BIMとは?建設業の導入メリット・費用・始め方をわかりやすく解説

BIMとは?建設業の導入メリット・費用・始め方をわかりやすく解説

BIMとは、建物の3Dモデルに材質・コスト・工程などの属性情報を一元的に統合する、建設業の設計・施工管理手法のことです。

国土交通省は2023年度から原則すべての直轄公共工事でBIM/CIM適用を開始しており、2025年度には小規模工事を含む全公共工事への展開が進んでいます。建設業の人手不足や2024年問題(時間外労働の上限規制)への対応策としても、BIM導入は避けて通れないテーマになりつつあります。

本記事では、BIMの基本から建設業における導入メリット5つ、費用相場、始め方3STEPまでをわかりやすく解説します。「BIMという言葉は聞くけれど、自社にどう取り入れればいいかわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

BIMとCADの違いを比較した図。CADは2D図面の集合、BIMは3Dモデルに属性情報を統合したプラットフォーム
この記事でわかること

BIMとは?建設業を変える3Dモデル+情報の技術

BIMは「Building Information Modeling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」の略称で、建物の3Dモデルに設計・施工・維持管理に必要なあらゆる情報を紐づける技術です。

従来の2D図面では、平面図・立面図・断面図をそれぞれ個別に作成し、変更があるたびにすべての図面を修正する必要がありました。BIMでは1つの3Dモデルにすべての情報が連動するため、設計変更が発生しても自動的に各図面や数量に反映されます。

BIMとCADの違いをわかりやすく解説

BIMとCAD(Computer Aided Design)は混同されやすい技術ですが、根本的な違いがあります。

比較項目CADBIM
データ形式線・面の集合オブジェクト+属性情報
情報の持ち方図面ごとに独立1つのモデルに統合
設計変更時各図面を個別修正モデル修正で全図面に自動反映
コスト算出別途積算が必要モデルから自動算出可能
活用フェーズ設計中心設計〜施工〜維持管理まで

CADは「図面を描くためのツール」であるのに対し、BIMは「建物の情報を管理するためのプラットフォーム」といえるでしょう。

建設業でBIMが注目される3つの背景

BIMが建設業で急速に普及している背景には、業界が直面する構造的な課題があります。

  • 国の方針:国土交通省は2023年度からBIM/CIMの原則適用を開始し、公共工事の発注者として業界全体の移行を後押ししています
  • 人手不足:建設業の就業者数は2000年代から減少傾向にあり、少人数で生産性を高める必要が高まっています
  • 2024年問題:時間外労働の上限規制により、設計・施工の効率化が急務となっています

BIMはこれらの課題を同時に解決できる技術として、ゼネコンだけでなく中小の設計事務所や施工会社にも導入が広がっています。

詳しい基礎知識については、[BIMとは?基礎知識から徹底解説した記事](https://advalay.jp/27352/)もあわせてご覧ください。

BIM導入の5つのメリットをまとめた図。手戻り削減、コスト管理精度向上、コミュニケーション円滑化、工期短縮、維持管理活用

BIM導入の5つのメリット

ここからは、建設業がBIMを導入することで得られる5つのメリットを紹介していきます。

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メリット1:設計ミスの早期発見で手戻りを大幅削減

BIMの3Dモデルでは、設計段階で建物全体を立体的に確認できるため、2D図面では見落としがちな干渉(配管同士のぶつかりなど)を自動検出できます。

弊社Advalayが3Dスキャンで支援した建設プロジェクトでも、点群データをもとに作成したBIMモデルによる事前の干渉チェックで、施工段階での手戻りが大幅に減少した事例があります。日本建設業連合会の資料では、BIM活用で設計段階の手戻りを最大40%削減できたという報告も公表されています。

メリット2:積算・コスト管理の精度が向上する

BIMモデルには各部材の材質・寸法・数量が正確に記録されているため、リアルタイムで概算コストを算出できます。設計変更があった場合も、モデルを更新するだけで自動的にコストへ反映されます。

