3段がそれぞれ、カメラの上部、正面、下部を認識することで、空間全体を撮影することができるという仕組みです。
撮影の際は、このカメラをiPadやiPhoneなどのデバイスと接続し、デバイスでカメラを操作します。
特徴
Pro2カメラの最大の特徴は4Kを使った高画質であることです。空間だけでなく、展示物の細かい部分や看板の小さい文字など繊細な部分まで鮮明に映し出してくれます。
バッテリーも長く持ち、1日に複数施設撮影することも可能です。
Pro2のカメラは屋内施設であればあらゆる空間に最適ですが、屋外や日差しが強い屋内ではスキャンができません。
事例
名古屋城本丸御殿 (重要文化財事例)
4Kの高画質なので、屏風の模様まではっきりと映されています。
また施設内にある説明文の文字も鮮明でストレスなく読むことができます。
ドールビュー(映像開始時に出てくる立体モデル)や、フロアマップ(映像左下にある逆L字のボタン)も非常に綺麗です。
那須ステンドグラス美術館 (美術館事例)
那須ステンドグラス美術館も本丸御殿同様、展示物の絵柄までしっかり見えます。
またMatterportの大きな特徴であるタグ(色がついた丸いボタン)で説明も見ることができるため時間を忘れて見入ってしまいます。
こんな人におすすめ
- 屋外を撮影する
- 4Kの高画質で撮影したい
- とにかくクオリティーにこだわりたい
価格
448,800円(税込)
- 三脚(単品):31,900円(税込)
- 雲台(単品):9,900円(税込)
- キャリーケース(単品):33,000円(税込)
Matterport pro2カメラ、その他備品のご購入はこちらから
Leica BLK 360
こちらの丸みがあるカメラがLeica BLK 360カメラ、Pro2カメラと合わせてよく使用されるカメラの1つです。Pro2カメラが屋内向けなのに対して、BLKは屋外の広大な空間の撮影に適しています。Pro2とBLKを持っていれば基本的にはあらゆる空間に対応できると考えられます。
またPro2と同様に、空間を360°認識してくれますが1ショットにかかる時間はBLKの方が長いです。
特徴
BLKは屋外の撮影に適しており、Pro2では認識しにくい植物園などの屋外施設や建物間の通路なども撮影が可能です。またBLKカメラの画質は2Kで、Pro2の4Kには劣ってしまいますが、それでも没入感を誘う鮮明な映像を作成することができます。
撮影事例
佐倉ふるさと広場 チューリップ畑
こちらは佐倉のチューリップ畑の映像です。
太陽の光があるためPro2では撮影できませんが、BLKでは非常に綺麗にうつっています。リアルの会場では、人が多くてゆっくり見られないなんてこともありますが、Matterportデータではいつでもどこからでも好きなだけ映像に浸ることができます。
価格
約208万5,917円 (2021/11/9現在)
こんな人におすすめ
- 屋外を撮影したい
- 撮影範囲が広大で、屋外部分が多い
- クオリティーにこだわりたい
iPhone
普段使用しているiPhoneでもMatterport撮影が可能です。
iPhoneで撮影をする場合は、Matterportキャプチャーアプリをダウンロードし登録をすればすぐに撮影を始めることができます。
LIDAR技術を搭載している機種であれば、より優れたデータを生成することができるようです。
【対応機種】
- ・LIDAR技術を搭載機種
-
iPhone 13 Pro / iPhone 13 Pro Max
iPhone 12 Pro / iPhone 12 Pro Max
iPhone 13 / iPhone 13 mini
iPhone 12 / iPhone 12 mini
iPhone 11 / iPhone 11 Pro, iPhone 11 Pro Max - ・その他
-
iPhone XR / iPhone Xs, / iPhone Xs Max
iPhone X
iPhone 8 / iPhone 8 Plus
iPhone 7 / iPhone 7 Plus
iPhone 6s / iPhone 6s Plus
iPhone SE (2nd gen) - ・一部タブレット
-
LIDAR技術搭載のiPad Pro (12.9または11インチ) モデル
RAM 3GB以上を搭載したiPad、iPad Air、iPad miniモデル
特徴
iPhone撮影の一番の特徴は、手軽に撮影ができることです。普段使用しているスマートフォンで撮影ができるため操作方法にも慣れていますし、何より無料で始めることができるのは魅力的です。
注意点としては、広範囲の撮影が苦手であることやPro2カメラ、BLKカメラに比べて画質が大きく劣ってしまいます。
事例
オフィス事例
iPhoneで撮影しても3Dモデルは完成します。
しかし、画像をよく見てみると違和感がある部分もあります(ホワイトボード正面の茶色いソファー横など)。また、ドールビューもPro2やBLKのような綺麗な形にはなっていません。
こんな人にオススメ
・とにかく安く撮影がしたい
・撮影範囲が狭い(約20㎡以下)
・クオリティーにはこだわらずまずは一度撮影してみたい
・iPhoneを持っている、使用したことがある
iPhoneで撮影をしてみたい方はまずはアプリをダウンロード
Android
Androidでも撮影が可能になりました。
