点群とOBJ、実務で本当に使うのはどっち?完全比較ガイド【2025年版】

  • 「点群データとOBJの違いがよくわからない…」
  • 「プロジェクトでどちらを選べばいいのか迷っている」
  • 「それぞれのメリット・デメリットを詳しく知りたい」

本記事では、3Dデータ形式の選択で失敗しないよう、点群とOBJの違いを徹底的に解説していきます。

点群データは3次元座標と色情報を持つ無数の点の集合体。建築物や地形、文化財など、現実世界を正確にデジタル化できます。一方、OBJ形式はBlender、Maya、3ds Maxなど、多くの3Dモデリングソフトで使用される標準的なフォーマットです。

建築や製造業の現場では、この2つのフォーマットを使い分けることが重要になっています。特に最近では、レーザースキャナーやドローンの発展により、点群データの活用範囲が急速に広がっています。

業界内でも比較的早い時期からこれらのフォーマットを扱ってきた経験から、それぞれの特徴や活用事例を詳しくご紹介します。プロジェクトに最適なフォーマットを選べるよう、実務での活用を念頭に解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
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点群データとOBJファイル、基本から徹底解説

3Dデータ業界で5年以上の経験を持つ私たちが、点群データとOBJファイルの基本概念をわかりやすく解説します。

点群データの基礎知識

点群データって何でしょうか?簡単に言えば、3次元空間における無数の点の集まりです。

具体的には以下の情報を持っています:

  • 位置情報(X, Y, Z座標)
  • 色・輝度情報(RGB値)

これらの点が集まることで、建物や地形の形を表現します。英語では「Point Cloud(点の雲)」と呼ばれているように、まさに点が雲のように集まっているイメージです。

データ収集方法は年々進化しています

  • 従来の3Dレーザースキャナー
  • ドローンによる空撮
  • 車両搭載型のモバイルマッピングシステム(MMS)

特に最新の3Dレーザースキャナーは、毎秒100万本を超えるレーザー光線を照射できるまでに進化。表面の細かな凹凸まで捉えられる精度を実現しています。

ただし、高精度なデータは大容量になりやすく、数千万点以上の点で構成されることも。都市全体のデータともなると、テラバイト単位になることもあります。データ形式は.txt、.las、.xyzなど様々です [2]。

OBJファイルの特徴

一方、OBJファイルはWavefront Technologies社が開発した3Dモデルの標準フォーマット 。当初は同社の「Advanced Visualizer」用に開発されましたが 、現在では業界標準として広く使われています。

OBJファイルの構成要素

  • 頂点の位置情報
  • テクスチャ座標(UV位置)
  • 頂点法線
  • ポリゴンを形成する面情報

大きな特徴は、テキスト形式で保存されるため、人間が読んで理解できる構造になっている点です 。また、Blender、Maya、3ds Maxなど、多くの3Dソフトで利用できるため、データ交換が容易です 。

色やテクスチャ情報は、通常「.mtl」(Material Template Library)ファイルと組み合わせて使用します 。

歴史と発展

点群データの歴史は意外と新しく、日本での本格的な活用は1975年、国土庁(現・国土交通省 国土政策局)と国土地理院による「国土数値情報」から始まりました 。

その後の発展は目覚ましく:

  • 1980年代:スーパーミニコンピュータによる座標値付与技術の確立
  • 1990年代:GPS普及による作業効率の向上
  • 2010年代以降:デジタルカメラでの点群データ作成が可能に

現在では国土交通省の「i-Construction」施策もあり、建設現場での活用が加速しています 。

OBJファイルは3Dモデリング黎明期からの長い歴史を持ち [7]、アニメーション、映画、ゲーム、建築など、幅広い分野で使われています 。

最近では、文化財のデジタル保存でも両形式が活躍。遺跡や文化財の3D記録に、レーザースキャナーや写真測量による点群データが使われています 。

点群とOBJの技術的な違い、徹底解説

  • 「点群とOBJの違いがイマイチわからない…」
  • 「データサイズや精度の違いを知りたい」
  • 「変換時の注意点を教えてほしい」

10年以上の実務経験から、両者の技術的な特徴を詳しく比較していきます。

データ構造はこんなに違う!

点群データとOBJファイル、いったい何が違うのでしょうか?

