ガウシアンスプラッティングの作り方|撮影から公開までの手順

ガウシアンスプラッティングの作り方|撮影から公開までの手順

# ガウシアンスプラッティングの作り方|撮影から公開までの手順

ガウシアンスプラッティング(3D Gaussian Splatting / 3DGS)の作り方とは、写真や動画から高品質な3D空間を生成し、Webやアプリで公開するまでの一連の制作プロセスのことです。

従来のフォトグラメトリーやNeRFと比べて、3DGSはレンダリング速度が圧倒的に速く、リアルタイムで3D空間を自由に閲覧できる点が注目されています。2023年の論文発表以降、不動産・建設・製造業など幅広い業界で導入検討が進んでいます。

本記事では、3DGSの作り方を撮影準備から公開まで5STEPで解説します。必要な機材・ソフトウェア・撮影のコツも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

ガウシアンスプラッティングの作り方に必要な3つの準備

3DGSの制作を始める前に、機材・ソフトウェア・撮影環境の3点を整えておく必要があります。準備が不十分なまま撮影に入ると、データの品質が落ち、やり直しが発生するケースも珍しくありません。

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撮影に必要な機材と推奨スペック

3DGSの撮影には、特別な機材は必要ありません。スマートフォンでも制作は可能ですが、品質を求める場合はデジタル一眼やアクションカメラが適しています。

機材推奨スペック費用目安
スマートフォンiPhone 13以降 / Pixel 6以降(4K動画対応)0円(既存利用)
デジタル一眼フルサイズセンサー・2,400万画素以上15万〜40万円
アクションカメラGoPro HERO12 / Insta360 X45万〜8万円
PC(処理用)GPU: RTX 3060以上 / VRAM 8GB以上 / RAM 32GB15万〜30万円

弊社Advalayでは5,000件以上の3Dスキャン・バーチャルツアー制作を手がけてきた経験から、初回はスマートフォンで試し、用途に応じて機材をアップグレードする方法をおすすめしています。

3DGS制作に使える主要ソフトウェア3選

3DGSの処理には、オープンソースのツールから商用ソフトまで複数の選択肢があります。

ソフトウェア費用特徴難易度
Luma AI無料〜月額$30スマホアプリで撮影→自動生成。最も手軽★☆☆
Nerfstudio無料(OSS)Python環境で動作。カスタマイズ性が高い★★★
Polycam無料〜月額$20iPhone LiDAR対応。3DGS出力にも対応★★☆

初めて3DGSに取り組む方にはLuma AIがおすすめです。スマートフォンで対象物を動画撮影するだけで、クラウド上で3DGSモデルが自動生成されます。

撮影環境で気をつけるべき3つのポイント

撮影環境の条件が、3DGSの仕上がり品質を大きく左右します。

  • 照明の安定性: 撮影中に光の条件が変わると、色ムラやノイズの原因になります。曇天の屋外や均一な室内照明が理想的です
  • 反射・透明物の排除: ガラス・鏡・光沢のある金属面は3DGSの弱点です。可能であれば撮影前に移動させましょう
  • 動く物体の除外: 人や車など動く物体が映り込むと、ゴースト(残像のようなノイズ)が発生します
3DGS制作に必要な機材と推奨スペック一覧

ガウシアンスプラッティングの作り方5STEP

3DGSの制作は「撮影→前処理→トレーニング→編集→公開」の5ステップで進めます。それぞれ解説していきます。

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STEP1:対象物・空間を撮影する

3DGSの撮影方法で最も重要なのは、対象物をあらゆる角度から十分にカバーすることです。

撮影の基本ルールは以下の3つです。

項目推奨値
撮影枚数(写真の場合)100〜300枚
撮影間隔隣接する写真の重複率70%以上
動画の場合30fps以上・4K推奨・ゆっくり移動

撮影のコツとしては、対象物の周囲を一定の距離で1周するように撮影し、さらに高さを変えてもう1周します。上下2〜3周で十分なカバレッジが得られます。

実際の撮影では「急いで回る」方が多いのですが、これは失敗の最大の原因です。1周あたり2〜3分かけて、ゆっくり滑らかに移動することを意識してみてください。

STEP2:撮影データを前処理する

撮影した写真や動画から、3DGSの学習に使えるデータセットを作成します。

動画から撮影した場合は、まずフレーム抽出が必要です。ffmpegを使って1秒あたり2〜3フレームを抽出するのが一般的です。

次に、COLMAP(コルマップ)というソフトウェアでカメラ位置の推定(SfM: Structure from Motion)を行います。COLMAPは各写真がどの位置・角度から撮られたかを自動計算してくれるツールで、3DGS制作の前処理として標準的に使われています。

前処理ツール用途処理時間の目安(200枚)
ffmpeg動画→フレーム抽出1〜2分
COLMAPカメラ位置推定10〜30分
Luma AI(クラウド)上記を自動処理5〜15分

Luma AIなどのクラウドサービスを使えば、この前処理を自動化できるため、コマンドライン操作に不慣れな方でも取り組みやすいでしょう。

STEP3:3DGSモデルをトレーニングする

前処理が完了したら、ガウシアンスプラッティングのトレーニング(学習)を実行します。このステップでは、点群データを「ガウシアン」と呼ばれる楕円体の集合に変換し、各ガウシアンの位置・色・透明度・形状を最適化します。

トレーニングに必要なGPUスペックと処理時間の目安は以下の通りです。

GPUVRAM処理時間(200枚・7,000イテレーション)
RTX 306012GB約30〜45分
RTX 407012GB約15〜25分
RTX 409024GB約8〜15分

イテレーション数は7,000〜30,000の範囲で設定します。数値が大きいほど品質は向上しますが、処理時間も比例して増加します。まずは7,000回で結果を確認し、必要に応じて増やすのが効率的です。

