バーチャル空間の作成方法は3つ!無料ツールや活用のポイントも解説
バーチャル空間の作り方を知りたいけど、ツールや形態がさまざまでどれがいいのかわからないという方はいませんか?
バーチャル空間を作成するには、3つの方法があり、3形態とも完成形がかなり異なります。そのため、3種類の違いを確実に理解した上で、理想のバーチャル体験を作れるツールを慎重に選定する必要があります。
本記事では、バーチャル空間を作る3つの方法と、それぞれの方法に最適なツールをご紹介します。
またバーチャル空間を有効に活用するためのポイントも解説しているので、ぜひ記事を読み進めてみてください。
弊社は、バーチャル空間の制作をメイン事業に幅広い業界業種のバーチャル体験を生成してきました。その実績やノウハウをもとに解説していきますので、少しでも最高のバーチャル体験を完成させるお手伝いができますと幸いです。
バーチャル空間(VR空間)とは
バーチャル空間の作り方を見る前に、まずはバーチャル空間の定義を確認しておきましょう。
バーチャル空間の定義
バーチャル空間(VR空間)とは、現実世界とは異なる仮想の3次元空間のことを指します。
VR技術やコンピューターグラフィックスを活用して構築され、視覚的な没入感や対話性を提供するツールです。
バーチャル空間は、新しい技術であるため、企業や個人間で定義に違いがあります。
本メディアでは、「バーチャル空間=VR空間・仮想空間・バーチャルツアー」と定義しており、メタバースや仮想世界とは区別しております。
メタバースとの違いについて詳しく解説します。
メタバースとの違い
バーチャル空間(VR空間)とメタバースは、両者とも仮想的な空間を生成する点では共通しています。
その中でも、バーチャル空間は主にユーザーが身体的な存在を持たずに体験できる特定の場所や空間のことです。
一方、メタバースは、人々が自分自身のアバターとして参加し、他のユーザーとの対話や交流を可能にする「仮想世界」を指します。
つまり、店舗をはじめとしたさまざまな「バーチャル空間」が複数存在し、人々同士のコミュニケーションすら生まれている世界がメタバースです。
メタバースは現実世界との結びつきや社会的な要素が強く、さまざまな活動や経済が展開される広大な領域を指します。
制作に必要なプログラミング言語
バーチャル空間を制作する際、プログラミング言語を使用するケースがあります。
代表的な言語としては、C#やC++、Python、JavaScriptなどがあります。
UnityやUnreal Engineといったゲームエンジンは、バーチャル空間の制作において広く使用されており、これらのエンジンではそれぞれ異なるプログラミング言語が採用されています。
ただし、すでに完成されたプラットフォームを利用して空間を生成するケースもあります。その場合、プログラミング知識や専門的なIT技術は不要で制作できるため、初心者の方もご安心ください。
バーチャル空間の作り方3選
バーチャル空間を作成できる代表的な方法は、次の3つです。
- 360度カメラを利用して現実空間を仮想空間に変換する
- バーチャル空間作成プラットフォームを利用する
- 3DCGを利用して0からモデリングする
制作目的によって、作り方が大きく異なるため、どの方法がマッチするか比較してみてください。
1.360度カメラで現実空間をスキャンする
まずは、現実に存在する実空間をそのままバーチャル化してバーチャル空間を作成する方法です。
まずは、360度カメラで空間をスキャンします。すべてのエリアをスキャンできたら、専用のプラットフォームにアップロードします。
アップロードすると、自動的に現実空間の3Dモデルが生成され、そのデータをそのままバーチャル空間として活用できます。
住宅の内見や工場・教育施設・美術館・博物館の見学ツアーなど、ビジネスシーンで活用されるケースが多いです。
現実空間を活用して、バーチャル空間を作成したいという方は、下記の記事でさらに詳しく解説しているので参考にしてみてください。
2.バーチャル空間作成プラットフォームを利用する
2つ目の作成方法は、現実空間を保有していなくてもバーチャル空間を作成できる方法です。
バーチャル空間作成の専用プラットフォームは、ドラッグアンドドロップのインターフェースやテンプレートが提供されている便利なツールです。
そのため、専門的な知識がなくとも、直感的に空間を構築できます。
活用をおすすめしたい方としては、複数展示物を展示したいが、現実空間の展示スペースを保有していないというような方が挙げられるでしょう。
3.3DCGを利用して0からモデリングする
3DCGを活用すれば、0からオリジナルで自分の好みのバーチャル空間を作成できます。
デザインやアートスタイルはすべて自分で決められるので、自由度はもっとも高い方法といえます。
ただし、3DCGの制作にはモデリングやテクスチャリング、アニメーションなど技術的な知識や時間が必要です。
バーチャル空間だけでなく、さまざまな3Dモデルを制作したい場合や、モデリングツールを普段から利用したい方におすすめの方法です。
バーチャル空間を作成できるアプリ【360度カメラ編】
まずは、現実空間を360度カメラでスキャンし、仮想空間を生成できるアプリをご紹介します。
今回ご紹介するのは、3Dモデルを生成できる「プラットフォーム」であるため、そのプラットフォームに接続できる360度カメラについては、各章でご紹介します。
Matterport(マーターポート)|品質重視ならこれ!
