3D Gaussian SplattingとMatterportの違いとは?費用・精度・用途を5つの観点で徹底比較

3D Gaussian SplattingとMatterportの違いとは?費用・精度・用途を5つの観点で徹底比較

3D Gaussian Splatting(以下、3DGS)とMatterport(マーターポート)は、どちらも空間をデジタル化する技術ですが、仕組み・費用・得意な用途がまったく異なります。用途に合わない技術を選ぶと、数十万円のコストと数週間の納期を無駄にしかねません。

「3DGSという技術が出てきたけれど、Matterportとどう違うのか」「バーチャルツアーを導入したいが、どちらを選べばいいかわからない」という声をいただく機会が増えてきました。両技術は競合ではなく、目的に応じて使い分けるべき別々の道具です。

Advalayは3DGSとMatterportの両方を実案件で扱ってきた空間DXの専門企業です。本記事では、両技術の違いを5つの観点から比較し、費用相場・用途別の選び方・依頼の流れまで具体的に解説します。自社に合った技術を選ぶ判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

この記事の結論(30秒で読める)

3DGSとMatterportの違いは「視点の自由度」と「導入スピード」のトレードオフにあります。迷ったら以下の3点で判断してください。

  • 3DGSとは: 写真・動画からAIで空間を再構成する新技術。任意の角度から自由に見られるが納期・費用は変動しやすい
  • Matterportとは: 専用カメラで数時間〜1日で完成するバーチャルツアーの業界標準。機能が充実し費用が読みやすい
  • 費用相場: Matterportは撮影・制作費5万〜30万円で安定。3DGSは数十万円〜で品質要求により変動
  • 失敗しないコツ: 「自由な視点」重視なら3DGS、「スピード・運用・費用の読みやすさ」重視ならMatterport

それぞれの技術の詳しい仕組みは「3D Gaussian Splattingとは」から、無料相談はこちらからご覧いただけます。

3D Gaussian Splattingの仕組みを5ステップで図解。撮影からSfMによるカメラ位置推定、ガウス分布での空間表現、AIの学習・最適化を経てリアルタイムレンダリングで3D空間が完成する流れ

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3D Gaussian Splatting(3DGS)とは、複数の写真や動画からAI(機械学習)を使って空間を3次元データとして再構成する技術です。2023年にシーグラフ(SIGGRAPH)で論文が発表された比較的新しい手法で、任意の視点から空間を自由に見渡せる点が従来技術との大きな違いです。

空間内の各点を「ガウス分布」と呼ばれる楕円体で表現するのが特徴です。従来のフォトグラメトリ(写真測量)やNeRF(ニューラル・ラジアンス・フィールド)と比較して、レンダリング速度が速く、光の反射や素材の質感をリアルに再現できることから注目を集めています。

撮影にはスマートフォンや一眼レフカメラなどの汎用機材が使えるため、専用機材を必要としない点もメリットの一つです。ただし、高品質なデータを生成するには撮影の角度・枚数・照明条件に関する専門的なノウハウが求められます。この撮影ノウハウについては「3DGS撮影に必要な機材とカメラの選び方」でも詳しく解説しています。

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Matterportとは、専用の3Dカメラ(Pro2・Pro3など)や対応スマートフォンで空間をスキャンし、インタラクティブなバーチャルツアーを作成できるクラウドサービスです。2011年のサービス開始以来、バーチャルツアーの業界標準として世界中で定着しています。

不動産・建設・製造業・教育機関など幅広い業種で導入されており、スキャンしたデータはクラウドに自動アップロードされます。Webブラウザ上で閲覧・共有できるバーチャルツアーが数時間で完成する手軽さが強みです。

タグの挿入、フロアプラン表示、寸法計測、Webサイトへのiframe埋め込みなど、ビジネス活用に必要な機能が標準で備わっているのも特徴です。Advalayではバーチャルツアーを累計3,000件以上制作しており、その多くがMatterportを用いた案件です。Matterport自体の詳細は「Matterportとは」で解説しています。

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3DGSとMatterportを5つの観点で比較

3DGSとMatterportは、撮影機材・納期・視覚的リアリティ・インタラクション機能・費用感の5つの観点で明確に性格が分かれます。結論として、自由な視点なら3DGS、スピードと運用性ならMatterportが優位です。まずは比較表で全体像をつかんでください。

