Scan to BIMとは?3DスキャンからBIMモデルを作成する方法と費用

Scan to BIMとは?3DスキャンからBIMモデルを作成する方法と費用

Scan to BIM(スキャントゥビム)とは、3Dスキャンで取得した点群データをもとに、建物の3次元モデル(BIMモデル)を作成する手法のことです。

近年、改修工事やリノベーションの現場で「正確な図面が残っていない」という課題が増えています。Scan to BIMは、現実の建物をそのまま3Dデータ化し、設計や維持管理に使える形へ変換できるため、建設・不動産業界で急速に注目を集めています。

本記事では、Scan to BIMの基本的な仕組みから、点群からBIMモデルを作成する5つのSTEP、費用相場までを解説します。導入を検討している建設会社・設計事務所の方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

Scan to BIMとは?仕組みをわかりやすく解説

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Scan to BIMとは、3Dスキャナで計測した点群データを、属性情報を持ったBIMモデルへ変換するプロセスを指します。

「現実の建物」を「デジタルの設計データ」へ橋渡しする技術といえるでしょう。ここでは、前提となる2つの用語を整理しながら、その流れを解説していきます。

点群データとBIMの違い

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点群データ(ポイントクラウド)とは、3Dスキャナがレーザーで計測した、無数の点の集まりで形成される3次元データのことです。 建物の形状を「点」として忠実に記録しますが、点そのものに「これは壁」「これは柱」といった意味は持ちません。

一方のBIM(ビム)とは、Building Information Modelingの略で、建物の形状に加えて材質・寸法・コストなどの情報を持たせた3次元モデルのことです。 設計から施工、維持管理までを一元管理できる点が特徴です。

つまりScan to BIMは、「ただの点の集まり」を「意味を持った建物データ」へ翻訳する工程だと考えられます。

項目点群データBIMモデル
データの中身座標を持つ点の集合壁・柱・窓などの部材
属性情報なし(形状のみ)あり(材質・寸法・コスト等)
主な用途現況把握・干渉チェック設計・施工・維持管理
編集のしやすさ加工しにくい部材単位で編集可能

点群データとBIMモデルの違いを示す比較インフォグラフィック

なぜ今Scan to BIMが注目されるのか

Scan to BIMが注目される背景:BIM/CIM義務化と改修需要の増大

Scan to BIMが広がる背景には、建設業界の構造的な課題があります。

国土交通省は2023年度から、公共工事におけるBIM/CIM原則適用を進めており、建物データの3次元化は業界全体の流れになりつつあります。あわせて、築年数の経過した建物の改修需要が高まり、「正確な現況図面が必要」という場面が増えてきました。

古い建物では、竣工図と現状が一致しないケースも珍しくありません。Scan to BIMなら、現実の状態をそのまま記録できるため、手戻りの少ない設計が可能になります。

Scan to BIMでBIMモデルを作成する5つのSTEP

Scan to BIMの作業は、現地計測からモデル化まで、大きく5つのSTEPに分かれます。

ここからは、実際の制作フローに沿って、それぞれのSTEPを解説していきます。

STEP1:3Dスキャナで現地を計測する

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最初のSTEPは、対象となる建物や空間を3Dスキャナで計測する作業です。

レーザースキャナや、Matterport(マーターポート)のような撮影機器を使い、建物内外をくまなくスキャンします。計測漏れがあると後工程でデータが不足するため、この段階の精度が仕上がりを左右します。

STEP2:点群データを統合・処理する

複数地点から計測したデータを、1つの座標系に統合する工程です。

スキャンは1か所では完結しないため、何十回も位置を変えて計測します。それらを正確につなぎ合わせ(レジストレーション)、不要なノイズを除去して、扱いやすい点群データに整えます。

STEP3:点群をもとにBIMソフトでモデリングする

整えた点群データをBIMソフト(RevitやArchicadなど)に取り込み、点群をなぞるように部材を配置していきます。

壁・床・天井・柱・窓などを、点群に合わせて3次元の部材として再現します。この「点群を意味のある部材へ置き換える」作業こそが、Scan to BIMの中核です。

STEP4:属性情報を付与する

形状ができたら、各部材に材質・寸法・仕様などの情報を入力します。

この属性情報があるからこそ、BIMは単なる3D形状ではなく「設計・維持管理に使えるデータベース」として機能します。

STEP5:精度をチェックして納品する

最後に、作成したBIMモデルと元の点群データを重ね合わせ、ズレがないかを確認します。

要求された精度(LOD=詳細度のレベル)を満たしているかを検証し、問題がなければ納品となります。弊社Advalayでは、空間データ計測から制作まで一気通貫で対応しており、計測と制作の連携によって手戻りを抑えています。

Scan to BIMの作業フロー:現地計測から納品までの5ステップ

Scan to BIMの費用相場はいくら?

