3Dスキャン調査の費用相場はいくら?用途別の料金目安と選び方
3Dスキャン調査の外注を検討しているものの、「結局いくらかかるのか」がわからず、社内稟議に進められないという声をよく耳にします。
3Dスキャン調査の費用は、用途や対象面積によって5万円〜300万円以上と大きく幅があります。建設現場の現況測量なら10万〜50万円、製造業の設備記録なら5万〜30万円が一般的な目安です。
本記事では、用途別の費用相場から内訳、面積別のシミュレーション、外注先の選び方まで詳しく解説します。自社に合った導入方法を見つけるための参考にしてみてください。
3Dスキャン調査とは

3Dスキャン調査とは、レーザーやカメラを使って現実の空間・物体を3次元データとして取得する調査手法です。
取得したデータは「点群」と呼ばれる数百万〜数億個の座標点の集合体になり、建物や設備の形状を高精度に記録できます。従来の手作業による計測と比べて、広範囲を短時間で正確に記録できるのが大きな特徴です。
建設現場の現況測量、製造業の設備管理、不動産の物件記録、文化財のデジタルアーカイブなど、幅広い業界で導入が進んでいます。
3Dスキャンの主な方式と特徴
| 方式 | 特徴 | 精度 | 費用帯 |
|---|---|---|---|
| 地上型レーザースキャナー | 三脚に設置して広範囲を高精度に計測 | ±1〜2mm | 高め |
| ハンディスキャナー | 手持ちで対象物の周囲を歩きながら計測 | ±5〜10mm | 中程度 |
| LiDAR搭載スマートフォン | iPhone ProなどのLiDARセンサーを活用 | ±10〜30mm | 低め |
| フォトグラメトリ | 複数枚の写真からAIで3Dモデルを生成 | ±5〜20mm | 低め |
それぞれの方式によって費用感が異なるため、目的に合った方式を選ぶことが重要です。ここからは、用途別に具体的な費用相場を解説していきます。

用途別の3Dスキャン調査費用相場4パターン

3Dスキャン調査の費用は「何のために使うか」で大きく変わります。主な4つの用途について、それぞれの費用目安をまとめました。
1. 建設現場の現況測量(10万〜80万円)
建設・土木の現場で、着工前の現況や施工後の出来形を3Dデータとして記録する用途です。
| 対象規模 | 費用目安 |
|---|---|
| 小規模(1フロア・100㎡以下) | 10万〜20万円 |
| 中規模(建物1棟・500㎡程度) | 20万〜50万円 |
| 大規模(敷地全体・1,000㎡以上) | 50万〜80万円 |
地上型レーザースキャナーを使用するケースが多く、i-Construction対応の納品フォーマット(点群データ+図面変換)が必要な場合は、処理費が追加されます。
BIM連携(Scan to BIM)を行う場合は、さらに20万〜50万円の3Dモデリング費用が加算されるのが一般的です。

2. 製造業の設備記録(5万〜30万円)
工場内の生産ラインや設備を3Dスキャンして、設備台帳のデジタル化や保守計画の基礎データとして活用する用途です。
| 対象規模 | 費用目安 |
|---|---|
| 小規模(設備1〜3台) | 5万〜10万円 |
| 中規模(1ライン・200㎡程度) | 10万〜20万円 |
| 大規模(工場1棟・500㎡以上) | 20万〜30万円 |
ハンディスキャナーやLiDAR搭載デバイスで対応できるケースが多く、地上型レーザーと比べてコストを抑えやすい傾向があります。
弊社Advalayでは、製造業の設備記録を数多く手がけており、1日の撮影で工場1フロア分のデータ取得が可能です。バーチャルツアー化まで含めた一気通貫の対応もしています。
3. 不動産の物件撮影(3万〜20万円)
マンションの一室や戸建て住宅を3Dスキャンし、バーチャル内覧用のデータを作成する用途です。
| 対象規模 | 費用目安 |
|---|---|
| ワンルーム〜1LDK(〜50㎡) | 3万〜5万円 |
| 2LDK〜3LDK(50〜100㎡) | 5万〜10万円 |
| 戸建て・大型物件(100㎡以上) | 10万〜20万円 |
Matterportなどの専用カメラを使用するケースが主流です。撮影から公開までのリードタイムが短く、撮影当日〜翌日にはWeb公開できるのが不動産向けスキャンの特徴です。