Matterportは、現実空間を仮想空間に変換する「デジタルツイン技術」を生かした高性能なアプリケーションです。
接続できるカメラは、Matterport・THETA・Insta360・iPhone・Androidなど種類豊富で、代表的な360度カメラは基本的に接続できます。
撮影したデータをアップロードすると、自動的に3Dモデル・平面図・立体図を生成してくれるだけでなく、編集機能も豊富です。
アプリによっては、3Dモデルが崩れてしまったり画質が悪く、データが低品質になるケースも多いです。そのため、4K高解像度で正確な3Dモデルを生成してくれるMatterportは、多くのビジネスシーンで重宝されており、世界規模で活用が進んでいます。
Matterportで制作したバーチャルツアーの事例については、下記の記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
RICOH THETA|低価格で手軽に利用したい方向け
RICOH THETAは、360度カメラの中でもかなり知名度の高いアイテムです。
THETAの種類はさまざまで、すべてTHETAアプリに接続できます。
比較的安価に購入できるだけでなく、軽量であるため携帯性にも優れており、手軽に利用したい方には最適なツールです。
ただし、工場や教育施設レベルの大規模撮影では、3Dモデルが正確に生成できない可能性もあるため、注意しましょう。
360度カメラで制作したバーチャルツアーの制作方法や費用は、下記記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
バーチャル空間を作成できるアプリ【メタバース編】
続いては、バーチャル空間のテンプレートがすでに完成しているツールをご紹介します。
- MetaLife
- CYZY SPACE
- Cluster
一つずつ解説していきますので、導入目的にあうものを選んでみてください。
MetaLife|リアルなオフィス空間を体験する
MetaLifeは、オフィスやイベントスペース、教室として活用されることが多いツールです。
ユーザーは自分のアバターを作成し、仮想空間内でほかのユーザーと交流できます。
またアバターではなく、自分自身の映像を表示することも可能なため、よりリアルなコミュニケーションを実現できます。
さらに、ホワイトボードや鍵付き会議室の機能も搭載されているため、実空間の疑似体験ができるでしょう。
CYZY SPACE|展示やイベントスペースとして活用できる
CYZY SPACEは、ショールームやバーチャル展示会、VR店舗など幅広いシーンで活用できます。
すでに空間やモニターのテンプレートは用意されているため、それらを活かしながら自らのアイデアやビジョンに基づいた空間を構築します。
3Dオブジェクトやテクスチャの追加、証明やエフェクトの設定などさまざまなカスタマイズオプションが用意されているため、イメージ通りに空間を構築できるでしょう。
Cluster|アバターでさまざまなユーザーと交流できる
Cluster(クラスター)は、ほかのユーザーとコミュニケーションを取ることを目的にバーチャル空間を作成したいという方にはおすすめです。
Clusterでは、まずは自分のアバターを制作し、アバターを通じてほかのユーザーと交流します。
基本的には「ワールド」と呼ばれる空間を利用することになり、いくつかテンプレートがあるため、好きなワールドを選択しましょう。
また、自分で好みのワールドを作成する方法もありますが、難易度はあがるため、慣れてきた方におすすめです。
バーチャル空間を作成できるアプリ【3DCG編】
最後にご紹介するのは、3DCG技術で1からモデリングできるツールです。
下記のツールを活用して、自らのアイデアや世界観をもとにコンテンツを制作しましょう。
