建築パース外注のメリットとデメリットは?料金相場と優良業者の選び方
建築パースは、プロジェクトのプレゼンテーションや販促活動において重要な役割を果たしています。建物の完成イメージを視覚的に伝えることで、施主や関係者の理解を深め、合意形成を促進します。
しかし、高品質な建築パースを制作するには専門知識やソフトウェアが必要であり、「内製するか外注するか」という選択に迫られることも。
そこで、本記事では、建築パース外注のメリット・デメリット、料金相場、業者選びのポイントを解説します。建築パースの外注を検討している方はぜひ参考にしてください。
建築パースを内製すべき?外注すべき?徹底比較
建築パース(CGパース)を制作する方法として、社内で作成する「内製」と、専門業者に依頼する「外注」の2つの選択肢があります。どちらが適しているかはプロジェクトの規模、予算、必要なクオリティ、制作頻度などによって異なります。
ここでは両者のメリット・デメリットを比較ていきますので、ぜひ参考にしてください。
比較項目 | 外注 | 内製 |
---|---|---|
品質 | ◎ 専門業者による高品質な表現 | △ 技術習得に時間がかかり品質確保が難しい |
コスト | △ 1件ごとに費用発生 | ○ 長期的に見れば効率的(初期投資は必要) |
納期 | ○ 繁忙期でも対応可能 | △ 他業務との兼ね合いで遅延リスクあり |
柔軟性 | △ 修正に手間とコストがかかる | ◎ 設計変更に即座に対応可能 |
リソース | ◎ 自社リソースを圧迫しない | △ 作業要員の確保が必要 |
向いている用途 | 高品質必須の最終プレゼン<br>広告・販促用途<br>クライアント向け | 社内用途<br>企画初期段階<br>頻繁な修正が必要な場合 |
適切な選択は、プロジェクトの特性によって異なります。予算重視で簡易イメージが必要なら内製も検討し、クオリティ重視や短納期なら外注を活用するといった使い分けが効果的です。
社内プレゼン用の簡易パースは内製、クライアント向け最終プレゼンは外注するなど、併用も一つの選択肢です。
建築パース外注の費用相場
建築パースを外注する際、まず気になるのが費用です。パースの種類や表現方法、求める品質によって料金は大きく異なります。ここでは種類別の料金相場と、修正対応に関する費用感を解説します。
パースの種類別料金相場(2D・3D)
建築パースの外注費用はパースの種類(表現方法)や求める品質によって大きく異なります。一般的にリアリティや精細さが増すほど費用も上昇します。以下に代表的なパース形式ごとの相場を表で示します。
パースの種類 | 料金相場 | 制作期間 | 特徴、適した用途 |
---|---|---|---|
手描きパース・水彩パース | ラフスケッチ:3〜10万円 フルカラー細密:10〜30万円 | 数日〜数週間 | ・温かみのある表現 ・プレゼン初期段階 ・アーティスト性の高い表現 |
2DCGパース | 外観:5〜15万円 内観:5〜20万円 | 1〜2週間 | ・コストと品質のバランスが良い ・一般的なプレゼン用途 ・説明会・会議資料 |
3Dレンダリングパース(高品質CG) | 外観:10〜30万円 内観:15〜40万円 | 2週間〜2ヶ月 | ・フォトリアルな表現 ・広告・販促用途 ・重要クライアント向け |
VR・3Dウォークスルー | 基本パース料金+追加費用 | 3週間以上 | ・没入感ある空間体験<br>・マーケティング効率向上<br>・設計検証 |
近年は360°パノラマVRなどの新技術も登場しており、初期コストは高めですが設計変更の減少や販促効果の向上につながるケースもあります。
修正回数と追加料金の関係
建築パース外注では、見積もり時に含まれる修正対応回数を確認することが重要です。多くの制作会社は2〜3回程度の修正を基本料金に含めた価格設定をしています。
この範囲内であれば追加費用なしで調整できますが、それ以上の修正には追加料金が発生するのが一般的です。
修正段階 | 一般的な対応 | 注意点 |
---|---|---|
基本料金に含まれる修正 | 2〜3回程度 | ・契約前に回数を明確に確認 ・何を「1回の修正」と数えるか確認 |
追加修正 | 追加料金発生 (基本料金の10〜30%程度) | ・大幅な変更ほど高額に ・納期も延長される可能性あり |
納品直前の修正 | 対応困難または高額 | ・可能な限り避ける ・早い段階での確認が重要 |
