国立科学博物館のバーチャルツアー「かはくVR」が無料公開!圧巻の大迫力映像
国立科学博物館のバーチャル映像が公開され、おうちで博物館展示が無料で楽しめるようになりました。
今回は、制作に協力させていただいた弊社がバーチャル博物館とは一体どのような映像なのかそのコンテンツの内容や制作方法、さらにVRでの見方までどこよりも詳しくその魅力をお伝えします!
- 国立科学博物館のバーチャル映像の内容が気になる
- バーチャル博物館に興味があり、制作方法や事例について詳しい情報を知りたい
- コロナ禍で、博物館の集客やPRに困っている…
国立科学博物館のバーチャルツアー「かはくVR」とは?
おうちからでも実際に国立科学博物館にいるかのような疑似体験ができるバーチャルツアーです。地球館・日本館どちらの映像も公開されており、どの展示も迫力満点でつい時間を忘れて没頭してしまいます。
24時間365日いつでもどこからでも楽しむことができる博物館として話題です。
「かはくVR」のここがすごい!5つの魅力
かはくVRがどれだけすごいのかその5つの魅力について解説します。
- 4Kの高画質映像
- まるでその場にいるかのような疑似体験ができる
- 解説動画が見れる
- 3Dモデルならではの空間模型が見れる
- VRではさらに迫力のある映像が楽しめる
1.4Kの高画質映像
かはくVRは、展示の繊細な部分まで鮮明に見ることができる4K高解像度の映像です。
リアルで見るのとほぼ変わらない大迫力映像を体験できます。
また作品だけでなく、テキストもはっきり読めるため、一つ一つのコンテンツへの理解が深まります。オフラインの博物館で、時間がない・人が多いなどの理由で十分にコンテンツを満喫できないという課題も解決できます。
2.まるでその場にいるかのような疑似体験ができる
バーチャルツアーでシームレスに空間内を移動できるため、興味がある場所に瞬時に移動できます。これまで博物館の展示を見るには画像や動画情報のみであったため、受動的に情報が入ってくる状態でしたが、バーチャルツアーでは自らの手で映像をコントロールすることができスムーズな移動が可能です。
またオフライン博物館に比べて、移動コストもかからないためより効率的に満足度が高い時間を過ごせるでしょう。
3.解説動画も楽しめる
ツアー内には、さまざまなコンテンツが埋め込まれています。
国立科学博物館にある展示の解説を見ることができる動画コンテンツや、重要文化財についての追加情報などツアーを楽しめるようオンラインならではの工夫がなされています。
4.3Dモデルならではの空間模型が見れる
バーチャルツアーの映像は、「空間移動」「平面図(マップ)」「立体図(ドールビュー)」の3視点で楽しめます。
特に注目したいのが、国立科学博物館 日本館の平面図とドールビュー映像です。日本館の建物は、当時の科学技術の象徴であった飛行機型になっており、この飛行機型の全体像を見ることができるのはバーチャルツアーならではのものですので必見です。
5.VRではさらに迫力のある映像が楽しめる
博物館のバーチャルツアーは、PCやスマートフォンに加えてVRでも閲覧できます。VRを使うことで、一層没入感が高まり、時間を忘れて博物館に夢中になってしまう方も多いのではないでしょうか。
VRでの見方はとても簡単です。興味がある方は、以下の記事にVRで見る方法について詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
バーチャルツアーの制作方法
多くの魅力があるバーチャルツアーですが、制作方法について気になっている方もいるのではないでしょうか。
今回は、弊社が撮影に協力させていただきましたので制作について詳しい情報をご紹介いたします。
制作技術
Matterport(マターポート )というデジタルツインの技術を活用しました。こちらは、実空間を撮影し、それをそのままバーチャル上に生成する技術で住宅業界や店舗、展示空間などさまざまな業界で導入が進んでいます。
制作期間
地球館、日本館合わせて6日間程度で制作を行いました。
プロのカメラマン2名で、カメラを2台同時稼働での撮影でした。
博物館の休館日に合わせて撮影を行なっていたため映像に来場客が映り込むことなく、博物館の展示だけを生かした映像が完成しました。
博物館のバーチャルツアーを検討されている方へ
国立科学博物館をはじめ、多くの博物館でバーチャルツアーの導入が進んでいます。
導入の背景には、新型コロナウイルス感染症の流行で博物館に訪れる人が減ってしまったことが挙げられます。オンラインコンテンツは、24時間365日いつでもどこでも誰でも博物館にアクセスすることができコロナ禍の救済ツールとして注目されています。
バーチャル博物館は一度制作してしまえば、半永続的にその映像を活用することができるため、今後想定されるパンデミック下でも展示の開催を継続するための戦略の1つとしても有効なアイテムです。
最近では、デジタル技術の発展により、アートにもその技術を生かした多彩な表現方法が求められるようになってきています。バーチャルならでは実現できるコンテンツを制作し、斬新な展示を制作できるのも魅力です。