従来の積算作業では数日かかっていた見積もりが、BIMを活用すると数時間で完了するケースも珍しくありません。

メリット3:関係者間のコミュニケーションが円滑になる

3Dモデルは2D図面と比べて直感的に理解しやすいため、設計者・施工者・発注者の間で認識のズレが起きにくくなります。

特に、建築の専門知識を持たない発注者への説明では、3Dモデルを使ったプレゼンテーションが効果を発揮します。「完成イメージが事前にわかる」ことで、着工後の仕様変更リスクを低減できます。

メリット4:施工シミュレーションで工期を短縮できる

BIMモデルに工程情報を追加した「4D-BIM」を活用すると、施工の手順を時系列でシミュレーションできます。クレーンの配置や資材の搬入経路なども事前に検証できるため、現場での無駄を省けます。

調査によっては、BIMを活用したプロジェクトで工期を10〜15%短縮できたという報告もあり、工期短縮効果を実感する建設会社が増えています。

メリット5:維持管理フェーズでもデータ資産として活用できる

BIMモデルは建物の完成後も活用できます。設備機器の型番・メンテナンス履歴・保証期間などの情報をモデルに紐づけることで、ファシリティマネジメント(FM)の効率化が可能です。

建物のライフサイクル全体でデータを引き継げるため、長期的に見ると維持管理コストの削減にもつながります。

BIM導入にかかる費用内訳の図。ライセンス費用、教育費、ハードウェア費、Scan to BIM費の4カテゴリーを比較

BIM導入にかかる費用相場

BIM導入を検討する際、最も気になるのが費用ではないでしょうか。ここでは、BIM導入にかかる主な費用項目と相場を解説します。

BIMソフトウェアのライセンス費用

BIMソフトの代表的な製品ごとの費用相場は、以下のとおりです。

ソフト名提供元年額ライセンス費用(目安)
RevitAutodesk約45万円/1ライセンス
ArchiCADGraphisoft約30〜50万円/1ライセンス
GLOOBE福井コンピュータ約60〜100万円/1ライセンス
Vectorworks ArchitectA&A約25〜40万円/1ライセンス

※ 2026年時点の参考価格。バージョンや契約形態により変動します。

中規模の設計事務所であれば、年間100万〜300万円程度のライセンス費用を想定しておくとよいでしょう。

教育・人材育成のコスト

BIMを使いこなすには専門スキルが必要です。社員研修の費用相場は、外部講座を利用する場合で1人あたり10〜30万円程度が目安です。

社内に経験者がいない場合は、最初の半年〜1年は教育期間と位置づけ、外部のコンサルタントを活用するのも選択肢の一つです。

ハードウェア・PC環境の整備費用

BIMソフトは高負荷な処理を伴うため、ハイスペックなPCが必要です。1台あたり30〜60万円程度のワークステーションを準備しましょう。

既存建物の3Dスキャン費用

既存建物の改修や保全でBIMを活用する場合、3Dスキャンによる現況計測(Scan to BIM)が必要です。3Dスキャンの費用相場は、規模や精度により50万〜500万円ほどです。

3Dスキャンの費用について詳しくは、[3Dスキャンの費用相場を解説した記事](https://advalay.jp/26602/)もあわせてご覧ください。

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BIM導入の3STEPフロー図。目的明確化、パイロット運用、Scan to BIMによる既存建物BIM化の3ステップ

BIM導入の始め方3STEP

「BIMを導入したいが、何から始めればよいかわからない」という方のために、3つのSTEPで導入の進め方を解説します。

STEP1:導入目的とスコープを明確にする

まずは「何のためにBIMを導入するのか」を明確にしましょう。

  • 設計の効率化が目的なのか
  • 施工管理の精度向上が目的なのか
  • 維持管理での活用まで見据えるのか

目的によって選ぶソフトや必要な機能が変わるため、最初の整理が肝心です。スモールスタートで一部のプロジェクトから試すのもおすすめです。

STEP2:パイロットプロジェクトで試験運用する

いきなり全社導入するのではなく、1〜2件のパイロットプロジェクトで試験運用するのがおすすめです。小規模な案件から始めて、社内のスキルアップと運用ルールの整備を進めましょう。