「当初の見積内だったが修正を重ねた結果、想定外の費用がかさんだ」というケースもよく聞かれます。そのため見積比較の段階で、どの範囲までが基本料金に含まれるのか、大幅な変更時に追加費用はいくらかなどを事前に業者へ確認しておくことが大切です。
特にパース初稿(初回提出)後の大幅なデザイン変更は、作業やレンダリング工程のやり直しとなりコスト増につながります。修正は早めの段階でまとめて伝え、最終段階では細部調整のみに留めるのが望ましいでしょう。
建築パース外注で失敗しない業者選びのポイント
建築パースの外注先を選ぶ際には、価格だけでなく実績やコミュニケーション能力、対応の柔軟性など多角的な視点で評価することが重要です。ここでは失敗しない業者選びのための重要なポイントを解説します。
ポートフォリオ・実績の見方
まず候補となる制作会社のポートフォリオ(制作事例)を確認しましょう。単に技術の高さだけでなく、自分の求めるテイストと合っているかという点も重要です。
チェックポイント | 確認内容 |
---|---|
作風・クオリティ | ・求めるイメージに合致するか ・表現の精細さ、リアリティ ・光や素材の質感表現 |
事例の種類 | ・自社案件分野(住宅/商業/公共等)の実績 ・似た規模・特性の建物事例 |
取引実績 | ・著名な建築事務所/デベロッパーとの取引 ・長期継続案件の有無 |
制作年・件数 | ・経験年数や実績の豊富さ ・最新技術への対応状況 |
例えば、写真のようなリアル志向が得意な会社、デザイン性の高いスタイリッシュな表現が得意な会社など、それぞれ特色があります。自社プロジェクトのジャンルやデザインの方向性にマッチした実績を持つ業者を選ぶことで、イメージの共有がスムーズになります。
コミュニケーション力の確認方法
円滑なコミュニケーションは良いパースを仕上げる上で欠かせません。最初の問い合わせ段階からレスポンスの早さや丁寧さをチェックしましょう。
確認方法 | チェックポイント | 判断基準 |
---|---|---|
初回問い合わせ | ・返信の早さ(24時間以内が理想) ・回答内容の丁寧さと的確さ | 迅速かつ詳細な回答があるか |
見積依頼時 | ・質問の理解度 ・不明点の確認姿勢 ・専門的アドバイスの有無 | 受け身ではなく提案型かどうか |
電話やオンライン会議 | ・説明の分かりやすさ ・質問への対応力 ・臨機応変さ | 話が通じるか、専門知識があるか |
口コミ・評判 | ・「お客様の声」等の確認 ・業界内での評判 | 継続的に良い評価を得ているか |
実際に仮見積もり依頼をしてみるのも有効です。見積もり提出までのスピード、内容の詳細さ(修正対応の条件が明記されているか等)を確認しましょう。
複数社に依頼して比較することで、それぞれの対応の違いが見えてくるはずです。
見積もりの比較ポイント
複数の外注先から見積もりを取り比較する際は、単純な金額比較だけでなく見積内容の内訳と条件を確認しましょう。
比較項目 | 確認ポイント | 注意点 |
---|---|---|
修正対応の範囲 | ・何回までの修正が基本料金に含まれるか ・「1回の修正」の定義 ・追加修正の料金体系 | 曖昧な場合は必ず問い合わせる |
納期とスケジュール | ・制作開始から納品までの期間 ・中間チェックポイントの有無 ・特急対応の可否と追加費用 | 自社スケジュールと照らし合わせる |
成果物のクオリティ定義 | ・解像度(印刷サイズ相当) ・ライティングの質 ・ディテールの作り込み度合い | 価格差の理由を確認する |
追加費用事項 | ・人物合成、小物追加 ・アニメーション、VRデータ ・権利関係(商用利用等) | オプション項目を明確にする |
支払い条件 | ・前払い/後払いの区分 ・支払いサイト(納品後何日以内) ・キャンセル料の規定 | 契約前に必ず確認する |
見積書に不明点があれば遠慮なく質問し、回答の迅速さや明確さも評価材料にします。最終的にはコスト・品質・信頼性・対応力のバランスを総合的に判断し、自社にとって最も価値を提供してくれる外注先を選定することが肝心です。
建築パース外注時に準備すべき資料と情報
建築パースの外注を成功させるには、適切な資料と情報を提供することが欠かせません。必要な資料を過不足なく準備し、意図が正確に伝わるようにすることで、スムーズな進行と高品質な仕上がりが期待できます。
必須提供資料リスト
一般的に、建築パース制作を依頼する際に最低限必要とされる資料は次のとおりです。