4. 文化財のデジタルアーカイブ(30万〜300万円)
寺社仏閣、美術館、史跡などの文化財を3Dスキャンし、デジタルアーカイブとして保存する用途です。
| 対象規模 | 費用目安 |
|---|---|
| 小規模(展示室1室・彫刻1点) | 30万〜80万円 |
| 中規模(建物1棟・庭園含む) | 80万〜150万円 |
| 大規模(複数建物・広域史跡) | 150万〜300万円以上 |
精度要求が高く、テクスチャ(色・質感)の再現も求められるため、地上型レーザースキャナーとフォトグラメトリを組み合わせるケースが多くなります。そのため、他の用途と比べて費用が高くなる傾向があります。
3Dスキャン調査の費用内訳を理解する

3Dスキャン調査の見積もりを比較する際、「総額だけ見て高い・安いを判断する」のはおすすめできません。費用の内訳を理解しておくと、見積もりの妥当性を正しく評価できます。

主な費用項目
| 費用項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 撮影費 | 現地での3Dスキャン作業。機材・人件費を含む | 5万〜30万円 |
| データ処理費 | 点群データの合成・クリーンアップ・座標合わせ | 3万〜20万円 |
| 3Dモデリング費 | 点群から3Dモデル(BIM/CAD)への変換 | 10万〜50万円 |
| 出張費 | 遠方の現場への交通費・宿泊費 | 実費(1万〜5万円) |
| ソフトウェア利用料 | クラウド閲覧・共有プラットフォームの月額費用 | 月額1,000〜5,000円 |
| 納品データ加工費 | 図面化・レポート作成・特殊フォーマット変換 | 3万〜15万円 |
見積もり時のチェックポイント
費用の妥当性を判断するには、以下の3点を確認するのがおすすめです。
- 撮影費とデータ処理費が分かれているか: 一式見積もりだと、追加作業が発生した際に費用が膨らみやすくなります
- 納品データの形式が明記されているか: 点群データ(LAS/E57)だけなのか、3Dモデル(IFC/RVT)まで含むのかで費用が大きく変わります
- 出張費の計算方法: 回数制(1回◯万円)か実費精算かを確認しておくと、複数回の撮影が必要になった際の見通しが立てやすくなります
面積別の費用シミュレーション

「自社の施設だといくらくらいになるのか」を把握するために、面積別のシミュレーションを用意しました。3Dスキャン+バーチャルツアー化を含む一般的な費用感です。
| 対象面積 | 撮影費 | データ処理費 | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| 〜50㎡(小会議室1室) | 3万〜5万円 | 1万〜2万円 | 5万〜7万円 |
| 50〜100㎡(オフィス1フロア) | 5万〜8万円 | 2万〜4万円 | 7万〜12万円 |
| 100〜300㎡(工場1ライン) | 8万〜15万円 | 4万〜8万円 | 12万〜23万円 |
| 300〜500㎡(建物1棟) | 15万〜25万円 | 8万〜12万円 | 23万〜37万円 |
| 500〜1,000㎡(大規模施設) | 25万〜40万円 | 12万〜20万円 | 37万〜60万円 |
| 1,000㎡以上(敷地全体) | 個別見積もり | 個別見積もり | 60万円〜 |
上記はあくまで目安です。同じ面積でも、障害物が多い工場と開放的なオフィスでは、撮影の難易度が変わるため費用にも差が出ます。正確な見積もりは、現場の状況を伝えた上で制作会社に相談するのが確実です。
3Dスキャン会社の選び方|5つのチェックポイント