比較観点3DGSMatterport
撮影機材スマートフォン・一眼カメラ(汎用機材)・専門機材専用3Dカメラ(Pro2/Pro3)または対応スマホ・Thetaなど
納期長め(AI処理+編集に数日〜数週間)短い(スキャン後、数時間〜1日で完成)
視覚的リアリティ高い(光・質感・素材感の再現に優れる)高い(360度の没入感と空間把握に優れる)
インタラクション機能限定的(Unity・WebGLへの組み込みが前提)充実(タグ・計測・フロアプラン・埋め込み)
費用感高め(処理・編集コストが変動しやすい)安定(撮影費+月額クラウド利用料)
3DGSとMatterportを撮影の手軽さ・納期・視点の自由度・機能充実度・費用安定性の5観点で比較したレーダーチャート。3DGSは視点の自由度が突出、Matterportは納期・機能・費用で優位

それぞれの観点を詳しく解説していきます。

撮影機材:3DGSは汎用カメラで対応できる

Matterportは原則として専用カメラ(Pro2・Pro3)を使用します。iPhoneのLiDARスキャン、Thetaなどの360°カメラにも対応していますが、業務品質のバーチャルツアーを制作するなら専用カメラが基本です。そのため、制作会社が機材を所有し、運用に慣れているかどうかが仕上がりの品質を左右します。

3DGSはスマートフォンや一眼レフで撮影した動画・写真をもとに3Dデータを生成できます。近年は3DGS専用の撮影機材の販売も広がってきました。

ただし、機材や撮影スキルによって生成されるデータの品質は大きく変わります。スマホや一眼レフでも生成は可能ですが、これまでは高度な撮影・編集スキルが求められました。専用機材の登場により、以前より安定したデータ生成が行いやすくなっています。

納期:短納期ならMatterportが有利

Matterportはスキャン後にクラウドへ自動アップロードされ、数時間〜1日程度でバーチャルツアーが完成します。タグやフロアプランの追加・編集もWeb上で即座に行えるため、撮影から公開までのリードタイムが非常に短いのが強みです。

一方、3DGSは撮影データをもとにAIのトレーニング処理を行い、その後にクリーンアップ(不要部分の除去)や編集作業が入るため、データ量や品質設定によっては数日〜数週間の処理期間がかかることもあります。

「来週の展示会に間に合わせたい」「物件公開に合わせて即日アップしたい」といった短納期の案件では、Matterportのほうが確実に対応しやすいといえるでしょう。

3DGSとMatterportを撮影の手軽さ・納期・視点の自由度・機能充実度・費用安定性の5観点で比較したレーダーチャート。3DGSは視点の自由度が突出、Matterportは納期・機能・費用で優位

視覚的リアリティ:3DGSは「自由な視点」で突出

3DGSとMatterportの視覚的な違いは、「映像のきれいさ」ではなく視点の自由度にあります。

Matterportは定点(Sweep)ごとに高品質な360度ビューを提供しますが、見られる位置はあらかじめ決まっています。定点と定点の間をワープする形式のため、「あの角度からもう少し寄って見たい」といった自由な視点移動はできません。

一方3DGSは、空間を連続的な3Dデータとして再構成するため、任意の位置・角度からシームレスに閲覧できます。カメラを自由に動かしながら、金属の光沢やガラスの透過感といった素材の質感を、好きな距離・角度から確認できるのが最大の強みです。

高級不動産の内覧で「窓際から室内を見渡す」、製造業の設備記録で「配管の裏側を覗き込む」といった、決まった定点では捉えきれない視点が必要な用途で3DGSが力を発揮します。逆に、間取り・動線・設備配置を効率よく把握したい用途では、Matterportの定点ベースの構造的な見やすさがむしろ適しています。

インタラクション機能:Matterportは「すぐ使える」完成度

バーチャルツアーとしての「使いやすさ」では、現時点ではMatterportが大きくリードしています。

Matterportに標準搭載されている主な機能は以下のとおりです。

  • タグ・ラベル挿入: 各所に説明文・画像・リンクを付与できる
  • フロアプラン表示: 俯瞰図から各エリアにジャンプできる
  • Webサイトへの埋め込み: iframeで企業サイトに簡単に設置できる
  • 寸法計測ツール: Web上で距離・面積の計測ができる
  • モバイル・VRヘッドセット対応: デバイスを問わず閲覧できる

3DGSはUnityやWebGLに組み込むことで独自のインタラクションを構築できますが、開発工数がかかるため、「撮影してすぐWebサイトに公開したい」という運用には不向きです。逆に、オリジナルのUI設計やVRアプリへの組み込みが必要な高度なプロジェクトでは、3DGSの自由度の高さが活きてきます。