まだ全ての機種には対応していないようですが、Androidユーザーにとってはとても便利です。
使用方法などはIOSと同様です。
【対応機種】
- 超広角カメラで再現性が高い機種
- Samsung
- LG
- Sony
- Huawei
- その他の機種
- Xiaomi OPPO
- vivo OnePlus
- Mobicel Tecno
- Motorola realme
- Asus Nokia
- Lenovo
※Android版Matterportは、Android 9以上を搭載したGoogle認定デバイスでご利用いただけます。
(参考:https://Matterport.com/ja/3d-camera-app)
特徴
AndroidもiPhoneと同様に手軽に始めることができますが、画質や3Dモデルの繊細さなどクオリティーには期待ができません。
事例
Androidの事例はまだないため、データ作成でき次第更新いたします。
こんな人にオススメ
- とにかく安く撮影がしたい
- 撮影範囲が狭い(20平方メートル以下)
- クオリティーにはこだわらず、まずは一度撮影してみたい
- Androidを持っている、使用したことがある
Androidで撮影をしてみたい方はまずアプリをダウンロード
Ricoh Theta Z1/ Ricoh Theta SC2

Ricoh ThetaはiPhoneよりもサイズが小さく、24mmのスリム設計になっています。
特徴
Ricoh Thetaは小さく繊細な物体の撮影を得意としています。そのため、広い空間撮影では画質が悪いです。また24mmというスリム設計になっているため非常に持ち運びがしやすいのも特徴です。
またThetaにはいくつか種類があるのですが、最も高機能なものがZ1です。そしてRicoh Theta SC2という機種もあり、Z1より機能は少し劣りますが、低価格で手に入るため、費用を抑えたいという方にはおすすめです。
事例
3D空間はきちんと出来上がっており、問題なくウォークスルーで店内を移動することができます。
しかしPro2やBLKに比べると少し画質が粗いことがわかるのではないでしょうか。Tシャツや小物の細かい柄なども、若干見づらい印象を受けます。特に描い事物がある場合はThetaでは綺麗に映し出せないこともあるので注意が必要です。
価格
・Ricoh Theta Z1 :¥132,800 (税込)
・Ricoh Theta SC2: ¥36,800 (税込)
こんな人にオススメ
- 重いカメラを持ち運べないような環境での撮影
- 美術館の展示など繊維なものを撮影したい方
- 広い空間は撮影しない方(画質が劣るため)
Insta360 ONE R / Insta360 ONE X2

Insta360もRicohのTheta同様、スリムな設計で非常に持ち運びが便利な機種です。
Matterport撮影を行う際は、カメラをMatterportと接続しますが、 Insta360だけでも360°でのライブ配信やウェブカメラとしても使用することができます。
特徴
Insta360もThetaと同じく2種類あります。
Insta360といえばONE Rがスタンダードで、低価格なものがONE X2です。
2機種に共通している点は、手のひらサイズで持ち運びがしやすく、狭い空間の撮影に適していることです。また防水機能やリアルタイムでプレビューできる機能も便利です。
異なる点としては、ONE X2は電源を入れてすぐに撮影ができるため利便性に非常に優れていますが、ONE Rは撮影前に少し設定が必要になるため利便性では劣ります。しかしX2にはない「最高解像度撮影」「広角撮影」ができるため、クオリティーを重視するのであればONE Rをオススメします。
事例
Flash Point
(映像:https://blog.insta360.com/jp/insta360-partners-with-Matterport-to-reinvent-virtual-tour-production/ )
Insta360でも3Dモデルは綺麗に完成しています。しかし、同じ屋内の撮影でもPro2カメラで撮影した本丸御殿や那須ステンドグラス美術館の映像とは比べ物にならないほど画質が劣ってしまいます。空間のみを見せたい際にはInsta360でも対応できますが、細かい展示物や文字情報も反映させたい際にはPro2の使用をおすすめします。
価格
・Insta360 ONE R :¥51,580
・Insta360 ONE X2 :¥48,520
こんな人にオススメ
- 狭いスペースを撮影する
- 安くカメラを購入したい
- 重いカメラを持ち運べない場所での撮影
Matterportカメラ 全機種比較一覧表
Matterport Pro2 | BLK | Ricoh Theta | insta360 | iPhone | Android | |
屋内撮影 | ◎ | × | ◎ | ○ | ○ | ○ |
屋外撮影 | × | ◎ | × | × | × | × |
20㎡以上 | ◎ | ◎ | △ | △ | △ | △ |
20㎡以下 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
価格 | 448,800円(税込) | 約208万5,917円 | Z1 : ¥132,800 (税込)
SC2: | R :¥51,580