資料種類 | 詳細 | 重要度 |
---|---|---|
設計図面データ | ・外観パース用:平面図・立面図・配置図 ・内観パース用:展開図・天井伏図・照明計画図 ・CADデータ(DXF/DWG/JWW形式)が望ましい ・PDF図面でも可能だが精度が落ちる可能性あり | 必須 |
仕上げ表・仕様書 | ・外装・内装の仕上げ材料や色柄の情報 ・外壁や床・壁紙の種類、家具や建具の素材 ・カラースキームや素材サンプル | 必須 |
希望アングルの指示 | ・図面上に矢印で視点と方向を書き込む ・ラフスケッチや参考画像 ・「ここを強調したい」というポイント | 必須 |
納期(スケジュール) | ・希望納期 ・中間チェックの希望タイミング ・社内承認プロセスの予定 | 必須 |
用途・目的 | ・利用目的(施主プレゼン/販売パンフレット/コンペ等) ・想定される利用媒体(印刷/Web/プレゼン投影など) | 必須 |
参考イメージ画像 | ・目指す雰囲気に近い写真や過去事例 ・「〇〇のような高級感」など具体例 ・NGの参考例(避けたい表現) | あれば有効 |
以上の資料が揃っていれば基本的に制作は開始可能です。もし不足があっても、後から指示で補える場合も多いので、事前に業者と相談しましょう。
効果的な指示書の作り方
資料を渡す際には、単にデータを送るだけでなく要望を整理した指示書を添えると効果的です。効果的な指示書作成のポイントは次のとおりです。
指示書の要素 | 内容例 | ポイント |
---|---|---|
重要事項の箇条書き | ・「〇〇の部分は△色タイル貼り」 ・「△△の壁面にロゴ看板配置」 | 文章よりも箇条書きの方が伝わりやすく、ミスも減る |
優先順位の付記 | ・「必須」「できれば」などの区分 ・「この部分は特に重視」といった注記 | 全てを完璧に盛り込めない場合の判断基準になる |
イメージ写真・スケッチ | ・照明の雰囲気参考画像 ・素材感のサンプル写真 ・視点場所のマーキング | 言葉だけでなく視覚的に伝えることで誤解が減る |
背景・周辺環境の指示 | ・季節や天候の指定 ・周辺建物の表現レベル ・空や植栽の雰囲気 | 特に広告用では背景設定が全体の印象を左右する |
NG事項の共有 | ・避けたい表現 ・社名看板等の表記注意点 ・クライアント指定の禁止事項 | 後から修正が発生しないよう事前に共有する |
指示書をまとめることで依頼内容が自分でも整理され、外注先との認識合わせがスムーズになります。また、外注先に資料を送った後は、早めに内容を確認してもらい、不明点がないかフィードバックをもらうと良いでしょう。
最初の段階で疑問点を潰しておけば、後工程での手戻りが減り納期短縮にもつながります。
建築パース外注の進行プロセスと納期の目安
建築パースを外注する際は、進行プロセスと納期を理解しておくことで、スムーズな連携とスケジュール管理が可能になります。ここでは一般的な制作フローと納期の目安を解説します。
一般的な制作フロー
外注時の進行プロセスは、主に以下のような6つのステップに分かれます。
・プロジェクト概要の共有
・必要カット数や納期の伝達
・概算見積もりの取得
・見積内容と納期の確認
・契約書や発注書の取り交わし
・図面や仕様書、指示書の提供
・不明点の質疑応答
・建物の3Dモデル作成
・ラフな構図画像の制作
・ラフ画像からカメラアングル選定
・構図の微調整依頼
・高解像度レンダリング
・レタッチ/合成作業
・修正対応と最終納品
依頼者側の主な作業は、「資料提供」「アングル決定」「画像チェック」「校了連絡」の4つです。初めてでも全体像を把握しておけば、各段階で何をすべきか明確になり安心です。
修正対応と最終納品
制作スケジュールは案件の規模や難易度によって様々ですが、一般的な所要期間の目安は次のとおりです。
工程 | 一般的な期間 | 注意点 |
---|---|---|
見積もり〜発注 | 1〜7日程度 | 図面データを速やかに提供する |
モデリング〜アングル提案 | 数日〜1週間程度 | 複雑な建物ほど時間がかかる |
アングル決定〜初稿提出 | 1〜2週間程度 | 内装やディテール作業が多いと長期化 |
修正対応 | 軽微な修正:1日程度 大幅変更:2〜5日程度 | 修正指示は早めに出す |
最終納品 | 修正確認後すぐ | 納品形式を事前に確認する |
小規模な案件であれば、順調に進んで約1〜2週間程度、大規模案件の場合、3〜6週間以上かかることもあります。初回取引で意思疎通に時間を要する場合はさらに余裕を見た方が良いでしょう。