費用感:Matterportのほうが見積もりが立てやすい

費用の読みやすさではMatterportに軍配が上がり、撮影・制作費は5万〜30万円程度が目安です。3DGSは品質要求と空間の複雑さによって数十万円〜と変動幅が大きくなります。導入を検討する際の目安として整理します。

Matterportの費用目安

  • 撮影・制作費: 5万円〜30万円程度(空間の広さ・箇所数による)
  • クラウド利用料: 月額数千円〜(プランにより異なる)
  • 追加編集: タグ挿入・フロアプラン追加などは比較的低コストで対応可能

3DGSの費用目安

  • 撮影・制作費: 数十万円〜(品質要求・空間の複雑さにより変動幅が大きい)
  • 処理・編集費: AI処理時間とクリーンアップ工数に依存
  • プラットフォーム費用: 公開先・用途によって異なる

Matterportは費用体系が明確で見積もりが立てやすいのに対し、3DGSは品質と制作条件によって費用が変動しやすい傾向があります。ただし、3DGSのツールは急速に進化しており、今後は制作コストが下がっていく可能性も十分にあります。バーチャルツアー全体の費用相場は「バーチャルツアーの費用相場」でも詳しく解説しています。

3DGSとMatterportの費用構造を比較した図。Matterportは撮影・制作費5万〜30万円で安定した費用体系、3DGSは品質要求と空間の複雑さにより費用が大きく変動

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3DGSが適しているのは、「定点では捉えきれない自由な視点」が必要なプロジェクトです。高級不動産や製品ECなど、細部の質感を好きな角度から見せたい用途で強みを発揮します。

  • 高級不動産・ホテルの内覧: 窓際からの眺望、素材感・採光を好きな角度から確認したい場合
  • 製造業の設備・機械の精密記録: 配管の裏側や機械の隙間など、決まった定点では見えない箇所まで確認したい場合
  • 観光施設・文化財のデジタルアーカイブ: 来館者が自由に歩き回るような没入体験を再現したい場合
  • VR・メタバース向けコンテンツ: UnityやWebGLへの組み込みが前提で、連続的な3D空間が必要な開発
  • 製品・ブランド品のEC展示: あらゆる角度から細部まで確認できる「触れそうな」立体体験を提供したい場合

逆に、「すぐにWebサイトで公開したい」「複数拠点を一括管理したい」といった運用面の要件が強い場合は、次に紹介するMatterportが有力な選択肢になります。

Matterportがおすすめなのはこんな場合

3DGSとMatterportの用途別おすすめ度を比較したマトリクス。自由な視点が必要な高級不動産内覧やEC展示は3DGSが最適、定点ベースで効率的な建設現場記録や採用見学はMatterportが最適
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Matterportが適しているのは、「実用性・スピード・運用コスト」を重視するプロジェクトです。不動産の物件紹介や多拠点管理など、撮影から公開までを最短で回したい用途に向いています。

  • 不動産の物件紹介・内覧: 撮影からWeb公開まで最短で完結。定点ベースの360度ビューで間取り・動線が直感的にわかる
  • 建設・施工現場の定期記録: 同じ定点から繰り返し撮影でき、時系列での変化比較に強い
  • 製造業の設備管理・保守記録: 寸法計測機能で現場データをそのまま業務に使える
  • 採用・教育向けバーチャル見学: 操作性が高く、閲覧者が直感的に使いこなせる
  • 多拠点・複数施設の一括管理: クラウド基盤でデータの集約・共有がしやすい

実際にAdvalayでMatterportを用いたバーチャル工場見学を制作した事例では、遠方の採用候補者にも現場の雰囲気を伝えられ、応募前の理解度が高まったという声をいただいています。導入事例は「バーチャルツアーの導入事例」でも紹介しています。

3DGSとMatterportの視覚的な違いを2分割で比較。3DGSは自由な視点移動と連続的な3D体験が強み、Matterportは定点からの高品質ビューと構造的な見やすさが強み

3DGSとMatterportは併用もできる|依頼の流れ

3DGSとMatterportはどちらか一方に絞る必要はなく、目的に応じて併用するケースも増えています。たとえば施設全体の把握はMatterport、目玉となる製品や空間だけ3DGSで魅せる、といった使い分けです。

Advalayでは撮影から制作までを一気通貫で対応しているため、両技術を組み合わせた最適な構成をワンストップでご提案できます。依頼の一般的な流れは以下のとおりです。

  1. ヒアリング: 用途・公開先・納期・予算を整理し、最適な技術を選定
  2. 撮影プラン設計: 空間の広さ・箇所数から機材と撮影ルートを決定
  3. 現地撮影: Matterportは数時間、3DGSは対象に応じて撮影量を調整
  4. データ処理・編集: タグ・フロアプラン付与、または3DGSのクリーンアップ
  5. 納品・公開: Webサイトへの埋め込み・共有リンクの発行まで対応

「どちらの技術が自社に合うか判断がつかない」という段階でも問題ありません。無料相談で用途をお聞かせいただければ、最適な技術と概算費用をご提案します。

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Q1. 3DGSとMatterportはどちらが新しい技術ですか?

