バーチャルスタジオとは?2種類のタイプと作り方・活用事例まで解説
「バーチャルスタジオの活用方法について知りたい」
「導入して本当に効果があるのかわからない」
「バーチャルスタジオの制作方法が知りたい」
上記のようなお悩みはありませんか?
バーチャルスタジオは、スタジオに美術セットを持ち込むことなくすべてCGに置き換えられる新技術です。
しかし新技術であることや具体的な活用イメージが持てず、導入判断に迷っている企業も多いことでしょう。
そこで本記事では、バーチャルスタジオの活用事例について詳しく解説し、バーチャルスタジオをどう制作していくのか解説します。
ぜひ自社に使えそうな手法を取り入れ、売上や顧客数増加など結果に繋がるよう一歩を踏み出しましょう!
バーチャルスタジオは2種類ある!
バーチャルスタジオとは、バーチャル・VR技術を活用して生成したスタジオを指します。
具体的には、次の2種類のタイプのバーチャルスタジオが存在しています。
それぞれどのようなスタジオなのか詳しく見ていきましょう。
1.セット背景にCGのバーチャル映像を使用したスタジオ
1つ目のバーチャルスタジオとは、3DCGの空間映像と実写撮影をリアルタイムで合成しディスプレイに映し出せるスタジオです。バーチャルプロダクション・クロマキースタジオ・XRスタジオとも呼ばれています。
このタイプのスタジオは、カメラトラッキング技術とリアルタイムエンジンを組み合わせて撮影することで仮想空間を生成していきます。
グリーンバックのない場所にも空間が続いているように合成できるので大きなイベント会場など別の場所で撮影しているように見せられるのが特徴です。また、カメラの動きに連動してバーチャルセットの空間を自由に動かせるので、演者自身も映像内での映り方を確認でき自然な演技につながります。
このタイプのバーチャルスタジオは、いつもとは一味違うインパクトのある番組を作りたいテレビ局のディレクターや映像制作者におすすめです。
2.実店舗を3Dモデル化したバーチャルスタジオ
2つ目のタイプは、スタジオをそのままバーチャル化した3Dモデルのことを指します。
具体的には、360度カメラで空間を撮影し、プラットフォームにアップロードすることで3Dモデルが生成するという仕組みです。
制作した3DCGモデル(バーチャルスタジオ)をWebサイトやSNSに掲載しておくことで、ユーザーがオンライン上で十分な店舗情報を獲得できます。
そのため、認知拡大や購買・予約までの決断スピードを向上できる効果があります。
本記事では、1つ目のタイプのバーチャルスタジオをメインに解説していきます。
そのため、3Dモデルタイプのバーチャルスタジオ(バーチャルツアー)制作に興味をお持ちの方や企業様は、下記の記事をご覧ください。
バーチャルスタジオの仕組み
バーチャルスタジオは、3DCGの空間映像と実車撮影を合成したものをディスプレイに映し出し背景として設置することで完成します。
グリーンバック、カメラトラッキングとリアルタイムエンジンを組み合わせて撮影・制作しています。
リアルカメラを動かしたときに仮想空間でも連動し、仮想空間の背景があたかも現実世界のよう投影することが可能なカメラトラッキングシステムが制作の鍵となります。
また、バーチャルプロダクションで一般的に使用されているUnreal EngineやUnityといったゲームエンジンも撮影時に非常に重要な役割を果たします。
バーチャルスタジオの活用事例
映像表現の幅が広がるバーチャルスタジオは、新たなコンテンツを実現する試みとして注目されています。
ここからはバーチャルスタジオを実際に活用している事例について3つ紹介します。
テレビ番組
テレビ業界でも、全面グリーンバック仕様で背景CGを駆使できるバーチャルスタジオを設立するケースが増えてきています。
たとえば、テレビ朝日映像ではある企業の依頼を受け全国18箇所の営業所と映像をつないで行うイベントでバーチャルスタジオが利用されていました。
テレビ朝日からの形式が一望できるセットや、イベント用の華やかなセットも映像の用意だけで済みます。
その結果、従来のスタジオ設営に比べて、移動や設営にかかる人件費や備品代をはじめとした多くのコスト削減と業務効率化を実現できるでしょう。
ジムのトレーニング
スタジオのスクリーンに映し出したビデオを見ながらトレーニングするバーチャルフィットネスが増えてきています。
たとえば、24時間フィットネスジムのEveryでは世界でもっとも親しまれているレズミルズ社のプログラムを体験できます。
バーベルエクササイズや高強度トレーニングなど、最先端のトレーニングプログラムを日本にいながら好きなように自由に選択できます。
出典:https://every-24fitness.com/virtual-studio/
バーチャルスタジオの作り方
バーチャルスタジオを作成するためには、いくつかのステップがあります。
ここからは、バーチャルスタジオを作成するための基本的なステップをご紹介していきます。
1.背景・セット・プロップなど3Dモデルを制作
証明設備の配置、背景の設定、カメラの位置調整や小道具の制作などバーチャルスタジオの設計と設営をします。
また、制作にはカメラと映像処理が重要となります。
