5分でわかる「オンライン博物館」とは?メリットや事例、注意点を徹底解説

5分でわかる「オンライン博物館」とは?メリットや事例、注意点を徹底解説

こんにちは!株式会社Advalay編集部です。

オンライン博物館とは、PCやスマートフォンからインターネット経由で展示を鑑賞できる博物館のことです。3Dスキャンやバーチャルツアー、動画配信などの技術を使い、実際の展示空間をそのままデジタル化して届けられます。

コロナ禍をきっかけに導入が一気に進み、いまでは文化財DX(文化財のデジタル化・活用)の中核として全国の博物館・美術館が取り組んでいます。国立科学博物館の「かはくVR」のように、来館できない人にも展示を届ける仕組みが標準になりつつあります。

本記事では、オンライン博物館の概要・6つのメリット・制作ツール4選・費用相場・導入手順・注意点までを網羅的に解説します。弊社Advalayは国立科学博物館などのオンライン博物館制作にも携わっており、現場で得た一次情報をもとにご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

この記事の結論(30秒で読める)

この記事の結論
  • オンライン博物館とは:ネット経由でいつでも展示を鑑賞できる博物館。バーチャル型・動画型・ライブ型がある
  • 費用相場:3Dスキャン型(Matterport)で30万〜100万円、動画配信型で10万〜50万円が目安
  • 失敗しないコツ:目的に合ったツール選定と、著作権の事前確認が最重要

詳しい制作ツールの比較は「オンライン博物館の制作ツール4選」から、無料相談はこちらからご覧いただけます。

この記事はこんな方にオススメです
  • 来館者数の減少に悩み、オンラインでの集客手段を探している方
  • オンライン博物館を導入したいが、メリットや費用相場、制作方法がわからない方
  • 文化財DXの一環として、デジタルアーカイブの成功事例が見たい方

オンライン博物館とは?デジタルミュージアム・バーチャル博物館との違い

オンライン博物館とは、PCやスマートフォンなどのオンラインツールを使用し、インターネット上で展示を鑑賞できる博物館です。「デジタルミュージアム」「バーチャル博物館」「インターネット博物館」もほぼ同義で使われます。動画を使ったリアルタイム配信型や、実空間を再現するバーチャル映像型など、種類はさまざまです。

オンライン博物館の3タイプ(バーチャル映像型・動画配信型・ライブ配信型)比較図

大きく分けると、オンライン博物館には次の3タイプがあります。それぞれ制作方法も費用感も異なるため、目的に合わせた選択が重要です。

タイプ特徴代表ツール費用感
バーチャル型(3Dスキャン)実空間を丸ごと再現。没入感が高いMatterport30万〜100万円
動画配信型解説動画・ライブ配信で魅力を伝えるYouTube10万〜50万円
ギャラリー型展示物を写真・解説で並べるGoogle Arts & Culture無料〜30万円

なかでも近年主流になっているのが、Matterport(マーターポート)を使ったバーチャル型です。実空間を360°カメラで撮影し、そのままバーチャル空間として再現できるため、来館体験に最も近い鑑賞が実現できます。文化財DXの文脈でも、記録・保存と公開を同時に叶えられる点が評価されています。

オンライン博物館を導入する6つのメリット

オンライン博物館を導入するメリットは、コスト削減・アーカイブ保存・集客拡大・24時間対応・災害/感染症対策・リアル館の価値向上の6点です。博物館の新しい楽しみ方として浸透してきた背景には、これらの明確な効果があります。一つずつ解説していきます。

①人件費などのコスト削減につながる

展示をオンライン上で公開することで、これまでかかっていた人件費や電気代などの運営コストを削減できます。入館・退館もユーザー各自で行えるため、スムーズで効率的な鑑賞体験を提供できます。

②展示をアーカイブで半永久的に保存できる

オンラインコンテンツを制作すると、アーカイブとして半永久的に展示空間を保存できます。展示開催期間中だけでなく、終了後もコンテンツを活用できるのがオンラインの魅力です。これは文化財DXが目指す「記録の永続化」そのものといえるでしょう。

コストをかけて制作した空間をいつでも呼び出せることは、ユーザーや博物館だけでなく、作品を手がけたアーティストにとっても価値のある要素です。

③遠方の人にも届き、集客の幅が広がる

オンラインなら距離の制約がなく、国境を越えて作品を届けられます。遠方に足を運ぶ時間が取れない方や、身体・年齢を理由に来館が難しかった方にも、鑑賞の機会を提供できます。アクセスの良くない立地の博物館にとっては、集客の幅を広げる大きなチャンスになるでしょう。

④24時間365日いつでも閲覧できる

距離だけでなく、時間の制約も取り払えるのがオンラインコンテンツの強みです。サイトに掲載してしまえば、24時間365日どこからでもアクセスできます。ユーザーは好きなタイミングで、時間を気にせず作品に没頭できます。