バーチャル博物館の導入は、オンラインサービスを充実させるだけでなく、それ以上にリアルの博物館の価値を高める施策です。
「コロナ禍で来場客が減ってしまった…」「デジタル技術を使って新しい取り組みをしたい…」など少しでもバーチャル博物館の制作に興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合せください。
「かはくVR」を導入した国立科学博物館様へインタビュー
- Matterportを導入した背景を教えてください
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バーチャル展示に取り組もうという考え自体は、科博イノベーションプランを発表した2019年ごろから、具体的な方策を模索していました。そのような状況下で、新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、2020年4月に一般社団法人VR革新機構からボランティア撮影の提案がありました。当館が考えていた360度映像による展示公開の構想とマッチしていたこともあり、背中を押される形で、臨時休館の期間を利用して撮影することとして、急遽公開に向けて動き出したという経緯です。
公開から約2年が経過し、展示改修などがあったため、この度改めて全体を撮影し直した新バージョンを2022年4月から公開しています。
- 導入に際して検討したこと
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まず、短時間で当館の広大な展示空間を、撮影して空間構造まで測定できることが重要でした。
当館の「日本館」と「地球館」も合わせると展示室だけでも11フロアあり、撮影箇所は約1500箇所にも及びます。展示自体も部分的に改修していくため、表示内容を更新して最新の状態を維持していくためには、短時間でコストを抑えて撮影できなければなりませんでした。もちろん、細部まで展示を観察できる画質の良さや、多様なデバイスで視聴できることなども高く評価しています。
実は、今回のリニューアルでは、これまで公開していない部分も追加したのですが、短期間で再撮影して公開することができとても助かりました。
- バーチャル展示の活用について
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最初の公開は、緊急事態宣言下で外出が困難時期に、バーチャルであっても、子供たちに楽しい時間を提供した、おうちで科博を体験してもらいたいと公開しました。おかげさまで、とても好評で多くのご家庭からご覧いただくことができました。YouTubeでは、「かはくVR」を見ながら研究者が展示を解説する映像も公開しています。
- Matterportの導入効果
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予想以上の大きな反響に驚かされました。公開当初は1ヶ月で100万プレビューを越える爆発的なアクセスを集めました。
博物館としては、本当は実物を見に来館してほしいという願いはありますが、来館したくてもできない方に、博物館の体験を提供できるということで、とても意義のある活動となったと思います。なかなか東京までお越しになれない方にとっても、科博の展示物を気軽に、バーチャルで楽しめるようになったと、本当に喜んでいただいています。
- Matterportの導入を検討している博物館へメッセージ
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Matterportは手軽で簡単に導入でき、博物館の展示を公開する手法としても、展示をアーカイブする手法としても、さまざまな形で活用することができると思います。当館も、多様な観覧者に対して、より豊かな博物館体験をお届けできるように工夫して取り組んでいきたいと思います。
まとめ
- 国立科学博物館のバーチャルツアー「かはくVR」とは
- お家からでも博物館を楽しむことができるオンライン上の博物館
- 画像や動画のオンラインツアーとは異なり、自分の手でコントロールできるため見たい展示を自分のペースでじっくり楽しむことができる
- 4K高画質や、コンテンツの埋め込みなどデジタル技術によるハイクオリティー映像
- 国立科学博物館バーチャルツアーの制作方法は
- 制作ツールはデジタルツイン技術で3Dモデルを制作するMatterport(マーターポート)
- 大規模撮影のため弊社プロカメラマン2名で対応
- コロナ禍での来場客減少や、デジタル技術を使った多彩な展示方法が求められるようになったことを背景にバーチャル博物館の導入は浸透している
ウィズコロナ時代の新常識としてリアルとオンラインが融合した新たな集客・PR方法がどんどん浸透しており、Matterportも幅広い分野で導入が進んでいます。
弊社では1000件以上の撮影実績をもとに、撮影だけではなく3D モデルを活かしたプロモーション提案が強みです。
Matterportに関することや活用方法などぜひお気軽にお問い合わせください。