XGRIDS PortalCamとは?モバイルスキャンの仕組み・精度・活用シーン

XGRIDS PortalCam(エックスグリッズ ポータルカム)とは、手に持って歩くだけで建物や現場を丸ごと3Dデータ化できる、モバイル型のLiDARスキャナーです。
近年、建設・不動産・測量の現場では「短時間で、正確に空間をデータ化したい」というニーズが高まっています。三脚に固定する従来型スキャナーと違い、PortalCamは歩きながら計測できるため、広い現場でも効率よく3Dデータを取得できる点が注目を集めています。
本記事では、XGRIDS PortalCamの仕組みや精度、具体的な活用シーン、費用相場までを、空間データ活用の専門企業であるAdvalayがわかりやすく解説します。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
TL;DR
- XGRIDS PortalCamは、歩きながら空間を3D点群化するモバイルLiDARスキャナーです
- SLAM技術により三脚不要で、従来型より最大10倍以上の速さで計測できます
- 建設のBIM作成・不動産の内覧・測量・デジタルツイン構築など活用シーンは幅広いです
XGRIDS PortalCamとは?モバイルスキャナーの基礎知識

XGRIDS PortalCamとは、中国のXGRIDS社が開発した、持ち運び可能なハンドヘルド型3Dスキャナーです。LiDAR(レーザー計測)とSLAM技術を組み合わせ、歩きながら周囲の空間を高精度な3D点群データとして記録できます。
従来の3Dスキャナーは三脚に固定し、1地点ずつ計測する「据え置き型」が主流でした。PortalCamはこの常識を覆し、作業者が機器を手に持って現場を歩き回るだけで、連続的にデータを取得できます。広い倉庫や複雑な建物内でも、計測時間を大幅に短縮できる点が最大の特徴です。
LiDARとSLAMという2つのコア技術
PortalCamの性能を支えているのが、LiDARとSLAMという2つの技術です。
LiDAR(ライダー)とは、レーザー光を対象物に照射し、反射して戻るまでの時間から距離を測る技術のことです。1秒間に数十万点ものレーザーを飛ばし、空間を「点の集合(点群)」として記録します。
SLAM(スラム)とは、機器自身の位置を推定しながら同時に周囲の地図を作成する技術です。歩きながらでも「今どこにいて、周りがどうなっているか」を把握できるため、三脚なしでの連続計測が可能になります。
据え置き型スキャナーとの違い
PortalCamと従来型スキャナーの違いを、下記の表にまとめました。
| 比較項目 | XGRIDS PortalCam(モバイル型) | 据え置き型スキャナー |
|---|---|---|
| 計測方法 | 歩きながら連続計測 | 三脚固定で1地点ずつ |
| 計測速度 | 非常に速い(数分〜) | 遅い(1地点数分×複数回) |
| 精度 | 数mm〜数cm級 | 数mm級(より高精度) |
| 得意な現場 | 広い空間・複雑な動線 | 高精度が必要な部分計測 |
| 携帯性 | 高い(片手で持てる) | 低い(重量・設置が必要) |
用途によって最適な機器は変わります。広範囲を効率よくデータ化したい場合はモバイル型、ミリ単位の精度が求められる場合は据え置き型が向いているといえるでしょう。

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XGRIDS PortalCamの仕組み|歩くだけで3D化できる理由
XGRIDS PortalCamは、LiDARで取得した点群データとSLAMによる位置推定をリアルタイムで統合することで、歩くだけで空間を3D化しています。計測後は専用ソフトでデータを処理し、点群モデルや3Dメッシュとして出力できます。
作業者が機器を持って現場を移動すると、LiDARが周囲を高速スキャンしながら、SLAMが移動軌跡を記録します。この2つのデータを組み合わせることで、バラバラの点群が正しい位置関係でつなぎ合わされ、1つの立体的な空間モデルが完成する仕組みです。
計測から3Dデータ化までの3STEP
PortalCamで3Dデータを作成する流れは、大きく3つのステップに分かれます。
STEP1:現場を歩いて計測する
機器の電源を入れ、データ化したいエリアを歩いて回ります。動線が途切れないよう、一筆書きのように移動するのがコツです。
STEP2:専用ソフトでデータ処理する
計測したデータをPCの専用ソフトに取り込み、点群を統合・最適化します。ノイズ除去や座標の調整もこの段階で行います。
STEP3:用途に合わせて出力する
処理済みデータを、点群ファイル・3Dメッシュ・BIMモデルなど、用途に応じた形式で出力します。CADソフトへの連携も可能です。
取得できるデータ形式

PortalCamで取得したデータは、さまざまな形式に変換して活用できます。代表的な出力形式は、点群データ(LAS/PLY形式)、3Dメッシュ、そしてBIMや3D CADへの連携データです。これにより、設計・施工・維持管理といった幅広い工程で同じデータを使い回せます。
XGRIDS PortalCamの精度は?計測性能を解説
XGRIDS PortalCamの計測精度は、一般的に数mm〜数cm級とされ、建設・測量の実用レベルを十分に満たします。ただし精度は計測環境や歩行速度、対象物の形状によって変動するため、用途に応じた使い方が重要です。
モバイル型スキャナーは、ミリ単位の超高精度が求められる精密計測には据え置き型が優位です。一方、建物全体のBIM作成や現況把握、内覧用データの作成といった用途では、PortalCamの精度で十分に実用に耐えます。「どの精度が必要か」を見極めることが、機器選定の第一歩といえるでしょう。
精度に影響する3つの要因
計測精度を安定させるには、以下の3つの要因を意識することが大切です。
| 要因 | 精度への影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 歩行速度 | 速すぎると点群が粗くなる | 一定のゆっくりした速度で歩く |
| 動線設計 | 途切れると位置ずれが発生 | 一筆書きで戻る経路を作る |
| 対象物の形状 | 特徴の少ない壁面は苦手 | 補助的にターゲットを設置 |
これらを押さえることで、計測結果の品質を大きく高められます。実際にAdvalayが現場でモバイルスキャナーを扱う際も、動線設計の丁寧さが最終的なデータ品質を左右する場面を数多く経験してきました。