最も大きな違いは構造です:

  • 点群データ:3次元座標(X, Y, Z)と色情報(RGB値)を持つ点の集まり。点と点のつながりは持ちません [13]
  • OBJファイル:面(ポリゴン)で構成され、頂点座標、テクスチャ座標、法線ベクトルなどの情報を含みます [14]

ファイルサイズと処理速度の特徴

点群データの特徴は圧倒的なデータ量。3Dレーザースキャナーは1秒間に10万~100万点の計測が可能です [15]。そのため、データ量はテラバイト単位になることも。

一方、OBJファイルはポリゴンベースのため、一般的にデータサイズは小さくなります。ただし、ここで重要なトレードオフが発生します:

  • メッシュを細かく→高精細だが重いデータに
  • メッシュを荒く→軽いが精度が落ちる [16]

精度と表現力はどう違う?

3Dスキャナーの精度は驚くほど高精度です:

  • 最高精度:0.1mm以内の誤差 [17]
  • 解像度:点と点の最小間隔で決定

具体例を見てみましょう:

  • カメラ式(ATOS Q 12M):点間ピッチ0.044mm
  • レーザー式(T-SCAN hawk 2):点間ピッチ0.2mm [1]

測定範囲が小さいほど点間ピッチは短くなり、より細かな形状を捉えられます [1]。

変換時の注意点

点群からOBJへの変換時には、以下の問題に注意が必要です:

情報損失の具体例

  • 面のうねり
  • 角の丸まり
  • 色情報(RGB値)の欠落
  • 反射強度データの消失 [16][14]

特に高密度点群からの変換には、専門的なソフトウェアが必要になります [3]。機械学習による変換技術も登場していますが、まだ完璧な変換は難しいのが現状です。

自社ビジネスでの活用を考える際は、これらの特徴をしっかり理解した上で、用途に合わせた選択をすることをおすすめします。

点群とOBJ、プロジェクトでの選び方

  • 「プロジェクトの目的に合わせた選択方法を知りたい」
  • 「必要な精度レベルの判断基準が分からない」
  • 「予算と時間の制約の中で最適な選択をしたい」

プロジェクトの目的で選ぶ

まずは目的から考えましょう。建物の3Dデータ取得なら、大容量データを高速処理できるソフトウェアが必要です。

目的別におすすめの形式

  • 建築設計:DWGやDXF形式
  • 製造業:IGESやSTEP形式
  • リバースエンジニアリング:CAD連携可能な形式[2][18]

精度レベルの見極め方

精度要件は、プロジェクトの性質によって大きく異なります。

用途別の推奨精度

  • モバイルマッピング:最大6mm
    • 鉱山など、作業を止めずにスキャンが必要な現場向け
  • 静的ベースのスキャン:1mm未満
    • 建築・エンジニアリング(AECO)
    • BIMモデリング
    • 製造部品の詳細検査

予算と時間の制約

実務では、コストと時間の制約が重要な判断材料になります。

最新技術による効率化

  • 測量作業時間:最大90%削減
  • 作業コスト:最大80%以上削減
  • データ処理時間:ソフトウェアにより30分以上の差

実際の選択では、これら3つの要素をバランスよく検討することが大切です。迷った際は、ぜひ専門家への相談をおすすめします。

プロジェクトの規模や目的に合わせて、最適な選択ができるよう、具体的なアドバイスもさせていただきます。

業界別の活用事例、現場で見えてきた最適な使い方

  • 「自分の業界ではどちらを使うべき?」
  • 「具体的な活用事例を知りたい」
  • 「導入効果はどのくらい?」

建築・土木分野での活用

建築・土木業界では、国土交通省の「i-Construction」推進により、3次元測量と点群データの活用が標準になりつつあります。

具体的な導入効果

  • 作業時間:1スパンあたり4.5人・時間の短縮
  • コスト削減:約3万2000円の人件費削減

点群データは以下の用途で特に効果を発揮します:

  • 現状把握
  • 掘削度量計算
  • 日照・景観シミュレーション

一方、OBJファイルはBIMモデルのジオメトリ情報を他のソフトウェアと共有する際に活躍します 。

製造業での使い分け

製造業では、用途によって明確な使い分けが見られます。

点群データの主な用途

  • リバースエンジニアリング
  • 設備レイアウトの検討
  • 既存製品の3Dスキャン [13]

OBJファイルの活用シーン

  • 軽量な視覚化データ
  • 品質管理での3D比較検査
  • 設計データの共有

VR/AR開発での選択ポイント

VR/AR分野では、点群データが空間認識や深度検出で重要な役割を果たしています 。

活用の具体例

  • Unityでの建築ウォークスルー
  • リアルな環境モデルの作成
  • 動的ストリーミング技術の実現

文化財保存・博物館での実績

文化財分野では、非接触での記録・保存に両形式が活用されています 。

注目の活用事例

業界トップクラスの実績を持つ私たちが、お客様の業界に最適な活用方法をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

