バーチャルステージングの費用対効果|成約率・反響はどう変わるか

バーチャルステージングの費用対効果|成約率・反響はどう変わるか

バーチャルステージングとは、空室の写真にCGで家具やインテリアを合成し、暮らしのイメージを伝える手法のことです。実際に家具を運び込む必要がないため、1カットあたり5,000〜30,000円程度で制作できます。

不動産のポータルサイトでは、掲載写真の印象が問い合わせ数を大きく左右します。何もない空室の写真では生活のイメージが湧かず、スクロールされて終わってしまうことも珍しくありません。

本記事では、バーチャルステージングの費用相場と、成約率・反響数がどう変わるのかを具体的な数字とともに解説します。実際のホームステージングとの費用比較や、失敗しないための注意点もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

この記事の結論

  • バーチャルステージングの費用相場は1カット5,000〜30,000円。実際のホームステージング(20万〜50万円)の10分の1以下
  • 反響数は1.5〜2倍、成約までの期間は平均で2〜4週間短縮する事例が多い
  • 費用対効果は「空室期間の家賃損失」と比較すると判断しやすい

バーチャルステージングとは?仕組みと基本を解説

バーチャルステージングとは、空室や更地の写真にCG(コンピュータグラフィックス)で家具・照明・小物などを合成し、実際に人が住んでいるような状態を再現する手法です。撮影した写真1枚から制作でき、家具のレンタル費用も搬入作業も発生しないため、実際のホームステージングと比べて費用を大幅に抑えられます。

近年は不動産ポータルサイトの掲載競争が激化しており、写真の質が問い合わせ数を左右する状況になっています。空室のまま撮影した写真は「がらんとした部屋」という印象になりやすく、部屋の広さや使い方が伝わりにくいという課題がありました。

バーチャルステージングと実際のホームステージングの費用・期間比較表

実際のホームステージングとの違い

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実際のホームステージング(リアルステージング)は、家具や小物を物件に搬入して空間を演出する手法です。内見時にも実物を見てもらえる点が強みですが、その分コストと手間がかかります。

項目バーチャルステージング実際のホームステージング
費用(1部屋あたり)5,000〜30,000円200,000〜500,000円
制作・準備期間2〜5営業日1〜2週間
内見時の効果なし(写真のみ)あり(実物を体感できる)
家具の入れ替え追加費用のみで容易再搬入が必要
遠隔地の物件対応可能出張費が発生

バーチャルステージングは「集客段階」、実際のホームステージングは「クロージング段階」で効果を発揮すると考えると整理しやすいでしょう。両方を組み合わせる不動産会社も増えています。

バーチャルステージングが向いている物件

すべての物件に有効というわけではありません。以下のような条件に当てはまる物件では、特に効果が出やすい傾向があります。

  • 空室期間が3ヶ月以上続いている物件:写真の刷新で反響が回復するケースが多い
  • 変形間取り・広めのリビング:家具の配置イメージが湧きにくい物件ほど効果が大きい
  • 築古のリノベーション物件:新しい暮らし方を提案できる
  • 地方・遠隔地の物件:現地に家具を運ぶコストが高いため相対的に有利

一方で、すでに家具が置かれている居住中の物件や、極端に狭い間取りでは効果が限定的になることもあります。

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バーチャルステージングの費用相場を徹底解説

バーチャルステージングの費用は、1カット(写真1枚)あたり5,000〜30,000円が相場です。価格差が生まれる主な要因は、CGの品質・家具の点数・修正回数の3つになります。国内の制作会社を比較すると、テンプレート家具を使う量産型で5,000〜10,000円、物件に合わせて家具を選定するオーダー型で20,000〜30,000円という価格帯に分かれています。

バーチャルステージングの価格帯別プラン比較(5,000円〜30,000円)

価格帯別の内容比較

価格帯内容納期向いているケース
5,000〜10,000円/カットテンプレート家具の合成。修正1回まで2〜3営業日賃貸物件の大量掲載
10,000〜20,000円/カット物件に合わせた家具選定。修正2〜3回3〜5営業日分譲マンション・戸建て
20,000〜30,000円/カット高精細CG。照明・質感まで調整5〜10営業日高額物件・新築販売

一般的な3LDKマンションでリビング・洋室2部屋の計3カットを依頼した場合、15,000〜90,000円が総額の目安となります。多くの物件では中間価格帯の3〜5万円程度に収まるケースが多いでしょう。

追加費用が発生しやすい項目

見積もりを取る際は、以下の項目が基本料金に含まれているかを確認しておくと安心です。

  • 家具の入れ替え・再修正:追加1回につき3,000〜5,000円
  • 既存家具や生活感の除去(バーチャル・デクラッタリング):1カット5,000〜15,000円
  • 急ぎ対応(翌営業日納品):基本料金の30〜50%増
  • 撮影から依頼する場合:出張撮影費として20,000〜50,000円