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XGRIDS PortalCamの活用シーン5選
XGRIDS PortalCamは、建設・不動産・測量・製造・文化財保存など、幅広い業界で活用されています。ここでは特に導入効果が高い5つのシーンを紹介していきます。
歩くだけで空間をデータ化できる手軽さは、これまで「時間がかかりすぎる」「専門機器が高額」といった理由で3Dスキャンを諦めていた現場にも、活用の道を開いています。
1. 建設現場のBIM・現況モデル作成

施工中や竣工後の建物を丸ごとスキャンし、BIM(建物の3Dデータモデル)や現況モデルを作成できます。設計図と実際の施工状況の差異チェックにも役立ちます。
2. 不動産の内覧・図面化
物件全体をスキャンすれば、3Dの内覧データや正確な平面図の作成が可能です。遠方の顧客にもバーチャルで物件を案内でき、成約率の向上につながります。
3. 測量・土木の現況把握

造成地や道路、トンネルなどの広い現場を短時間でデータ化できます。従来の測量に比べて大幅な時間短縮が期待できます。
4. 工場・プラントの設備管理
複雑な配管や設備が入り組んだ工場内も、歩くだけでデジタルツイン(現実空間の3D複製)化できます。レイアウト変更の検討や、遠隔での設備確認に活用できます。
5. 文化財・歴史的建造物の記録
繊細な文化財や歴史的建造物を、触れることなく高精度に記録・保存できます。デジタルアーカイブとしての価値も高まっています。
XGRIDS PortalCamの費用相場と導入コスト

XGRIDS PortalCamの導入費用は、本体価格でおおよそ数百万円程度が目安とされ、機種構成やソフトウェアライセンスによって変動します。導入形態には「購入」と「スキャン代行サービスの利用」の2通りがあります。
高額な機器を自社購入するか、必要なときだけ専門企業にスキャンを依頼するかは、計測頻度によって判断が分かれます。年間を通じて頻繁に計測するなら購入、スポット的な利用なら代行サービスがコスト面で有利になるケースが多いです。
| 導入形態 | 費用イメージ | 向いているケース |
|---|---|---|
| 本体購入 | 数百万円(本体+ソフト) | 計測頻度が高い・自社運用したい |
| スキャン代行 | 1案件あたり数万円〜数十万円 | スポット利用・まず試したい |

まずはスキャン代行で3Dデータ活用の効果を確かめ、費用対効果を見極めてから購入を検討するのも賢い進め方です。Advalayでは3,000件以上の空間データ化の実績をもとに、機器選定から運用までをサポートしています。
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よくある質問
XGRIDS PortalCamは専門知識がなくても使えますか?
基本的な計測操作はシンプルで、歩いて回るだけのため専門知識がなくても扱えます。ただし、高品質なデータを得るための動線設計や、取得後のデータ処理には一定のノウハウが必要です。最初は専門企業のサポートを受けながら運用を始めるのがおすすめです。
屋外でも使えますか?
屋外でも使用可能です。ただし、直射日光の強い環境や、雨天時は計測精度に影響が出る場合があります。屋外で使う際は、天候や明るさの条件を確認してから計測することをおすすめします。
従来の据え置き型スキャナーと、どちらを選ぶべきですか?
広範囲を効率よくデータ化したい場合はPortalCamのようなモバイル型、ミリ単位の高精度が必要な部分計測には据え置き型が向いています。用途と求める精度によって使い分けるのが理想的です。両方を組み合わせて使う現場も珍しくありません。
スキャンしたデータはどんなソフトで使えますか?
点群データ(LAS/PLY形式)やBIMモデルとして出力できるため、主要なCAD・BIMソフトで活用できます。導入前に、自社で使っているソフトとの互換性を確認しておくと安心です。
まとめ:XGRIDS PortalCamで空間データ活用を始めよう!
XGRIDS PortalCamは、歩くだけで空間を高精度な3Dデータ化できるモバイルスキャナーです。LiDARとSLAM技術により、従来型より大幅に効率よく計測でき、建設・不動産・測量・製造・文化財保存まで幅広い現場で活用が進んでいます。
導入形態は本体購入とスキャン代行の2通りがあり、計測頻度に応じて選ぶのがポイントです。まずは代行サービスで効果を確かめてみるのも良いでしょう。自社の現場に3Dスキャンをどう活かせるか、検討してみてはいかがでしょうか。
弊社Advalayは、バーチャルツアー・3Dスキャン・点群データ活用を3,000件以上手がけてきた空間データ活用の専門企業です。建設・不動産・製造業をはじめ、業種ごとの課題に応じた最適な3Dデータ活用をご提案できます。
「自社の現場でどう使えるか知りたい」「まずは費用感を聞きたい」といったご相談は無料です。用途やご予算をお聞かせいただければ、最適なプランをご提案いたします。お気軽にご相談ください。
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柴山 紘輔
株式会社Advalay 代表取締役。Matterportを活用した3Dバーチャルツアーの制作・導入支援において、1,500施設以上の支援実績を持つ。不動産・建設・文化財・商業施設など、幅広い業界でのデジタルツイン活用を推進。

