LiDARスキャナーの種類と選び方|建設・製造・不動産向け【2026年版】

LiDARスキャナーとは、レーザー光を照射して空間の形状を高精度に計測し、3次元の点群データを生成する機器のことです。

建設現場の出来形管理や製造業の設備点検、不動産の現況把握など、「空間を正確にデジタル化したい」というニーズに応える計測技術として、導入する企業が増えています。本記事では、LiDARスキャナーの3つのタイプと選び方のポイント、業種別の活用事例を解説します。ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

LiDARスキャナーとは?仕組みと基本用語

LiDAR(Light Detection and Ranging)は、レーザー光を対象物に照射し、反射して戻るまでの時間を計測して距離を算出する技術です。 1秒間に数十万〜数百万のレーザーを照射し、空間全体を点の集合(点群データ)として記録します。

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LiDARの基本的な仕組み

1. スキャナーからレーザー光を全方位に照射

2. レーザーが対象物に当たって反射

3. 反射光がスキャナーに戻るまでの時間から距離を算出

4. 各点にXYZ座標と色情報(RGB)を付与

5. 数百万〜数億の点が集まり、空間の3Dデータが完成

知っておきたい基本用語

用語意味
点群データLiDARで取得した3次元の点の集合体。各点が座標と色を持つ
スキャン精度計測値と実際の値の差。±1mm〜±10cm程度
スキャン速度1秒間に取得できる点の数。多いほど高速
計測距離レーザーが到達できる最大距離。機種により10m〜300m
レジストレーション複数のスキャンデータを位置合わせして結合する処理
据置型・モバイル型・ドローン搭載型の3タイプのLiDARスキャナーを精度・速度・価格で比較した図

LiDARスキャナーの種類3タイプ|特徴を比較

LiDARスキャナーは大きく3つのタイプに分かれます。用途・対象範囲・予算に応じて最適なタイプを選ぶことが重要です。

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① 据置型(三脚固定型)

据置型は、三脚に設置して360度全方位をスキャンするタイプです。 最も高精度で、建設・土木・プラント管理の現場で広く使われています。

  • 精度: ±1〜2mm(最高精度)
  • 計測距離: 70〜350m
  • スキャン速度: 毎秒100万点以上
  • 価格帯: 300万〜2,000万円
  • 向いている用途: 建設出来形管理、プラント配管計測、文化財の精密記録

代表的な機種:

機種メーカー精度計測距離価格目安
Focus PremiumFARO±1mm350m800万〜1,200万円
RTC360Leica±1.9mm130m700万〜1,000万円
BLK360 G2Leica±4mm45m200万〜350万円

据置型は1箇所あたりの計測に数分かかるため、広い現場では複数箇所からスキャンし、データを合成(レジストレーション)する必要があります。

② モバイル型(ハンドヘルド・バックパック型)

モバイル型は、手持ちまたは背負って歩きながらスキャンするタイプです。 据置型に比べて精度は劣りますが、広い空間を短時間でスキャンできるのが最大のメリットです。

  • 精度: ±3〜30mm(機種による)
  • 計測距離: 10〜100m
  • スキャン速度: 移動しながらリアルタイム計測
  • 価格帯: 50万〜800万円
  • 向いている用途: 建物全体の概略把握、不動産の間取り計測、バーチャルツアー制作

代表的な機種:

機種メーカー精度特徴価格目安
Matterport Pro3Matterport±5mmバーチャルツアー連携80万〜100万円
NavVis VLX3NavVis±5mmバックパック型・広範囲500万〜800万円
iPad ProApple±1〜3cm最も手軽・低コスト15万〜25万円

弊社Advalayでは、用途に応じてMatterport Pro3とFARO Focusを使い分けており、年間500件以上のスキャンを実施しています。

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③ ドローン搭載型

ドローン搭載型は、ドローンにLiDARセンサーを搭載し、上空から広範囲をスキャンするタイプです。 人が立ち入りにくい場所や、広大な敷地の測量に適しています。

  • 精度: ±3〜10cm
  • 計測範囲: 1回のフライトで数万㎡
  • 価格帯: 200万〜1,500万円(ドローン+LiDAR)
  • 向いている用途: 大規模造成工事の進捗管理、太陽光発電所の設計、災害現場の地形把握

