バーチャル旅行・観光とは?メリット・デメリットと活用事例3選!

「バーチャル旅行」をご存じですか?

仮想空間内で旅行を疑似体験できるサービスで、近年の新型コロナウィルス感染症の影響もあり、旅行業界で急速に市場拡大し注目を集めています。

この記事ではバーチャル旅行の特徴、メリット・デメリット、制作方法、導入事例まで網羅的に解説していきます。

バーチャル旅行の導入を検討されている方はぜひ最後まで読んでみてください。

この記事でわかること
Advalay_banner

バーチャル旅行・観光とは

「バーチャル旅行・観光」とは、自宅にいながらオンラインで旅行の疑似体験ができるサービスです。

現地の風景や雰囲気を楽しむだけでなく、リアル旅行さながらのツアー形式サービスまで用意されています。

ツアー形式のバーチャル旅行では、現地スタッフやガイドさんがお土産情報や穴場スポットを案内してくれます。さらにチャット等を通じて、質問にもリアルタイムで答えてくれるので、旅行の下見や予習ができるコンテンツにもなっています。

参加自体はとても簡単で、インターネット環境があればどこからでも参加可能です。ZOOMやVimeonなどのアプリをご自宅のパソコンやスマートフォンにダウンロードして、URLにアクセスして開催時間を待つだけです。

バーチャル旅行の市場動向

新型コロナウィルス感染症の感染拡大以降、旅行会社等によって、現実の旅行の代替コンテンツとして急速に拡大しました。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査では、オンラインツアーの2020年の市場規模は95.9億円となり、参加意向を持つ方まで含めた潜在市場規模は520億円との調査結果がでています。
(出典:https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2022/05/seiken_220509_01.pdf

この市場動向の特筆すべき点は、バーチャル旅行に参加した方の後の行動です。

若年層を中心に地域の特産品購入や、訪問などのツアー先に対する行動を起こしている人が多く、それによって生じている経済効果は130億円に達しています。

「オンラインツアー」は単なる旅行の代替品ではなく、従来の旅行では得られなかったさまざまな目的を達成できるツールとして、リアル旅行とは別の市場を確立しつつあるといわれています。 

バーチャル旅行の特徴3つ

バーチャル旅行の特徴は、VR技術を使った映像美と、企業PRとしての使い勝手の良さにあります。

代表的な特徴としては、次の5つです。

一つずつ詳しく解説していきます。

1.オンライン上で「実物により近いイメージ」を伝えられる

国立科学博物館のバーチャルツアー

今までオフラインで行っていたサービスをオンライン転換する際、映像クオリティーが低くリアルな空間を映像化できないことが問題点でした。

しかし現在ではVRが普及し、リアルな世界をバーチャル上で再現することが可能になっています。

バーチャル空間で使用される映像は4Kを採用しています。

そのため、高画質でシームレスなその圧倒的な映像美は、細かい文字や風景の色彩まではっきりと映し出し、実空間の疑似体験を提供できるのです。

2.テクノロジーの力で世界観やブランドイメージを表現できる

バーチャル旅行を採用することで、旅行会社自体の世界観やブランディングにも効果的です。

バーチャル旅行ではリアル旅行では実現できない、さまざまな魅力的な演出によって、参加者の心をつかめるでしょう。

またバーチャル旅行のような新しい技術やサービスを導入することで、先進的で魅力的な企業であるということをアピールできます。

3.情報を一つに集約できる

制作したバーチャル空間内では、公式サイトやSNS、口コミサイトなどを「タグ機能」を使用して埋め込むことが可能です。

観光施設の公式サイトや、旅行会社の予約サイトがバラバラに存在すると、参加者はサイト間を迷ってしまい、ほかの企業サイトへ目移りしてしまう可能性があります。

そのため、情報がバーチャルツアー内に集約されていると、参加者が興味を持ったサイトへ直観的に飛ぶことができ、リアル旅行予約などにつながりやすくなります。

このようにバーチャル旅行に参加することは、関連サイト、PR動画、SNS広告などが集約された世界へ参加することになるため、リアル旅行へのお客様誘致が飛躍的に向上します。