ソフトウェアとツールの互換性、現場で使える完全ガイド

主要ソフトウェアの特徴

点群データの処理には、専用ソフトウェアが欠かせません。

おすすめの点群処理ソフト

  • FAROのSCENE Software
    • 3Dレーザースキャナーデータの処理
    • 印象的なVR表示機能
  • InfiPoints
    • エンジニアリング向けツール
    • 円柱・平面の自動抽出機能

ファイル形式の対応状況も要チェック:

  • 点群:LAS、TXT、PTS、PTX形式に対応 [26]
  • OBJ:Blender、Maya、3ds Maxなど、主要な3Dソフトで利用可能 [14]

データ変換のコツ

点群からOBJへの変換は、以下の手順がおすすめです:

基本的な変換フロー

  1. lasファイル→plyファイル(Las2Mesh使用)
  2. plyファイル→objファイル(Meshlab使用)[7]

CloudCompareを使えば、逆にOBJから点群への変換も可能です [27]。

ただし注意点として、CloudCompareは無料で使いやすい反面、OBJ、DXF、STLへのエクスポートには対応していません [5]。

クラウドサービスの活用

クラウドサービスなら、手軽にデータ共有・管理ができます。

おすすめのクラウドサービス

  • SCENE WebShare Software
    • タブレット・PCでデータ共有
  • InfiPoints Cloud
    • インストール不要で点群データを閲覧・編集
  • CIMPHONY Plus
    • 3次元データの一元管理
    • 現場の「見える化」を実現

クラウドサービスのメリット:

  • 常に最新バージョンを利用可能
  • アップデート作業不要
  • 大容量データの効率的な管理

実務での活用方法やツールの選び方でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。豊富な経験を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。

点群とOBJ、特徴を完全比較!

比較項目点群データOBJファイル
基本構造3次元座標(X,Y,Z)と色情報(RGB)を持つ点の集合体頂点座標、テクスチャ座標、法線ベクトル、ポリゴン情報で構成
データ形式.txt, .las, .xyz など.obj(テクスチャは.mtlファイルで提供)
データ量テラバイト単位の大容量データになることも点群と比較して一般的に小さい
精度ミリメートル単位の高精度(最大0.1mm程度)メッシュの荒さにより精度が変動
主な用途• 建築物の現状把握
• 地形測量
• 文化財のデジタル保存
• リバースエンジニアリング
• 3Dモデリング
• アニメーション
• ゲーム開発
• 建築設計
対応ソフトウェア• SCENE Software
• InfiPoints
• CloudCompare
• Blender
• Maya
• 3ds Max
特徴的な長所• 現実世界の正確なデジタル再現
• 高精度な測定が可能
• 詳細な属性情報の保持
• 軽量なデータサイズ
• 広い互換性
• 容易なデータ交換
主な課題• 大容量データの処理負荷
• 専用ソフトウェアが必要
• 点群からの変換時に情報損失
• 高精細な表現には不向き

この表を参考に、プロジェクトの目的や要件に合わせて最適な形式を選択してください。具体的な活用方法や選択でお悩みの方は、ぜひご相談ください。

まとめ:点群とOBJ、実務での選び方

  • 「結局、どちらを選べばいいの?」
  • 「今後のトレンドはどうなる?」
  • 「実務でどう活用すべき?」

それぞれの特徴

点群データの強み

  • 現実世界の正確なデジタル再現
  • 建築測量での高い精度
  • 文化財保存での確実な記録

OBJファイルの特徴

  • 軽量なデータサイズ
  • 優れた互換性
  • 3Dモデリングでの使いやすさ

実務での選び方

プロジェクトでの選択は、以下の3つがポイントです:

  • プロジェクトの目的
  • 必要な精度レベル
  • 予算の制約

特に建築・土木分野では、i-Constructionの推進で点群データの活用が一般的になってきています。製造業では、用途に応じて使い分けるケースが増えています。

今後の展望

技術の進歩により、点群とOBJ間のデータ変換も簡単になってきました。クラウドサービスの普及で、大容量データの処理も効率的に行えるようになっています。

3Dデータの活用はますます広がっていきます。自社ビジネスでの活用をお考えの方は、ぜひ私たちにご相談ください。豊富な実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。

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