3DGSの作り方5STEPフロー図

STEP4:生成されたモデルを編集・確認する

トレーニングが完了すると、`.ply`形式の3DGSモデルファイルが出力されます。このファイルをビューアで開き、品質を確認しましょう。

確認すべきポイントは3つです。

  • ノイズ(フローター)の有無: 空中に浮いている不要なガウシアンがないか
  • テクスチャの再現度: 色や質感が実物と一致しているか
  • 穴(欠損)の有無: 撮影が不足した箇所に穴が開いていないか

ノイズの除去には、SuperSplat(スーパースプラット)というブラウザベースの無料エディタが便利です。不要なガウシアンを選択して削除したり、モデルのトリミングを行ったりできます。

弊社Advalayでも3DGS案件では、撮影後の品質チェックと編集に全体工数の約20%を充てています。撮影品質が高ければ編集作業は最小限で済むため、STEP1の撮影が最も重要なステップといえるでしょう。

STEP5:Webやアプリで公開する

完成した3DGSモデルを公開する方法は、用途に応じて複数あります。

公開方法特徴費用
Luma AI(Web埋め込み)URLを共有するだけ。iframe埋め込みも可能無料
SuperSplat Viewerブラウザで直接閲覧。自社サーバーに設置可能無料
Three.js + gsplat.js自社Webサイトにカスタム実装開発費のみ
Unity / Unreal Engineゲームエンジン内で利用。VR・AR対応ライセンスによる

最も手軽なのはLuma AIの共有機能で、生成したモデルのURLをそのまま共有できます。自社サイトへの埋め込みもiframeタグ1行で完了します。

ビジネス用途で品質とブランディングの両方を重視する場合は、Three.jsでのカスタム実装も検討してみるといいでしょう。

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3DGSの撮影方法で失敗しないための4つのコツ

撮影方法の良し悪しが、3DGSの完成品質の80%を決めます。ここからは、よくある失敗を防ぐための具体的なコツを紹介していきます。

コツ1:オーバーラップ率70%以上を維持する

隣接する写真同士の重複率(オーバーラップ率)が低いと、COLMAPのカメラ位置推定が失敗し、モデルが崩れます。最低でも70%、理想は80%以上のオーバーラップ率を確保しましょう。

動画撮影の場合は、歩く速度を通常の半分程度にするだけで十分なオーバーラップが得られます。

コツ2:露出・ホワイトバランスを固定する

自動露出のまま撮影すると、明るい場所と暗い場所で写真の明るさが変わり、3DGSモデルに色ムラが発生します。可能であれば、カメラの露出とホワイトバランスをマニュアル設定で固定してください。

スマートフォンの場合も、撮影アプリの「AEロック」機能を使えば露出を固定できます。

コツ3:テクスチャの少ない面に注意する

白い壁や無地の床など、テクスチャ(模様や質感)が少ない面はCOLMAPが特徴点を検出しにくく、カメラ位置の推定精度が落ちます。

対策としては、撮影範囲にテクスチャのある物体(家具・装飾品など)を含めるか、撮影枚数を通常の1.5倍に増やすことが有効です。

コツ4:屋外撮影では天候を選ぶ

快晴の強い直射日光は、強い影とハイライトを生み出し、3DGSの品質を下げます。曇天または日陰の条件が、屋外撮影では最も安定した結果を生みます。

どうしても晴天下で撮影する場合は、午前10時前か午後4時以降の柔らかい光の時間帯を選ぶのもおすすめです。

3DGS撮影環境の3つのNG例
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よくある質問

3DGSの作り方で初心者におすすめのツールは?

Luma AIが最も手軽です。スマートフォンで対象物を動画撮影し、アプリにアップロードするだけで3DGSモデルが自動生成されます。無料プランでも月5回まで生成可能で、品質も実用レベルに達しています。

3DGSとフォトグラメトリーの違いは何ですか?

フォトグラメトリーは写真からメッシュ(ポリゴン)を生成する技術で、3DGSはガウシアン(楕円体)の集合で3D空間を表現します。3DGSはレンダリング速度が30〜100fps以上と高速で、リアルタイム閲覧に適しています。一方、フォトグラメトリーはCADとの互換性が高く、寸法計測などの用途に向いています。

スマートフォンだけで3DGSは作れますか?

作れます。iPhone 13以降やPixel 6以降であれば、Luma AIアプリを使って撮影から生成まで完結します。ただし、広い空間(100㎡以上)や高精度が求められる案件では、デジタル一眼+PCでの処理が推奨されます。

3DGSの制作を外注する場合の費用相場はいくらですか?

対象の規模や品質要件によりますが、小規模(1部屋・1製品程度)で5万〜15万円、中規模(オフィスフロア・施設全体)で15万〜50万円が目安です。撮影・編集・公開設定まで含めた一気通貫の対応であれば、コミュニケーションコストを抑えられます。

まとめ:ガウシアンスプラッティングの制作に挑戦しよう!

ガウシアンスプラッティング(3DGS)の作り方は、撮影→前処理→トレーニング→編集→公開の5ステップで構成されています。撮影方法さえ正しく押さえれば、無料ツールでも実用レベルのモデルを制作できます。

まずはLuma AIなどの手軽なツールで小さな対象物から試し、撮影のコツをつかんでみてはいかがでしょうか。

弊社Advalayは、3Dスキャン・バーチャルツアーを5,000件以上制作してきた空間データ活用の専門企業です。「3DGSを導入したいが、自社で撮影・制作する体制がない」「品質の高いモデルを安定的に制作したい」といったお悩みがあれば、撮影から公開までワンストップでご対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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