このフェーズで蓄積した知見を、本格導入時のマニュアルや教育プログラムに反映できます。

STEP3:既存建物のBIM化はScan to BIMを活用する

新築だけでなく、既存建物の改修や維持管理でBIMを活用したい場合は、3Dスキャンによる現況計測が効率的です。これを「Scan to BIM」と呼びます。

レーザースキャナーで取得した点群データをもとにBIMモデルを作成することで、現地調査の手間を大幅に削減できます。詳しくは[Scan to BIMとは?解説した記事](https://advalay.jp/27409/)をご覧ください。

弊社Advalayでは制作実績2,500件以上の3Dスキャンノウハウをもとに、BIM化を前提とした高精度な点群データの取得を支援しています。

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BIMの活用シーン3つを示した図。設計段階の干渉チェック、施工段階のシミュレーション、維持管理のFM活用

BIMの活用シーン3選

BIMは設計フェーズだけでなく、建設プロジェクト全体で活用できます。代表的な活用シーンを3つ紹介します。

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設計フェーズでの干渉チェック

意匠・構造・設備のモデルを統合し、施工前にすべての干渉をデジタル上で発見・解消できます。施工後の手戻り削減に直結する、最も効果が出やすい活用方法です。

施工フェーズでのシミュレーション

4D-BIMで工程をアニメーション化し、クレーンの配置や資材搬入の動線、安全管理計画を事前に検証できます。現場の段取りミスを防ぎ、工期短縮にもつながります。

維持管理フェーズでのファシリティマネジメント

建物の完成後、設備の点検履歴や修繕計画をBIMモデルに紐づけて管理できます。長期的な維持管理コストの削減と、建物資産としての価値維持に貢献します。

BIMに関するよくある質問

BIMとCIMの違いは何ですか?

CIM(Construction Information Modeling)はBIMの概念を土木分野に拡張したものです。BIMが建築物(ビル・住宅など)を対象とするのに対し、CIMは道路・橋梁・トンネルなどのインフラ構造物を対象としています。国土交通省は2023年度から両者を統合し「BIM/CIM」として原則適用を進めています。

中小の建設会社でもBIMを導入できますか?

導入できます。最近は月額制のクラウド型BIMソフトも登場しており、初期投資を抑えてスモールスタートが可能です。まずは1ライセンスから試験導入し、効果を確認してから段階的に拡大するのもおすすめです。

BIM導入の効果はどれくらいで実感できますか?

導入直後は教育期間として効率がいったん下がる傾向にあります。一般的には半年〜1年程度で運用が安定し、2〜3件目以降のプロジェクトで明確な効果を実感できるケースが多いです。

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まとめ:BIMで建設業のDXを加速しよう!

本記事では、BIMの基本から建設業における導入メリット5つ、費用相場、始め方3STEPまで解説しました。

BIMは設計の効率化だけでなく、施工・維持管理を含むプロジェクト全体の生産性を高める基盤技術です。国の方針や2024年問題への対応として、中小の建設会社でも導入は避けて通れないテーマになっています。まずは小さなパイロットプロジェクトから始めて、自社に合った活用方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

弊社Advalayは、制作実績2,500件以上の3Dスキャンノウハウをもとに、Scan to BIMやデジタルツイン構築まで一気通貫で支援する専門企業です。BIM導入や既存建物の3Dデータ化を検討中の方は、用途やご予算をお聞かせいただければ最適なプランをご提案いたします。お気軽にご相談ください。

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柴山 紘輔

柴山 紘輔

株式会社Advalay 代表取締役。Matterportを活用した3Dバーチャルツアーの制作・導入支援において、1,500施設以上の支援実績を持つ。不動産・建設・文化財・商業施設など、幅広い業界でのデジタルツイン活用を推進。

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Advalay編集部
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