X2 :¥48,520 | 無料 (デバイスを既に持っている場合) | 無料 (デバイスを既に持っている場合) |
4K | ◎ | × | × | ×(4Kのものもあり) | × | × |
Matterportを使って撮影事業を考えている方へ
続いて、Matterportを使用して撮影事業を始めようと考えている方に向けて、
始めるまでの手順や用意するものについてご説明いたします。
Matterportカメラを使用する場合
①カメラ、三脚、雲台を購入する
まずは、撮影に必要となるカメラ、三脚、雲台、(キャリーケース)を購入します。
②Matterportのクラウドを契約する
撮影機材が準備できたら、 Matterport社が提供しているクラウドを契約します。撮影したデータは全てこのクラウドに保管され、編集などもクラウド内で行うため契約は必須です。
③MatterportキャプチャーアプリをIOSまたはAndroidにダウンロード
そしてもう一つ必要なのがキャプチャーアプリです。
撮影を行う際、カメラを操作するのはカメラ本体ではなくiPhone(iPad、Androidでも可能)です。操作したいデバイスにキャプチャーアプリをダウンロードすれば、このアプリ一つで撮影時の全ての操作が可能になります。
Apple Storeでダウンロードする
Google Playでダウンロードする
④Matterportの仕組み、カメラの機能を理解する
アプリのダウンロードまで完了したら撮影を開始できますが、そう簡単にはスムーズに撮影できません。Matterportカメラの機能やデータが生成される仕組みを理解してから撮影に臨むことをオススメします。
⑤アプリをダウンロードしたデバイスでカメラを操作し、撮影開始
これで準備は完了です。カメラ、三脚、雲台、操作デバイス(IOSやAndroid)を準備し現場へ向かいます。
iPhone、iPad、Androidを使用する場合
①Matterportクラウドを契約する
お手持ちのIOSやAndroidを使う場合は、機材の準備は必要ないため、クラウドの契約からスタートです。
②キャプチャーアプリを使用したいデバイスにインストールする
Matterportカメラを使う場合同様、キャプチャーアプリが必要になります。
Apple Storeでダウンロードする
Google Playでダウンロードする
③Matterportの仕組み、カメラの機能を理解する
アプリのダウンロードまで完了したら撮影を開始できますが、そう簡単にはスムーズに撮影できません。Matterportの機能やデータが生成される仕組みを理解してから撮影に臨むことをオススメします。
④アプリをダウンロードしたデバイスでカメラを操作し、撮影開始
これで準備は完了です。IOSまたはAndroidを用意し、現場へ向かいます。
Matterport撮影時の3つの注意点
最後にMatterport撮影において、どのカメラを使用する際にも共通する注意点があります。
①三脚の水平を維持する
Matterport撮影では、常にカメラ、三脚がまっすぐ(水平)になっているかを確認する必要があります。カメラが曲がっていると、せっかく高画質の映像を作成しても映像全体としてはクオリティーが低いものになってしまいます。
極端に曲がっていると再撮影の可能性もあるため、スマートフォンアプリの水平器などで定期的に確認することをオススメします。
②人通りが多い場所はできるだけ撮影しない
Matteportの撮影では、実空間に存在するものの「形」をそのままスキャンしています。
そのため、スキャンポイントごとに空間の状態が異なる(「人」という「形」がある状態とない状態がある)と正しく認識できないことがあります。
③撮影前に、展示物の確認をする。
撮影したデータは、メディアやSNSなど多くの人の目につく場所で公開されます。
そのため撮影する事物の「権利」については事前に確認をする必要があります。
例えば、美術館を撮影する際には作品の著作権問題。またモデルハウスでは個人情報が記載されているものが空間内にないかを確認の作業が必要です。
撮影していいもの、撮影してはいけないものを確実に把握し、現場を完璧な状態にしてから撮影を開始します。
以上3点、全てのカメラに共通する注意点についてご紹介しました。
ここでご紹介できたものは一部で、カメラの種類ごとに注意しなければならないポイントはまだまだあります。
詳しくは、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
以上Matteportカメラの全機種の特徴をご紹介しました。
最適なカメラは見つかりましたでしょうか?
今回の記事の内容をまとめると、
・Matterportカメラは1種類:「Pro2」のみ
・Matterportに対応しているカメラは5種類:
「Leica BLK 360」「Ricoh Theta」「 Insta360」「iPhone」「Android」
・カメラを選ぶ3つの基準:「撮影場所」「予算」「求めるクオリティー」
コロナ禍で、さまざまな業界でMatterportを使った3D撮影の需要が急上昇しています。
弊社は最新鋭設備Matterportを使用し、バーチャルコンテンツ撮影・制作・運用までサポートしております。またMatterportシステム開発も行っていますので、オリジナルでカスタマイズしたいというご要望にもお答えすることが可能です。是非一度、弊社までお問い合わせください!