スケジュールを立てる際は、修正期間も含めて計画することが大切です。特にコンペやプレゼン日が固定されている場合、修正が発生しても間に合うようバッファ(予備日)を確保して依頼しましょう。どうしても時間がない場合は、追加料金を支払って特急対応してもらえるか相談してみてください(通常料金の1.5〜2倍程度で納期半分に短縮などのケースがあります)。
最後に、納品時は指定のファイル形式で受け取ります。印刷用途で劣化が気になる場合はTIFFなど非圧縮形式でお願いすることも可能です。納品後に万一軽微な変更が出た場合、納品直後であれば無償で対応してくれる会社も多いですが、時間が経ってからの大幅修正は別途費用・納期が発生するので注意しましょう。
建築パース外注におすすめの業者
ここからは、建築パース制作を依頼できるおすすめの外注先を紹介します。日本国内で実績豊富な会社と、低コストで依頼可能なコスパ重視の会社をピックアップしました。自社のニーズに合った業者選定の参考にしてください。
国内の信頼できる外注先

項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社Advalay |
所在地 | 〒106-0031 東京都港区西麻布4-10-16ウエストコート410 2階 |
公式HP | https://www.advalay.co.jp/ |
Advalayは日本を代表する建築CGパース制作会社の一つです。最新の3DCG技術と熟練クリエイターチームにより、精細で高品質なパースを短期間で提供できることが強みです。
特に大規模建築物や複雑な構造物の表現力に優れ、大手デベロッパーや有名設計事務所からの受注実績も多数あります。
また建築CGにとどまらずVR・AR、メタバース空間での建築プレゼンテーションにも対応可能で、先端技術を活用した提案力にも定評があります。価格帯は中〜高価格帯が中心です。
広告代理店経由の大型案件などハイクオリティ重視の用途に選ばれることが多く、クオリティ・技術・対応力すべてにおいてトップクラスと言えるでしょう。
コスパ重視の外注先

項目 | 詳細 |
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会社名 | パース工房 |
所在地 | 〒422-8004 静岡市駿河区国吉田1丁目10-59 |
公式HP | https://pers-koubou.com/ |
パース工房は静岡県に拠点を置く建築パース専門会社で、低価格かつ迅速なサービスを売りにしています。初回依頼10%OFFなどの割引施策もあり、コスト重視の顧客に利用されています。
料金表によると、戸建住宅や集合住宅の内観・外観パースはそれぞれ27,500円(税込)〜と業界内でも非常に安価な設定です。
この価格はCADデータ支給が前提のため、図面データがない場合や複雑な案件では追加費用となりますが、それでも総じて割安です。対応範囲は戸建からマンション、オフィス、商業施設まで幅広く、手描き風パースや簡易な鳥瞰図にも対応しています。
「とにかく安く外注費を抑えたい」「社内プレゼン用に簡易で良い」といったケースにはフィットします。納期も比較的短く、小規模案件なら1週間程度で納品できるフットワークの軽さも魅力です。
まとめ
建築パースの外注は、高品質な提案資料や広告素材を効率的に入手する有効な手段です。本記事では、内製と外注の比較から始まり、料金相場、業者選びのポイント、発注時の準備、進行プロセス、そしておすすめの業者まで幅広く解説しました。
外注を成功させるポイントは、「目的に合った業者選び」「的確な指示と資料準備」「余裕を持ったスケジュール管理」の3つに集約されます。特に初めての外注では、実績豊富で丁寧なコミュニケーションを心がける業者を選ぶことがトラブル回避の秘訣です。
また、予算や目的に応じた業者選択も重要です。高品質なプレゼンテーションが必要なら技術力の高いAdvalayのような会社を、社内用途や予算制約が厳しいなら低コストのパース工房やパース革命なども選択肢になります。
建築パースは建築プロジェクトの成否を左右する重要な要素です。本記事の情報を参考に、自社のニーズに最適な外注先を見つけ、魅力的な建築パースで提案や販促活動を成功させてください。専門業者の技術力と自社の明確なビジョンが組み合わさることで、期待以上の成果が得られるでしょう。