⑤感染症・災害下でも展示を公開し続けられる

新型コロナウイルスの流行では人の移動が制限され、博物館も大きな影響を受けました。今後の感染症流行や災害に備え、展示を公開し続けられる事業継続(BCP)対策として導入しておくのも有効です。

⑥リアルの博物館の価値も高まる

オンライン博物館の制作は、オンラインコンテンツの充実だけにとどまりません。オンラインで展示の魅力を知ったユーザーは「実物も見てみたい」と感じるようになります。結果として、リアルの博物館の価値を高め、来館へとつなげられます。オンラインとリアルは競合ではなく、相互に集客を後押しする関係だといえます。

オンライン博物館の制作ツール4選と導入事例

オンライン博物館の主な制作ツールは、Matterport・YouTube・Google Arts & Culture・ライブ配信サービスの4つです。実現したい体験や予算に応じて選ぶことが成功の第一歩になります。ここからは、それぞれの特徴と実際の導入事例を紹介していきます。

オンライン博物館の制作ツール4選(Matterport・YouTube・Google Arts & Culture・ライブ配信)比較図

Matterportで没入感のある3D映像を

Matterport(マーターポート)とは、実空間を360°カメラで撮影し、その空間をそのままバーチャル上に再現して疑似体験を生み出す技術です。このカメラで博物館を撮影すれば、リアルの展示をそのままオンライン上で歩き回るように鑑賞できます。文化財DXの現場で最も採用が進んでいる方式です。

国立科学博物館「かはくVR」

国立科学博物館のバーチャルツアー「かはくVR」の展示空間。Matterportで再現されたオンライン博物館の一例
(引用:https://www.kahaku.go.jp/VR/

弊社Advalayでも、国立科学博物館をはじめとする文化施設のバーチャル化を手がけてきました。3,000件以上の制作実績から得た知見をもとに、展示の見せ方に合わせた撮影・編集をご提案しています。Matterportの活用法はこちらの記事でも詳しく解説しています。

馴染みのあるYouTubeで動画を配信

YouTubeでも、動画を通じて博物館を配信できます。編集次第で魅力的なコンテンツに仕上げられ、利用ユーザーが多いため多くの人々に作品を届けられます。ライブ配信機能もあるため、録画とリアルタイムのコンテンツを併用すれば、博物館の魅力を余さず伝えられます。

国立科学博物館 展示解説

誰でも簡単に利用できるGoogle Arts & Culture

Google Arts & Cultureは、Googleが提供する文化芸術のアーカイブサービスです。展示物の高精細画像と解説を掲載でき、初期費用を抑えてオンライン展示を始められる点が特徴です。まずは低コストでデジタル展示を試したい博物館におすすめです。

埼玉県立歴史と民俗の博物館

埼玉県立歴史と民俗の博物館のGoogle Arts & Cultureページ。デジタルミュージアムのギャラリー型展示の一例
(引用:https://artsandculture.google.com/partner/saitama-prefectural-museum-of-history-and-folklore?hl=ja

ライブ配信でリアルタイムの空間をお届け

ライブ配信サービスも浸透してきました。投げ銭システムなどを備えたサービスも多く、機能をうまく活用すれば収益化にもつなげられます。学芸員による解説をリアルタイムで届けられるため、双方向のコミュニケーションが生まれるのも魅力です。

国立科学博物館(インスタライブのアーカイブ)

オンライン博物館の費用相場と制作の流れ

オンライン博物館の費用相場は、3Dスキャン型(Matterport)で30万〜100万円、動画配信型で10万〜50万円が目安です。空間の広さや展示点数、編集の作り込み度合いによって変動します。ここでは購買検討の判断材料として、費用の内訳と導入の流れを整理します。

オンライン博物館の制作費用相場(3Dスキャン型と動画配信型の比較)
規模対象費用目安(Matterport型)
小規模1フロア・企画展1室30万〜50万円
中規模複数フロア・常設展50万〜80万円
大規模館全体・多言語対応80万〜100万円以上

費用の大半は撮影費とデータ処理費が占めます。弊社Advalayでは撮影から3Dモデル制作まで一気通貫で対応するため、外注を挟むより品質管理とコスト面で有利です。制作実績3,000件以上をもとに、文化施設の予算に合わせた最適プランをご提案しています。

導入の流れは、①ヒアリング・目的整理 → ②撮影範囲と権利確認 → ③現地撮影 → ④データ処理・編集 → ⑤公開・埋め込み設定、という5ステップが基本です。撮影自体は1フロアあたり半日〜1日で完了することが多く、公開までの期間は2〜4週間が目安になります。費用の詳しい内訳は料金ページもあわせてご覧ください。

オンライン博物館の導入を成功させるための5つの注意点

オンライン博物館の導入で失敗しないために押さえたい注意点は、リアル館との相乗効果の理解・デジタルスキル・表現の限界・ツール選定・著作権の5つです。とくに著作権の事前確認は、公開後のトラブルを防ぐうえで欠かせません。それぞれ解説していきます。