バーチャル旅行のメリット

バーチャル旅行を採用した企業にはさまざまなメリットがあります。

ここでは上記のメリットを詳しく解説していきます。

現地への訪問者数を伸ばせる

動画や静止画にはない特別な体験ができるのがバーチャル旅行です。その特別な体験は参加者にとって印象に残りやすいといわれています。

視覚情報が多いことで、参加者が興味を持つ可能性が高くなり、リアル旅行への誘致が向上します。

またバーチャル空間内を回遊することは、より直観的に空間を把握できます。

さらに、バーチャル空間自体が、直観的に行動できる機能を有していることも誘致向上の要因といえるでしょう。

新たなビジネスチャンスを創出できる

バーチャル旅行はリアル旅行の代替コンテンツだけではありません。企業がバーチャル旅行を公開することで、新たなビジネスチャンスを創出できます。

たとえば、旅行先での音声ガイドの有料化や、関連ショップサイトへの直接誘致などさまざまな機能を搭載可能です。

またツアー形式にすることで、入場料を有料にして、バーチャル空間ならではの旅行体験を提供できます。

このようにバーチャル旅行は旅行会社にとっての既存事業の拡大だけではなく、新規事業の創出による企業の売上拡大にも貢献できるでしょう。

案内やPRのコストを削減できる

バーチャル旅行は事業売上の拡大だけではなく、企業内のコスト削減にもつながります。

オンライン上で十分な情報提供やPR活動ができれば、イベントへの出店やチラシ配布等の広報活動の量を減らせます。

すべてオンラインで情報提供し、新規顧客とのコミュニケーションもオンライン上で完結できれば大きなコスト削減につながるでしょう。

感染症対策にもつながる

さまざまな理由で旅行に出ることが難しい人がいます。

たとえば、ご高齢の家族や身体が不自由な方、または基礎疾患がありコロナ感染症を避けなければならない方。そして、旅行に行くことを諦めざるを得なかった方々にも、バーチャル旅行はリアル旅行に近い体験を提供できます。

また新型コロナ感染症の収束後にリアル旅行を計画される方にとって、バーチャル旅行は下見や予習となる重要なツールとなっています。

バーチャル旅行のデメリット

バーチャル旅行にもデメリットはあります。

バーチャル旅行を制作した後に、「こんなはずではなかった」「あまり効果が無い」など失敗や後悔をしないためにもデメリットを把握して対策を検討しておきましょう。

閲覧数を伸ばす工夫が必要

どんなに優良なバーチャル旅行を制作し公開しても、参加者を集めることができなければ意味がありません。

バーチャル旅行自体は非常に質の高いコンテンツです。

しかし参加者を集めるためには制作側での工夫が必要です。

WebサイトやSNSを活用して、一人でも多くのお客様に届けるためのマーケティング施策を同時に並行することが大切です。

感覚的な情報は伝えられない

バーチャル旅行は、オンライン上で映像を見るため、旅行先の施設に触れることや、現地の町や自然の匂いなど物理的な情報を伝えることができません。

また旅行先での人々との会話やふれあいなどのコミュニケーションを楽しむ人にとっては、物足りなさを感じることもあるでしょう。

そのような物足りなさを感じる方には、リアルとバーチャルを融合した追加の施策を検討する必要があります。

アクセス制限が発生する可能性がある

一般的にオンライン上でのバーチャル体験は、通信量が多いコンテンツになります。

そのためインターネット環境が悪いと、映像や音質が低下したり、途切れたりする可能性があります。

バーチャル旅行に参加してもらう方には、インターネット環境や通信量などを事前に確認してもらうため、企業側からの告知や注意喚起が必要になります。

バーチャル旅行の活用事例3選

ここではすでにバーチャルツアーを活用し、国内で話題になった事例や、世界で活用されているバーチャルツアーをご紹介します。

テクノロジーの最先端をいち早く導入した事例です。ぜひ参考にしてみてください。

1.日本旅行

日本で話題となったバーチャルツアーの事例を2つご紹介します。

 国立科学博物館のバーチャルツアー「かはくVR」

自宅で国立科学博物館にいるような疑似体験ができるバーチャルツアーです。

地球館・日本館どちらも映像が公開されており、どの展示も迫力満点で時間を忘れて没頭してしまいます。

公開当初は1カ月で100万プレビューを越える爆発的なアクセスを集め話題になりました。

国立科学博物館の導入インタビューは下記をご覧ください。

名古屋城本丸御殿

名古屋城では、普段入ることができない本丸御殿の各部屋の内部から、障壁画や彫刻欄間、飾金具などをバーチャル映像で公開しています。

建物内部を360度あらゆる角度から楽しめるため、その建築様式や造形の細部まで楽しむことができます。

2.海外旅行・世界旅行

世界各所の美術館や遺跡などが、バーチャルツアーで無料観光できるようになっています。

世界でもっとも有名な美術館の一つ「ルーブル美術館」は、2021年に48万2000点に及ぶ、ほぼすべてのコレクションをオンライン公開し美術館内のバーチャルツアーを提供しています。

(出典:https://www.louvre.fr/en/online-tour)

また、2020年にエジプト観光考古省は、古代エジプトの遺跡を巡るバーチャルツアーを公開しました。

(出典:https://www.smithsonianmag.com/smart-news/virtually-tour-five-egyptian-landmarks-180974696/)

