【XGRIDSとは?】——歩いて“現実”をキャプチャし、数クリックで3Dへ。次世代デジタルツインの新しい標準
Advalayは、現場での撮影・制作・活用までをワンストップで支援する「空間DX」の専門チームです。本記事では、ハンディ型3Dスキャナー**XGRIDS(エックスグリッズ)**を、初めて調べる方から導入検討中の方までを対象に、仕組み・使いどころ・運用のコツを実務目線で整理します。
結論:XGRIDSは「歩き回るだけで」高精度の点群(Point Cloud)とフォトリアルな3DGS(Gaussian Splatting)を同一ワークフローで生成し、意思決定を速めるための総合ソリューションです。
この記事でわかること
- XGRIDSの基本:なぜ“歩くだけ”で安定して3D化できるのか
- 活用イメージ:建設BIM、製造・物流、店舗運営、文化財・教育までの使いどころ
- ワークフロー:撮影→生成→共有→下流連携(BIM/UE/Unity)
- 導入の勘所:落とし穴と回避策、PoC設計のポイント
- Advalayの支援:撮って終わりにしない伴走体制
1. XGRIDSは“何が新しい”のか
1-1. マルチSLAM × 360°ビジョンで、歩くだけのスキャン体験
LiDAR-SLAMとVisual-SLAMを統合するMulti-SLAMにより、複雑な導線でも自己位置推定が破綻しにくいのが特長です。鏡・ガラス・細かな什器が多い現場でも、事前ルート設計と基本手順で再撮リスクを抑制。結果として、短時間・少人数で広範囲を安定取得できます。
また、厚み・点間5mm級の高精度点群を実運用で積み上げられる点も、現場評価が高い理由です。
1-2. “3DGS(Gaussian Splatting)”を標準装備のワークフローで
点群に加え、専用ソフト(例:LCC Studio / Lixel Studio)で3DGSをワンステップ生成。写真の質感を保ちつつ軽快に動くフォトリアル空間が得られます。さらにAIによる動体(人・車)除去で“使いやすい”画に整えられるため、現場→変換→レビューの一連が驚くほどスムーズです。
1-3. “実務要件”に寄り添う拡張性
出力は .ply / .las / .e57 / .lcc / .usdz などに対応。Unity / Unreal Engineのプラグインや、Revit向けのAI壁・窓生成(点群→BIM)にも接続でき、建設BIM・製造アセット管理・ゲーム/VRに横断展開が可能。**「測れる」と「伝わる」**の両輪を一気通貫で回せます。
2. ハードウェアのラインアップと使いどころ
2-1. Lixelシリーズ(K1 / L2pro)
LixelKity K1(コンパクト)とLixel L2pro(ハイエンド)が中核。機動力重視ならK1、高天井・長距離レンジや大規模空間ならL2proといった住み分けが現実的。デュアル48MP級カメラやIP54防塵防滴で現場対応力も確保されています。
2-2. 新世代の軽量機 PotalCam
約870gと軽量・コンパクトで、0.1〜30mの測定半径をカバー。狭小空間や什器密度の高い売場・オフィスに好相性で、日常的な更新スキャンに強み。**“高頻度アップデートの運用”**を成立させやすいのが魅力です。
2-3. 現場に合わせて選べる“撮影形態”
**ポール(高所)/バックパック(不整地)/四足歩行ロボット(侵入困難地)/車載ユニット(広域)/ドローン接続(屋根・外装・上空)**など、アクセサリが豊富。屋内外・上下左右の死角を補い、1セットを“現場仕様”に最適化できます。
3. ソフトウェア群がつくる“現場→活用”の最短距離
- LCC Studio(PC):取り込み→3DGS生成がワンステップ。動体除去/複数マップ合成/外部カメラ合成など現場ノイズに強い機能を標準装備。
- Lixel Studio(PC):点群の最適化・編集に強く、厚み5mmのカラー点群を実現。BIM/設計への橋渡し役。
- LCC Viewer(PC/無償):生成した3DGSの自由閲覧/距離・面積計測/アバター歩行で現場共有が速い。
- Lixel Go(App):リアルタイム点群表示/歩行速度・距離・時間の監視で、現場の取り直しを抑制。
“撮る・つくる・見せる”が一直線だから、チーム横断で共有→意思決定が加速します。
4. どんな業務にフィットするのか——業界別の価値
4-1. 建設・設備・BIM(AEC)
- 現地調査の省人化:従来は複数人・長時間の採寸が、一人・短時間に。
- 即時の意思決定:3DGSでフォトリアル共有、干渉チェックや工程見直しが前倒しに。
- BIM連携:点群→RevitのAI壁・窓生成など、下流の作業を省力化。
4-2. 製造・物流・拠点管理
- 設備アセットの“見える化”:所在・経路・安全動線を直感的に共有。
- 高頻度アップデート:棚替え/ライン変更の更新サイクルを短縮し、教育も効率化。
4-3. 小売・チェーンストア
- 本部一括管理:定期スキャンで**本部と店舗の“現実の差分”**を縮小。
- MD/販促検証:3DGS空間で視線動線・ゾーニングをレビューし、再現性を高める。