オンラインはリアルの価値も高めると理解しておく

オンライン化により来館者が減るのではと不安を持たれる方もいるのではないでしょうか。しかし実際には、オンライン博物館の公開はリアル空間の価値も高め、双方に良い影響を与えます。競合ではなく補完関係だと意識しておきましょう。

デジタルツールの操作スキルを備える

オンラインコンテンツの導入には、ある程度のデジタルスキルが求められます。とくにリアルタイム配信では、操作に手間取ると鑑賞体験を損ねかねません。目的に合ったツールを選び、操作方法を確実にマスターしておくことをおすすめします。

オンラインでは伝わりきらない部分もある

デジタル技術の発展でリアルの疑似体験が可能になりました。しかし、匂いや質感などオンラインでは伝わりきらない要素もあります。実物ならではの魅力を損なわない見せ方の工夫が必要でしょう。

目的に合わせた制作ツールを選ぶ

オンライン博物館にはさまざまな種類があります。どんなコンテンツを制作したいのか、収益化を目指すのかなど、目的に合ったツール選びが成否を分けます。迷ったら専門会社に相談してみるのもおすすめです。

著作権などの権利問題に注意する

博物館や美術館の展示物には、著作権などの権利問題に留意する必要があります。撮影前に、公開してはいけない展示物の撤去や許諾の確認など、慎重に準備を進めましょう。文化財DXでデジタル化を進める際も、この権利確認が最初の関門になります。

よくある質問

Q1. オンライン博物館とデジタルミュージアム・バーチャル博物館は違いますか?

A1. ほぼ同義で使われます。いずれもインターネット経由で展示を鑑賞できる仕組みを指し、「デジタルミュージアム」「バーチャル博物館」「インターネット博物館」は呼び方の違いと考えて差し支えありません。実装方式としては、3Dスキャン型・動画型・ギャラリー型の3タイプがあります。

Q2. オンライン博物館の制作費用はどれくらいですか?

A2. 3Dスキャン型(Matterport)で30万〜100万円、動画配信型で10万〜50万円が目安です。空間の広さ・展示点数・多言語対応の有無によって変動します。小規模な企画展1室なら30万円前後から始められます。

Q3. 制作にはどのくらいの期間がかかりますか?

A3. 公開までの期間は2〜4週間が目安です。撮影は1フロアあたり半日〜1日で完了することが多く、その後のデータ処理・編集・埋め込み設定に時間を要します。急ぎの案件はスケジュールをご相談ください。

Q4. 文化財DXとオンライン博物館はどう関係しますか?

A4. オンライン博物館は文化財DXの中核的な取り組みの一つです。展示や文化財を3Dで記録・保存し、同時に一般公開できるため、「記録の永続化」と「活用・公開」を一度に実現できます。デジタルアーカイブとして後世に残す価値も大きいといえます。

Q5. 個人経営の小さな博物館でも導入できますか?

A5. 導入できます。Google Arts & Cultureのような低コストのギャラリー型から始めれば、初期費用を抑えてオンライン展示をスタートできます。反響を見ながら3Dスキャン型へ拡張する段階的な進め方もおすすめです。

Q6. 撮影時に注意すべきことは何ですか?

A6. 最も重要なのは著作権の確認です。撮影前に公開可否を整理し、許諾が必要な展示物は事前に対応しておきましょう。照明や動線の確保も、仕上がりの品質を左右する大切なポイントです。

文化財DXの総まとめ|さらに深く知るためのガイド

オンライン博物館は、博物館・美術館・教育機関が取り組む文化財DXの入り口です。3Dアーカイブによる記録・保存と、オンライン公開による活用を同時に実現できる点が、文化施設のデジタル化における最大の価値だといえます。ここでは、より深く理解するための関連記事をまとめました。あわせて読むことで、自館に合った導入方針が描きやすくなるでしょう。

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まとめ:オンライン博物館で文化財DXを一歩前へ進めよう!

いかがでしたでしょうか。オンライン博物館についてまとめます。

オンライン博物館とは
  • オンラインツールを活用し、いつでもどこからでもアクセスできるオンライン上の博物館
  • コスト削減・アーカイブ保存・集客拡大など6つのメリットがあり、文化財DXの中核として注目されている
  • 費用相場はMatterport型で30万〜100万円、公開までの期間は2〜4週間が目安
  • 国立科学博物館の「かはくVR」など有名施設がすでに導入している
  • 成功のカギは、目的に合ったツール選定と著作権の事前確認

リアルとオンラインが融合した新たな集客・PR手法が浸透し、Matterportも文化施設をはじめ幅広い分野で導入が進んでいます。オンライン博物館の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

弊社Advalayは、3,000件以上の制作実績をもつ空間デジタル化の専門企業です。博物館・美術館・教育機関向けに、撮影から3Dモデルを活かしたプロモーションまで一気通貫でご提供できます。ご相談は無料です。用途やご予算をお聞かせいただければ、最適なプランをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

著者: 柴山 紘輔(株式会社Advalay 代表取締役)|プロフィール・編集方針

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Advalay メディア事業部

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Advalay編集部
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