3Dスキャン調査は、撮影技術だけでなくデータ処理や活用提案まで含めた総合力が求められます。外注先を選ぶ際にチェックしておきたい5つのポイントを紹介します。
1. 自社の業界での実績があるか
建設・製造業・不動産・文化財では、求められる精度やデータ形式がまったく異なります。「3Dスキャンの実績がある」だけでなく、自社の業界に近い案件を手がけた実績があるかを確認しましょう。
2. 撮影からデータ活用まで一貫対応できるか
撮影だけ対応してデータ処理は別会社、という体制だと、コミュニケーションコストが増え、品質管理も難しくなります。撮影→データ処理→活用提案まで一気通貫で対応できる会社を選ぶのがおすすめです。
3. 納品データの形式と用途が明確か
「点群データを納品します」だけでは、実際の業務に活用できないケースが少なくありません。自社の業務で使うソフトウェアやフォーマット(BIM/CAD/バーチャルツアー等)に対応しているかを事前に確認しましょう。
4. 費用の内訳が明確か
前章で解説したとおり、3Dスキャン調査には複数の費用項目があります。「一式◯万円」ではなく、撮影費・処理費・出張費などが分けて提示されているかを確認しましょう。追加費用が発生しにくい見積もりになっているかも重要です。
5. アフターサポートがあるか
データ納品後に「使い方がわからない」「追加のスキャンが必要になった」というケースは珍しくありません。納品後の問い合わせ対応や追加撮影のサポート体制があるかも選定基準に入れておくと安心です。

よくある質問
Q. 3Dスキャン調査にかかる時間はどのくらいですか?
対象面積や方式によりますが、100㎡程度の空間であれば撮影は1時間程度で完了するのが一般的です。データ処理・納品までを含めると、1〜2週間が目安になります。
Q. 屋外の3Dスキャンは可能ですか?
可能です。ただし、天候(雨天や強風)や日光の影響を受ける場合があるため、条件によっては撮影日の調整が必要になることがあります。ドローンとの併用で広域をカバーするケースもあります。
Q. 3Dスキャンのデータはどのくらいの容量になりますか?
100㎡程度の空間で、点群データは数百MB〜数GBになるのが一般的です。高精度スキャンや広域撮影の場合はさらに大きくなります。クラウドストレージでの共有や、軽量化処理を行うのが実務上は一般的です。
Q. 既存の図面がなくても3Dスキャンは依頼できますか?
はい、既存の図面がなくても問題ありません。むしろ「図面がない古い建物や設備を、3Dスキャンで現況記録する」というニーズは非常に多くあります。
Q. 3Dスキャンとバーチャルツアーの違いは何ですか?
3Dスキャンは空間を点群データとして取得する「計測技術」です。バーチャルツアーは、そのデータを使ってWeb上で閲覧できる「コンテンツ」です。3Dスキャンで取得したデータを元にバーチャルツアーを作成する、という関係にあります。
まとめ:まずは見積もりを取って自社の費用感を把握しよう!
本記事では、3Dスキャン調査の費用相場を用途別・面積別に解説しました。
- 建設現場の現況測量: 10万〜80万円
- 製造業の設備記録: 5万〜30万円
- 不動産の物件撮影: 3万〜20万円
- 文化財のデジタルアーカイブ: 30万〜300万円以上
費用は対象面積・精度要求・データ活用方法によって大きく変わります。大切なのは、自社の目的に合った方式と外注先を選ぶことです。
弊社Advalayは、建設・製造業・不動産・文化施設など幅広い業種で、累計3,000件以上の3D空間データを制作してきた専門企業です。3Dスキャン調査からバーチャルツアー制作、BIM連携まで一貫して対応しています。
「自社の施設だといくらくらいかかるか知りたい」という方も、不要な営業活動はいたしませんので、まずはお気軽にご相談ください。
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