「エジプト考古学博物館」をはじめ、「アマダ神殿」「モナステルリ宮殿」などエジプトが誇る観光名所を無料で楽しめるでしょう。

3.VRゴーグルを活用した旅行

池袋にある「FIRST AIRLINES(ファーストエアラインズ)」は、地上にいながら航空・世界旅行が体験できる世界初のバーチャル航空施設です。

この施設はバーチャルとリアルを融合させて、五感を使って旅行を楽しむサービスを提供しています。

VRゴーグルを活用し、さらには現地料理にあわせた機内食まで用意されており、本物のファーストクラスのフライトを体験できます。

(出典:http://firstairlines.jp/index.html

バーチャル旅行の作り方

バーチャル旅行を作る手順は次の通りです。

1.打ち合わせ

バーチャル旅行を制作する前に、現在の企業課題の把握や顧客ターゲットを明確にしたマーケティングが必要不可欠です。

バーチャル旅行制作に特化した専門業者を見つけることができたら、まずはイメージを共有して企画立案をしていきましょう。

2.観光地を360度カメラで撮影

バーチャル化する空間を360度カメラで撮影していきます。

撮影期間は施設規模によりますが、通常は半日程度で完了します。

しかしバーチャル旅行の場合、撮影範囲が広くなる可能性があるため、撮影期間は事前に確認しておくとよいでしょう。

バーチャル旅行の制作におすすめのカメラは「Matterport」「THETA」です。

制作ツールについては、後述します。

3.データ編集・オリジナルシステム開発

撮影したデータがアップロードできしだい編集作業に入ります。

バーチャル旅行に組み込みたいサイトリンクや、音声ガイドなどのコンテンツを追加していきます。

弊社では、制作前の打ち合わせ段階でデザイナーやエンジニアも同席し、搭載システムを企画していくため、ヒアリング時にご要望をお聞かせください。

4.データをWebサイトやSNSで公開

編集が完了したら、データから発行されるURLで納品されます。

URLをWebサイトやSNSに掲載することで、いつでもどこでも誰でもバーチャル旅行に参加できるようになります。

バーチャル旅行の作成ソフト・アプリ

ここでは現在バーチャル旅行制作に使用されているツールを2つご紹介します。

作成ソフトを選ぶ際は、3Dスキャンやステッチングの品質、カスタマイズの種類など、確認するべき重要なポイントがいくつかあります。

多くの撮影ソフトの中から自社に最適なソフトが何かを理解して、使用するソフトを間違えないようにしましょう。

Metterport

Matterport(マターポート)は、バーチャルツアー作成ツールの中でももっとも代表的なソフトの一つです。多くの業界業種で導入されています。

アメリカのMetterport社が提供するサービスで、日本にも代理店が複数社存在しているため、サポートを受けやすいのが特徴です。

Matterportが生成する3Dモデルやウォークスルーの精度は非常に高く、リアルな疑似体験を提供できます。

またカスタマイズや編集機能が豊富なため、オーダーメイドでデータ改善ができ、自社の活用目的にあわせて制作できます。

Matterportの特徴やメリットを知りたい方は「Matterportとは?3つのメリットや活用事例を徹底解説」も参考にしてみてください。

THETA

THETAはRICOHが提供する360度カメラツールです。

シリーズ内のTheta 360.Bizは法人向けに開発されたクラウドサービスであり、だれでも簡単にバーチャルツアーを作成できるのが特徴です。

THETAカメラは非常に軽量なため、携帯性に特化しており、不動産・建築などの幅広い業界で導入が進んでいます。

THETAのシリーズごとの違いや特徴は「【プロ厳選】THETAのおすすめ機種5つ!使い方と評判も解説」でも詳しく解説しています。

まとめ:バーチャル旅行でユーザーの興味関心を引き出そう!

新型コロナ感染症の影響で、多くの業種業態でさまざまな取り組みがなされてきました。

その中でもバーチャルリアリティの活用は、非常に注目を集めています。特に「バーチャル旅行」は、旅行業界における新規事業として確立されつつあります。

バーチャル旅行の制作ならAdvalay!

弊社は、Matterportを活用したバーチャル旅行の制作実績が豊富です。

本記事でご紹介した国立科学博物館や名古屋城本丸御殿の制作にも携わらせていただきました。

観光施設の集客に困っている企業様やバーチャル旅行の制作に興味をお持ちの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

初回面談では、貴社のお悩みのヒアリングを中心に、弊社でご提供できるサービスについて詳しくお話させていただきます。

Advalay
Advalay編集部
このメディアは、Matterportを中心としたコンテンツを発信しています。Matterport事業を行っているAdvalayだからこそ専門的で網羅的な情報をお届けできます。どなたでもわかりやすく、楽しめるコンテンツを作っていますのでぜひご覧ください。
  • URLをコピーしました!

\ 広報担当者向け /
Matterport完全攻略ガイド

Matterportの機能や活用事例など概要を詳しく紹介しています。
社内稟議やクライアント様への提案資料としてもご活用いただけます。

この記事を書いた人

この記事でわかること