なお、写真自体の品質が低いと合成後の仕上がりも落ちます。弊社Advalayでは3,000件以上の空間撮影実績をもとに、撮影段階から仕上がりを想定した画角・露出の設計を行っています。

費用を抑えるコツ3つ

限られた予算で効果を最大化するには、以下の3点を意識してみてください。

  1. 全室ではなく「リビング1カット」に絞る:ポータルサイトのサムネイルは1枚目の写真が最も見られるため、投資対効果が高い
  2. まとめ発注で単価を下げる:10カット以上のまとめ発注で20〜30%の割引に応じる会社が多い
  3. テンプレート家具を活用する:賃貸物件であればオーダー選定は不要なケースが大半

成約率・反響はどう変わるか|費用対効果の実データ

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バーチャルステージングを導入した物件では、ポータルサイトの反響数が1.5〜2倍に増加し、成約までの期間が平均2〜4週間短縮するというデータが複数の不動産関連調査で報告されています。米国不動産業者協会(NAR)の2023年調査では、ステージングを実施した物件の20%が販売価格1〜5%の上昇につながったとされています。

写真の印象が変わるだけでこうした差が生まれる理由は、購入・入居検討者の意思決定プロセスにあります。ポータルサイトで物件を絞り込む段階では、多くの人が写真だけで数十件を数分でふるいにかけています。この初期段階で「候補から外れない」ことが、反響数に直結するのです。

バーチャルステージング導入による反響数1.5〜2倍、成約期間2〜4週間短縮のデータ

反響数への影響

指標導入前導入後変化
ポータルサイト閲覧数100140〜180+40〜80%
問い合わせ数5件/月8〜10件/月約1.5〜2倍
内見予約率40%50〜60%+10〜20pt
成約までの期間90日60〜75日15〜30日短縮

※上記は国内不動産会社の導入報告および業界調査の平均的なレンジをまとめたものです。物件の立地・価格帯によって差が生じます。

空室期間の損失と比較する

費用対効果を判断するうえで最もわかりやすいのが、空室期間中に発生している家賃損失との比較です。

家賃12万円の賃貸物件を例に計算してみます。空室が1ヶ月続けば12万円の機会損失が発生します。一方、バーチャルステージングの費用は3カットで3〜6万円程度です。

つまり、空室期間が半月短縮できれば、費用は回収できる計算になります。前述のとおり成約期間が平均15〜30日短縮するというデータを踏まえると、多くの物件で投資額を上回る効果が見込めるでしょう。

売買物件であればさらに効果は明確です。3,000万円の物件で成約価格が1%上がれば30万円の差になり、制作費の数倍のリターンになります。

費用対効果が出にくいケース

一方で、以下のようなケースでは効果が限定的になることもあります。

  • そもそも掲載写真の枚数が少ない物件:1枚だけ良くしても全体の印象は変わりにくい
  • 価格設定が相場から大きく外れている物件:写真の改善では価格の問題は解決できない
  • 駅から遠いなど条件面の課題が大きい物件:反響は増えても成約に結びつきにくい

ステージングは「良い物件をきちんと伝える」ための手段であり、物件そのものの課題を覆すものではありません。この点を理解したうえで導入することが重要です。

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バーチャルステージングの選び方・判断軸

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どのサービスを選ぶべきかは、物件のタイプと運用体制によって変わります。ここでは状況別の判断軸を整理します。

賃貸物件を大量に掲載している場合はテンプレート型を選びましょう。1カット5,000〜10,000円のサービスで十分な効果が得られます。単価を抑えて掲載件数を増やすほうが、全体の反響数は伸びます。

分譲マンション・戸建ての売買物件ならオーダー型が適しています。1カット15,000〜30,000円の価格帯で、物件のグレードに合った家具選定をしてもらうべきです。購入検討者は賃貸よりも慎重に写真を見るため、CGの粗さは信頼低下につながります。

高額物件・新築販売なら3Dスキャンやバーチャルツアーとの併用を検討してみてください。静止画だけでなく、空間全体を移動しながら見られる形式のほうが、遠方の検討者に届きやすくなります。

社内で継続的に運用するならツール型のサービスも選択肢になります。月額制で自社スタッフが操作するタイプは、月10カット以上使うなら外注より安くなるケースが多いでしょう。

発注前に確認すべき5項目

  1. 修正回数が何回まで基本料金に含まれるか
  2. 納品形式(JPEG/PNG、解像度)とポータルサイトの規定に合うか
  3. 「CG合成」の明示ルールにどう対応しているか
  4. 家具のバリエーションがどれだけあるか
  5. 撮影から依頼できるか、写真持ち込みのみか