Blender|無料で3Dモデリングしたいならこのツール
Blenderとは、3DCG制作やバーチャル空間のモデリングに広く使用されるオープンソースのソフトウェアです。
豊富な機能と高度なツールセットを備えており、ユーザーは自由度の高いカスタムモデリングやテクスチャリング、アニメーションの作成が可能です。
Blenderは、バーチャル空間を完全に自分で制作したいというプロフェッショナルな方におすすめです。
Blenderで制作したコンテンツは、Cluster内でも活用できるので、ぜひ試してみてください。
Unity|ゲーム開発から建築モデリングまで幅広く活用
Untiyは、ゲーム向けのバーチャル空間を制作するためのツールとして知られています。スマホゲームの多くがUnityで制作されており、2D・3Dのゲームへの活用も増えてきています。
ただし、Unityはゲームだけでなく、建築設計・エンジニアリングや製造業などさまざまな産業領域でも活用されるようになりました。
中でもデジタルツインの実装で特に力を発揮するアイテムで、点群データやBIMデータとしても活用できます。
STYLY|好みのアセットを組み合せて空間を完成
STYLYは、だれでもVR・AR作品を簡単に作れるツールです。
STYLY STUDIOを使えば、充実したアセットの中から好みのアイテムを組み合わせるだけで、唯一無二のバーチャル空間が完成します。
無料で利用できるため、おもしろいコンテンツを制作してみたいという方は一度試してみるとよいでしょう。
バーチャル空間を有効に活用するポイント
さまざな形で存在するバーチャル空間。
この空間を有効に活用するためには、次のポイントを意識する必要があります。
- 目指すバーチャル体験を具体的にする
- VRとも連携する
一つずつ解説するので、損することがないよう事前に確認しておくようにしましょう。
目指すバーチャル体験を具体的にする
まずは、バーチャル空間を活用する目的や、どんなシーンで利用するのかを明確にしておきましょう。
本記事でもご紹介したように、バーチャル空間といってもさまざまな種類があります。
そのため、実空間を活かしたいと思っているのに、メタバースのプラットフォームを導入してしまうと想像通りの活用ができません。
ツールの選定を誤ってしまうと、どれだけツールが高性能でも、再選定することになってしまうため事前によく検討するようにしましょう。
VRとも連携する
バーチャル空間を、VRと連携することで、さらにリアルで没入感のある映像を閲覧できます。
基本的に、バーチャル空間はPCでやスマートフォンなど2Dの映像で見るケースが多いです。
しかし、oculusなどの優秀なVR機器と接続することで、さらに空間の魅力を発揮できるようになります。
VRとの接続はBluetoothやWi-Fiなど簡易的に行えるものが多いため、イベント会場での利用やエンタメ性を重視したい場合にはぜひ併用を検討してみてください。
バーチャル空間を作って新時代のビジネスを!
バーチャル空間の作り方は「360度カメラ」「メタバース」「3DCG」の3つの技術を活用する方法があり、それぞれ異なる形態の空間が完成します。
それぞれの特徴を活かせれば、これまでにはない新たな可能性を切り開き、大きな成果を期待できます。
活用シーンや目的を明確にした上で、最適なツールを選定し、ビジネスを成功させましょう。
弊社は、Matterportを活用したバーチャル空間の制作をメイン事業にしており、これまでに1,700施設以上のバーチャル化をサポートさせていただきました。またTHETAをはじめとした他のツールへの対応も可能です。
自社のビジネスにどのツールを使うのが最適か迷っているという方は、ぜひお気軽にご相談ください。貴社のお悩みと弊社の制作経験をもとに、最適な制作ツール・方法を選定させていただきます。