高品質の映像を提供するために、適切なカメラを使用し、映像処理ソフトウェアを設定します。
2.グリーンスクリーンをセットアップ
バーチャルスタジオでは、グリーンスクリーンを使用して背景を差し替える技術を行うことが一般的です。
また、仮想セットデザインソフトウェアを使用して、仮想的な背景やセットを作成することもできます。
3.カメラトラッキング
カメラトラッキングとは、実写映像内の特定の被写体や領域の動きから、その映像を撮影したカメラの動きを検出することを指します。
カメラの位置と方向をトラッキングシステムで追跡します。
これにより、カメラがセット内で正確に位置し、グラフィックスとの合成が滑らかに行われます。
4.カメラ映像と3Dグラフィックスをリアルタイムで合成
合成のため、ゲームエンジン(UnityやUnreal Engineなど)を使用します。
2つの映像の相対的な位置や視差を調整し、光の反射や影などのリアルな視覚効果を追加し合成を実現します。
リアルタイム合成がうまく機能することを確認するために、映像とグラフィックスが連動し、リアルな視覚効果が得られるか確認します。
5.テスト調整を経て本番撮影を開始
テストが成功したら、本番撮影を開始します。
本番撮影中はカメラ映像と3Dグラフィックスのリアルタイム合成をモニタリングします。
望む映像が得られるよう撮影中は必要な場面や演出の変更があれば、リアルタイムで調整できるように準備しておきます。
バーチャルスタジオの制作企業3選
バーチャルスタジオの制作に特化した企業は数多く存在します。
ここでは以下3つの制作企業を紹介します。
一つずつ見ていきましょう。
株式会社東京アドメディカ
株式会社東京アドメディカは、医療に特化したクリエイティブ制作会社です。
柔軟なアイデアから、High Qualityなグラフィックや映像・WEBなどを手懸けており、撮影〜CG制作など幅広い活動をしています。
「HATONOMORI STUDIO」という自社運営の撮影スタジオを制作し、少数精鋭でコンテンツ制作を行っています。
会社名 | 株式会社東京アドメディカ |
所在地 | 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-7-17 HATONOMORI STUDIO 2F |
事業内容 | 医療を中心とした広告、イベントなどのコミュニケーション活動全般 |
電話番号 | 03-6432-9482 |
制作費用 | 89万円~ |
公式サイト | https://tokyoadmedica.jp/ |
株式会社ナックイメージテクノロジー
株式会社ナックイメージテクノロジーは映像計測用や放送用のハイスピードカメラなど、特殊映像機器の開発・製造をしているメーカーです。
千葉県八街市にオープンしたHCA factory.は、600坪という広大な屋内撮影スペースを有するスタジオです。
200㎡のLED、グリーンバック、バーチャルプロダクションシステムを常設しています。
会社名 | 株式会社ナックイメージテクノロジー |
所在地 | 東京都港区北青山2丁目11番3号 A-PLACE青山 2階 |
事業内容 | 映画・写真・テレビなどの映像情報記録、処理、表示に関する光学機械器具、精密機械器具ならびにコンピュータを含む電子機械器具、及びこれらに付属する器具の設計・製造・販売・輸入およびレンタル、映像データの処理ならびにこの処理に関する調査の受託。 |
電話番号 | 03-3796-7901 |
制作費用 | 不明 |
公式サイト | https://www.nacxr.jp/company/ |
株式会社PANDASTUDIO.TV
1953年に東京テレビセンターとして創業。
2016年にインターネットでのライブ配信や動画コンテンツの配信をおこなっていた株式会社パンダスタジオと経営統合しました。
テレビ番組を作ってきたノウハウとパンダスタジオはインターネット放送に強いためスポーツの生中継などを中心に担当してきました。
映像制作の前段階であるレンタル事業、オリジナルの映像機器を研究開発。また、製造販売をするメーカーとしての活動、映像の権利を管理する番組のアーカイブサーバーの構築など事業範囲の拡大を続けています。
会社名 | 株式会社PANDASTUDIO.TV |
所在地 | 東京都中央区日本橋浜町2-62-6 日本橋浜町Kビル |
事業内容 | レンタルスタジオ事業、LEDディスプレイレンタル・販売事業、中継・配信事業、スタジオ構築、機材レンタル事業 |
電話番号 | 03-4405-9955 |
制作費用 | 不明 |
公式サイト | https://www.pandastudio.tv/company/ |
まとめ:バーチャルスタジオで視聴率につながる映像を作ろう!
今回はバーチャルスタジオについて活用事例や作り方を紹介してきました。
バーチャルスタジオの魅力は、リアルな3Dグラフィックスとセットデザインにあります。
バーチャルスタジオを導入することで臨場感あるコンテンツを制作できるため他社と差別化ができるでしょう。
他にも撮影スケジュールの短縮や演技のしやすさなど多くのメリットがあるバーチャルスタジオは視聴率向上のための強力なツールとなるため、ぜひ導入の検討をしてみてください。