4-4. 文化財・観光・教育
- 保存から活用へ:フォトリアル3Dは展示・学習コンテンツとして価値化。
- ゲーム/VR化:Unity/Unreal連携で没入体験を提供し、来館前後の体験を拡張。
4-5. 不動産・内装・オフィス
- 現況共有と改修検討:見ながら決めるが当たり前に。
- 見積り前提のすり合わせ:簡易計測で前提確認がスムーズ、手戻りを抑制。
5. ワークフロー:撮影から活用までの実務シナリオ
- 現地下見
動線・反射物・混雑時間帯・搬入ルート・電源等を確認。ポール/車載/ドローンの併用可否も決めます。 - スキャン実施
Lixel Goで歩行速度・距離をモニタリングしながら取得。バックパック/ポールで死角をなくし、複数マップは後で合成。 - データ変換
LCC Studio / Lixel Studioで点群最適化+3DGS生成。動体除去で“人消し”、カラー点群も併用可。 - レビュー/共有
LCC Viewerで距離・面積計測、アバター歩行。必要に応じUE/UnityでシミュレーションやVR体験へ。 - 下流連携
RevitのAI壁・窓生成でBIMモデル化を加速。.ply / .las / .e57 / .usdz等で既存システムと往来。
ポイント:**「何の意思決定に使うか」**を先に決めると、撮影範囲・出力仕様・共有設計が迷いません。
6. “できる/できない”を正直に:向き不向き
得意な領域
- 広い範囲を短時間でフォトリアルに記録したい場合
- 現場の状況変化を高頻度で更新し、意思決定を速めたい場合
- BIM/ゲーム/VRなど下流の多用途活用を前提に“使える”生データがほしい場合
注意が必要な場面
- 鏡・ガラスが多い空間:ルート設計・アクセサリ選定で対処
- 直射・風雨の屋外:IP54でも運用ノウハウが成果を左右
- 大規模外装・上空:ドローン接続/車載の併用が前提
7. よくある落とし穴と回避策
- 目的が曖昧 → 先に**「意思決定の場面」**を列挙して要件化
- ルート設計不足 → 鏡・ガラス・混雑対策と時間帯選定で再撮を激減
- 出力先が未定 → BIM/VR/Webの受け皿を決め、拡張子・解像・容量を早期合意
- 初回だけで満足 → 更新KPI(頻度・範囲・レビュー者)を決め、資産化へ
- 権限設計の後回し → 社内限定/社外共有/公開の線引きを最初に定義
8. 他方式との違い(早見表)
| 方式 | 強み | 留意点 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 三脚レーザースキャナ | ミリ級精度 | 設置→測定→移動の工数大 | 局所の厳密測量 |
| フォトグラメトリ | 静物・被写体に強い | 広範囲運用は工夫が必要 | プロダクト・小空間 |
| XGRIDS(ハンディ×3DGS/点群) | 機動力×十分な精度/共有の速さ | 取得計画の巧拙が成果差 | 現場スピード・合意形成重視 |
9. FAQ
Q1. 3DGSとフォトグラメトリ/NeRFの違いは?
A. 3DGSは広範囲かつフォトリアルで、軽快に閲覧・編集できるのが強み。XGRIDSは3DGSを標準フローに統合し、点群と並走できるため、測る×見せるを同時に満たせます。
Q2. 既存のBIM/CAD/エンジンへ持ち込めますか?
A. はい。.ply / .las / .e57 / .lcc / .usdzに対応し、Unity/UnrealやRevitに橋渡し可能。点群重視とフォトリアル重視を案件ごとに使い分けられます。
Q3. 屋外や高所、広範囲は?
A. ポール/車載/ドローン/四足ロボットで対応。屋根・外装などもドローン接続で効率化できます。
Q4. 撮影から納品までに必要なソフトは?
A. Lixel Goで撮影監視、LCC / Lixel Studioで変換・編集、LCC Viewerで共有というのが基本。動体除去/複数マップ合成など、現場の“あるある”に標準対応しています。
10. Advalayが選ばれる理由——“撮って終わり”にしない伴走
- 要件・KPI設計:用途定義からPoC計画、成功指標まで
- 現場オペ設計:ルート・時間割・アクセサリ最適化、安全配慮
- 生成・編集実務:動体除去、複数マップ合成、点群/3DGSの品質担保
- 下流活用:BIM(Revit)/Unity/Unreal/Web/VR公開まで用途別に設計
- 運用定着:更新サイクル、権限・セキュリティ、保守、ナレッジ移管
歩いて、現実を資産に。
XGRIDSとAdvalayの伴走で、現場の意思決定をもっと速く、もっと確かに。
お問い合わせ・デモ依頼・参考資料
まずは無料相談:用途・現場条件・出力先(BIM/VR/社内レビュー)を伺い、必要であれば最短のPoC計画をご提案します。
また、下記の資料も必要の場合はお問い合わせください。
- XGRIDS 製品コンセプト/活用全体像(Multi-SLAM、3DGS、ソフト群、アクセサリ、出力、BIM/UE/Unity連携 ほか)
- XGRIDS チラシ(導入・撮影代行・レンタル・活用事例の一覧)