バーチャルステージングの注意点と失敗パターン

導入時に最も注意すべきなのは、CG合成であることを必ず明示する点です。宅地建物取引業法では、誇大広告等の禁止(第32条)が定められており、実際とは異なる印象を与える表示は問題になり得ます。国土交通省の「不動産の表示に関する公正競争規約」でも、実際の物件と異なる状態の写真使用には注意が必要とされています。

失敗パターン1:CG表記を怠る

「家具付きだと思って内見に行ったら空室だった」というクレームは、実際に発生している典型的なトラブルです。写真上に「※家具はCGによるイメージです」といった表記を必ず入れ、物件概要欄にも記載しておきましょう。

失敗パターン2:家具のスケールが合っていない

安価なサービスでは、部屋の広さに対して家具が不自然に大きい・小さいというケースがあります。内見時に「写真と印象が違う」と感じさせてしまい、かえって信頼を損ないます。制作会社に間取り図を共有し、実寸に合わせた配置を依頼することが大切です。

失敗パターン3:物件のターゲットと家具のテイストがずれている

ファミリー向け物件に単身者向けのミニマルな家具を合成しても、想定顧客には響きません。誰に届けたい物件なのかを整理してから、家具のテイストを指定するようにしてみてください。

失敗パターン4:写真の元データの品質が低い

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暗い、傾いている、画角が狭いといった写真をベースにすると、CGを合成しても仕上がりは改善しません。むしろ合成部分だけが浮いて見え、不自然さが際立ちます。撮影段階からプロに依頼するほうが、結果的にコストパフォーマンスは高くなります。

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よくある質問

バーチャルステージングの費用は1部屋いくらですか?

1カット(写真1枚)あたり5,000〜30,000円が相場です。テンプレート家具を使う量産型なら5,000〜10,000円、物件に合わせて家具を選定するオーダー型なら20,000〜30,000円が目安になります。3LDKで3カット依頼する場合の総額は15,000〜90,000円程度です。

実際のホームステージングとどちらを選ぶべきですか?

集客段階(ポータルサイトの反響を増やしたい)ならバーチャルステージング、クロージング段階(内見に来た人の決断を後押ししたい)なら実際のホームステージングが適しています。予算が限られている場合は、まずバーチャルステージングで反響数を確保することをおすすめします。費用が10分の1以下で済むため、複数物件に展開しやすい点も強みです。

CGで家具を合成しても法律上問題はありませんか?

CG合成であることを明示すれば問題ありません。宅地建物取引業法第32条では誇大広告等が禁止されているため、家具が実際に設置されていると誤認させる表示は避ける必要があります。写真上と物件概要欄の両方に「家具はCGによるイメージです」と記載しておきましょう。

納品までどれくらいかかりますか?

一般的には2〜5営業日です。テンプレート型なら2〜3営業日、高精細なオーダー型では5〜10営業日かかることもあります。急ぎの場合は追加料金(基本料金の30〜50%増)で翌営業日納品に対応する会社もあります。

空室が長期化している物件でも効果はありますか?

空室期間が3ヶ月以上続いている物件ほど、写真の刷新による効果が出やすい傾向があります。長期間掲載されている物件は同じ写真がずっと表示されているため、ポータルサイト上で「見飽きられている」状態になっているケースが多いためです。ただし、価格設定や立地条件に課題がある場合は、写真の改善だけでは成約に結びつかないこともあります。

賃貸物件でも導入する価値はありますか?

家賃12万円の物件であれば、空室期間が半月短縮できるだけで費用を回収できる計算になります。1カット5,000〜10,000円のテンプレート型を使えば投資額は小さく抑えられるため、賃貸でも十分に採算が合うケースが多いでしょう。

まとめ:費用対効果を見極めてバーチャルステージングを活用しよう!

バーチャルステージングの費用相場は1カット5,000〜30,000円で、実際のホームステージング(20万〜50万円)の10分の1以下に抑えられます。反響数は1.5〜2倍、成約までの期間は平均15〜30日短縮するというデータがあり、空室期間の家賃損失と比較すれば投資判断はしやすくなるはずです。

一方で、CG表記の徹底・家具のスケール調整・元写真の品質という3点を押さえないと、期待した効果は得られません。物件のターゲットを整理したうえで、適した価格帯のサービスを選ぶことが成功への近道といえるでしょう。

弊社Advalayは、空間の撮影から3Dデータ化・バーチャルツアー制作までを3,000件以上手がけてきた専門企業です。撮影と制作を一気通貫で行う体制のため、写真の画角や露出の段階から仕上がりを想定した設計が可能で、不動産・建設・製造業など業種ごとの活用方法をご提案しています。

「どの物件から始めるべきか」「静止画とバーチャルツアーのどちらが合うか」といったご相談も承っています。物件の種別やご予算をお聞かせいただければ、費用対効果の見込みも含めて最適なプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

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株式会社Advalayのメディア事業部。バーチャルツアー・3Dスキャンの制作実績3,000件以上の知見をもとに、空間データ活用の実務情報を発信しています。

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