Scan to BIMの費用相場は、建物の規模と求める精度によって、おおむね50万〜300万円が目安です。

費用は「計測費」と「モデリング費」の2つで構成されます。ここでは、料金の内訳と規模別の目安を整理していきます。

費用を左右する3つの要素

Scan to BIMの費用は、主に次の3つの要素で変動します。

  • 建物の規模(面積):広いほど計測・モデリングの工数が増える
  • 求める精度(LOD):詳細度が高いほど作業量が増える
  • 対象範囲:構造躯体のみか、設備配管まで含めるか

特にLOD(Level of Detail)の指定は費用への影響が大きく、設備や配管まで詳細にモデル化すると、費用は数倍に膨らむケースもあります。

規模別の費用相場の目安

建物の規模別に、費用相場の目安を整理しました。実際の見積もりは条件によって変動するため、あくまで参考値としてご覧ください。

建物規模延床面積の目安費用相場の目安
小規模(住宅・店舗)〜300㎡50万〜100万円
中規模(オフィス・施設)300〜1,000㎡100万〜200万円
大規模(工場・大型施設)1,000㎡〜200万〜300万円以上

費用だけで判断せず、「何の目的で使うBIMか」を基準に精度を決めることが、結果的にコストの最適化につながります。

Scan to BIMの費用相場:規模別50万円〜300万円の内訳

Scan to BIMの活用シーンと導入メリット

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Scan to BIMは、改修・維持管理・施工管理など、建物のライフサイクル全体で活用できます。

主な活用シーンと、そこで得られるメリットを紹介していきます。

主な活用シーン

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  • 改修・リノベーション設計:正確な現況をもとに、手戻りの少ない設計ができる
  • 維持管理(FM):設備情報を含むBIMで、点検・更新計画を効率化できる
  • 施工管理:設計BIMと現場の点群を照合し、施工精度を検証できる
  • 遺産・歴史的建造物の記録:現状をデジタル保存し、修復の基礎資料にできる

不動産業界では物件の正確な記録に、製造業では工場設備のレイアウト検討にと、業種ごとに活用の幅が広がっています。

導入で得られる3つのメリット

Scan to BIM導入のメリットは、「正確性」「効率化」「情報共有」の3点に集約できます。

現況を正確に記録できるため、図面のない建物でも安心して設計を進められます。また、現地調査の回数を減らせるため、調査にかかる時間とコストを抑えられるのも特徴です。さらに、3Dデータで関係者と認識を共有できるため、打ち合わせの行き違いも減らせるでしょう。

3Dスキャンの基礎については「3Dスキャンとは?仕組みと業種別の活用法」でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。点群データの活用法については「点群データとは?取得方法と活用シーン」もご参考になります。

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よくある質問

Scan to BIMとBIMは何が違いますか?

BIMは「建物の3次元モデルそのもの」を指し、Scan to BIMは「3DスキャンでそのBIMモデルを作成する手法」を指します。Scan to BIMは、既存の建物をデータ化する入り口の工程だと考えるとわかりやすいでしょう。

Scan to BIMの納期はどのくらいかかりますか?

建物の規模と精度によりますが、小規模な建物で2〜3週間、中〜大規模では1〜2か月程度が一般的な目安です。計測自体は短期間で完了しますが、モデリングと属性付与に時間を要します。

古い建物でもScan to BIMはできますか?

可能です。むしろ図面が残っていない築古の建物こそ、現況をそのまま記録できるScan to BIMの効果が大きいといえます。歴史的建造物の記録保存にも活用されています。

どんな精度(LOD)を指定すればいいですか?

用途によって変わります。現況把握だけなら粗めの精度で十分ですが、改修設計や設備管理に使うなら、設備・配管まで含む高い精度が必要です。目的をお伝えいただければ、最適な精度をご提案します。

まとめ:Scan to BIMで建物データを未来へつなごう!

Scan to BIMとは、3Dスキャンで取得した点群データから、属性情報を持つBIMモデルを作成する手法です。改修設計から維持管理まで、建物のライフサイクル全体で活用でき、費用相場は規模に応じて50万〜300万円が目安となります。

正確な現況データは、これからの建物管理に欠かせない資産になります。まずは「どの建物を、何の目的でデータ化したいか」から検討を始めてみてはいかがでしょうか。

弊社Advalayは、空間データの計測から3Dモデル制作まで、5,000件以上の実績をもとに一気通貫で対応する専門企業です。Scan to BIMや点群活用について、計測対象や目的をお聞かせいただければ、最適なプランをご提案いたします。ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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柴山 紘輔

柴山 紘輔

株式会社Advalay 代表取締役。Matterportを活用した3Dバーチャルツアーの制作・導入支援において、1,500施設以上の支援実績を持つ。不動産・建設・文化財・商業施設など、幅広い業界でのデジタルツイン活用を推進。

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Advalay編集部
このメディアは、デジタル技術を中心としたコンテンツを発信しています。デジタルツインを活用したマーケティング事業を行っているAdvalayだからこそ専門的で網羅的な情報をお届けできます。どなたでもわかりやすく、楽しめるコンテンツを作っていますのでぜひご覧ください。
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