3DGS(3D Gaussian Splatting)のほうが新しい技術です。3DGSは2023年に論文発表された手法で、Matterportは2011年からサービスを提供しています。ただし「新しい=優れている」わけではなく、Matterportは長年の実績で機能・安定性・運用のしやすさに強みがあります。用途に合わせて選ぶことが大切です。

Q2. 3DGSはMatterportより費用が高いのですか?

一般的には3DGSのほうが変動幅が大きく、高くなる傾向があります。Matterportは撮影・制作費5万〜30万円程度と費用が読みやすいのに対し、3DGSは品質要求や空間の複雑さによって数十万円〜と幅が出ます。ただし3DGSのツールは進化が速く、今後コストが下がる可能性もあります。正確な費用は用途をヒアリングした上でお見積もりします。

Q3. スマホだけで3DGSのデータは作れますか?

スマートフォンでの撮影データからも3DGSの生成は可能です。ただし、業務品質の仕上がりを目指す場合は、撮影の角度・枚数・照明条件に関する専門的なノウハウが必要になります。手軽に試すことはできますが、Webサイト公開やビジネス活用を前提とするなら、専門機材と撮影ノウハウを持つ制作会社への依頼をおすすめします。

Q4. Matterportで撮影したデータを3DGSに変換できますか?

両者は撮影方式もデータ構造も異なるため、Matterportのデータをそのまま3DGSへ変換することは基本的にできません。3DGSが必要な場合は、3DGS用の撮影を別途行う必要があります。施設全体はMatterport、特定の空間だけ3DGSといった併用を前提に、最初から撮影プランを設計するのが現実的です。

Q5. 短納期でバーチャルツアーを公開したい場合はどちらが良いですか?

短納期ならMatterportをおすすめします。Matterportはスキャン後、数時間〜1日程度でバーチャルツアーが完成し、Web公開まで最短で進められます。3DGSはAI処理と編集に数日〜数週間かかることがあるため、展示会や物件公開に合わせた即日対応には不向きです。

Q6. どちらの技術を選ぶべきか自社で判断できません。相談できますか?

もちろん可能です。Advalayは3DGSとMatterportの両方を実案件で扱っており、用途・公開先・納期・予算をお聞きした上で最適な技術をご提案します。ご相談は無料です。判断に迷う段階でもお気軽にお問い合わせください。

3DGSの総まとめ|さらに深く知るためのガイド

本記事は、3DGS(3D Gaussian Splatting)を検討する方に向けた「Matterportとの違いと用途別判断軸」のピラー記事です。3DGSは技術・費用・撮影機材・活用用途と論点が多岐にわたるため、テーマごとに深掘りした関連記事をあわせてご覧いただくと、より自社に合った判断ができます。

関連スポーク記事

まとめ:自社に合った空間デジタル化技術を選ぼう!

3DGSとMatterportは、どちらも空間をデジタル化する技術ですが、得意な領域が異なります。任意の角度から自由に見せたいなら3DGS、スピード・運用性・費用の読みやすさを重視するならMatterportが有力な選択肢です。両者を併用して、それぞれの強みを活かす構成も可能です。

まずは「何を・誰に・どう見せたいか」という目的を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。目的が定まれば、最適な技術は自ずと見えてきます。

弊社Advalayは、バーチャルツアーを累計3,000件以上制作してきた空間DXの専門企業です。3DGSとMatterportの両方を実案件で扱い、撮影から制作までを一気通貫で対応しています。不動産・製造業・観光施設など、業種に応じた最適な技術選定と活用方法をご提案できます。ご相談は無料です。用途やご予算をお聞かせいただければ、最適なプランをご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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柴山 紘輔

柴山 紘輔

株式会社Advalay 代表取締役。Matterportを活用した3Dバーチャルツアーの制作・導入支援において、1,500施設以上の支援実績を持つ。不動産・建設・文化財・商業施設など、幅広い業界でのデジタルツイン活用を推進。

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