代表的な機種:

機種メーカー特徴価格目安
Zenmuse L2DJI高精度・Matrice 350対応200万〜400万円
BLK2FLYLeica自律飛行対応800万〜1,200万円

ドローン搭載型は飛行許可や気象条件の制約があるため、計画的な運用が必要です。

3タイプの比較まとめ

据置型モバイル型ドローン搭載型
精度◎ ±1〜2mm○ ±3〜30mm△ ±3〜10cm
速度△ 1箇所数分◎ 歩きながら◎ 広範囲を短時間
対象中〜大規模小〜大規模広大な屋外
価格300万〜2,000万円15万〜800万円200万〜1,500万円
導入ハードル低〜中高(飛行許可)
建設業・製造業・不動産の3業種ごとのおすすめLiDARスキャナー機種をまとめたカード

LiDARスキャナーの選び方|5つのチェックポイント

① 必要な精度を明確にする

用途によって必要な精度が異なります。過剰な精度の機種を選ぶと費用が上がり、精度不足だと活用時に問題が出ます。

用途必要精度適したタイプ
設備点検・製品検査±1〜2mm据置型
建築の現況把握・BIM連携±3〜5mm据置型 or モバイル型
空間の概略把握±1〜3cmモバイル型
広範囲の地形測量±3〜10cmドローン搭載型

② 対象範囲とスキャン頻度を考える

  • 月に何度もスキャンする場合: 自社購入がコスパ良い
  • 年に数回の場合: 代行サービスの方が安い
  • 広範囲を1度だけ: ドローン搭載型の代行が最適

③ データ活用の後工程を確認する

取得した点群データを「何に使うか」で、必要なソフトウェアや納品形式が変わります。

  • BIMに取り込む → Revit対応の据置型が適切
  • バーチャルツアーにする → Matterportが最も効率的
  • CAD図面を起こす → 高精度の据置型 + CAD変換

④ 運用体制を考える

据置型やドローン搭載型は操作に専門知識が必要です。社内にオペレーターを育成するか、代行サービスを使うかを判断しましょう。

⑤ 購入 vs レンタル vs 代行

選択肢向いている企業費用感
購入月に複数回使う、専任オペレーターがいる300万〜2,000万円
レンタル月1〜2回、操作できる人がいる1日5万〜15万円
代行年数回、操作できる人がいない1回3万〜80万円
LiDARスキャナーの購入・レンタル・代行を使用頻度と社内体制で判断するフローチャート

業種別のおすすめ機種

建設業

おすすめ: FARO Focus Premium または Leica RTC360

i-Constructionの出来形管理に必要なミリ精度を満たし、工事の各段階で定期スキャンが可能。複数現場を持つ企業は自社購入のメリットが大きいといえるでしょう。

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製造業

おすすめ: Matterport Pro3 + FARO Focus(用途で使い分け)

工場全体の概略把握にはモバイル型、設備の精密計測には据置型と使い分けるのが効率的です。実際に弊社のお客様でも、この組み合わせで運用されているケースが多くあります。

不動産

おすすめ: Matterport Pro3 または iPad Pro(LiDAR)

物件のバーチャルツアー制作がメインの場合はMatterport Pro3が最適です。簡易的な間取り計測だけならiPad ProのLiDARでも十分対応できます。

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まとめ:自社に合ったLiDARスキャナーを選ぼう!

LiDARスキャナーは据置型・モバイル型・ドローン搭載型の3タイプがあり、精度・速度・価格帯がそれぞれ異なります。選定のポイントは「必要な精度」「スキャン頻度」「データの活用方法」の3つです。

まずは自社の用途を整理し、必要であれば代行サービスで試してみてから購入を検討する進め方が、最もリスクが低いのではないでしょうか。

弊社Advalayは、LiDARを使った3Dスキャン調査を累計5,000件以上手がけてきた専門企業です。FARO・Matterportなど複数の機材を保有し、用途に応じた最適な計測プランをご提案しています。導入のご検討やまずは試してみたいという方は、お気軽にご相談ください。

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