XGRIDSとは?仕組み・料金・5業界の活用シーンを実務目線で解説

XGRIDSとは?仕組み・料金・5業界の活用シーンを実務目線で解説

XGRIDS(エックスグリッズ)とは、歩き回るだけで高精度な点群と3DGS(3D Gaussian Splatting)を同時生成できるハンディ型3Dスキャナーです。

従来の三脚レーザースキャナーやフォトグラメトリと異なり、「設置→測定→移動」の繰り返しが不要なため、短時間・少人数で広範囲の3Dデータを取得できます。建設BIMや製造業のアセット管理、小売チェーンの店舗管理など、幅広い業界で導入が進んでいる注目の技術です。

本記事では、XGRIDSの仕組み・ハードウェアの選び方・5業界の活用シーン・他方式との違い・導入時の注意点まで、実務目線でわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。


この記事でわかること

この記事でわかること

  • XGRIDSの基本:なぜ”歩くだけ”で安定した3Dデータが取れるのか
  • 活用シーン:建設BIM・製造・物流・小売・文化財・不動産の5業界
  • ワークフロー:撮影→生成→共有→BIM/Unity/Unreal連携までの流れ
  • 導入の注意点:よくある落とし穴5つと回避策
  • Advalayの支援体制:撮影代行から運用定着まで

XGRIDSとは?従来方式と何が違うのか

XGRIDSが従来の3Dスキャン方式と一線を画すのは、マルチSLAM技術と3DGS生成を一体化したワークフローにあります。ここでは、3つの技術的な特長を解説していきます。

XGRIDSの3つの技術的特長を示す図。マルチSLAM技術、3DGS標準ワークフロー、多様な出力形式の3つが横並びで表現されている

マルチSLAM×360°ビジョンで実現する「歩くだけ」のスキャン

XGRIDSの中核技術は、LiDAR-SLAMとVisual-SLAMを統合したMulti-SLAMです。2つの自己位置推定技術を組み合わせることで、複雑な導線でも位置情報が破綻しにくくなっています。

鏡やガラス、什器が密集した現場は、通常の3Dスキャナーでは位置推定が乱れやすい環境です。XGRIDSでは事前のルート設計と基本手順を守ることで、再撮影のリスクを大幅に抑制できます。

点間5mm級の高精度点群を安定して取得できる点も、現場評価が高い理由のひとつです。結果として、1名の担当者が歩くだけで広範囲のデータを短時間で取得できるようになります。

3DGS(Gaussian Splatting)をワンステップで生成できる標準ワークフロー

3DGS(3D Gaussian Splatting)とは、点群データから写真のような質感を持つフォトリアルな3D空間を生成する技術です。

XGRIDSでは、専用ソフト(LCC Studio / Lixel Studio)を使うことで、点群取得から3DGS生成までをワンステップで完了できます。さらに、AIによる動体除去機能で人や車を自動的に消去できるため、「現場で撮影→変換→レビュー」の一連の流れが非常にスムーズです。

従来のフォトグラメトリやNeRFでは、広範囲のフォトリアル生成に多大な工数がかかっていました。3DGSを標準ワークフローに組み込んでいる点が、XGRIDSの大きなアドバンテージといえるでしょう。

BIM・Unity・Unreal Engineに対応する出力形式の拡張性

XGRIDSの出力は、.ply / .las / .e57 / .lcc / .usdzなど多様なフォーマットに対応しています。

具体的には、以下のような下流連携が可能です。

  • Revit(BIM): AI壁・窓生成プラグインで、点群から建築モデルを自動生成
  • Unity / Unreal Engine: プラグイン経由で3DGSデータを直接インポート
  • Web/VR公開: .usdzで軽量配信、LCC Viewerで無償閲覧

「測れる(点群)」と「伝わる(3DGS)」を一気通貫で扱えるため、建設BIMから製造業のアセット管理、ゲーム・VR開発まで横断的に活用できます。


XGRIDSハードウェア3機種の選び方と使いどころ

XGRIDSには用途の異なる3つのハードウェアがあります。現場の規模や頻度に応じて最適な機種を選ぶことが、導入成功のカギです。

Lixel L2pro|大規模空間・高天井に強いハイエンド機

Lixel L2proは、XGRIDSラインアップのフラッグシップモデルです。長距離レンジに対応しており、工場・倉庫・商業施設など大規模空間の一括スキャンに適しています。

デュアル48MP級カメラを搭載し、IP54の防塵防滴性能も備えているため、粉塵の多い製造現場や半屋外の環境でも安定して運用できます。

LixelKity K1|機動力重視のコンパクトモデル

LixelKity K1は、L2proと同等のMulti-SLAM技術を搭載しながら、小型・軽量化を実現したモデルです。オフィスや店舗など中規模空間のスキャンに向いています。

「まずは試してみたい」というPoC段階の導入にも適しており、初期コストを抑えながらXGRIDSの実力を検証できるのが魅力です。

PotalCam|約870gの軽量機で高頻度スキャンを実現

PotalCamは約870gと非常に軽量で、0.1〜30mの測定半径をカバーします。狭小空間や什器密度の高い売場・オフィスとの相性が良く、日常的な更新スキャンに最適です。

棚替えやレイアウト変更のたびにデータを更新する「高頻度運用」を成立させやすいのが、PotalCam最大の強みといえるでしょう。

アクセサリで撮影形態をカスタマイズ

XGRIDSは本体に加え、現場条件に応じたアクセサリが豊富に用意されています。

アクセサリ用途適した現場
ポール高所撮影天井裏・高架下
バックパック不整地での歩行撮影建設現場・山間部
四足歩行ロボット人が入りにくい場所プラント・危険区域
車載ユニット広域の走行撮影道路・敷地外周
ドローン接続上空・外装屋根・外壁・広大な敷地

これらを組み合わせることで、屋内外の死角を補い、1セットで幅広い現場に対応できます。


XGRIDSのソフトウェア4種|撮影から共有までの最短ルート

XGRIDSの強みは、ハードウェアだけでなく「撮る・つくる・見せる」を一直線につなぐソフトウェア群にもあります。

ソフトウェア用途主な機能
Lixel Go(アプリ)撮影時のモニタリングリアルタイム点群表示、歩行速度・距離の監視
LCC Studio(PC)データ変換・3DGS生成ワンステップ変換、動体除去、複数マップ合成
Lixel Studio(PC)点群の最適化・編集厚み5mmカラー点群、BIM/設計向け出力
LCC Viewer(PC/無償)3DGSの閲覧・共有距離・面積計測、アバター歩行、自由閲覧

現場ではLixel Goで撮影品質をリアルタイムに確認し、オフィスに戻ってからLCC StudioまたはLixel Studioで変換・編集。完成データはLCC Viewerで関係者に共有する——という流れが基本です。

LCC Viewerは無償で利用できるため、クライアントや他部署のメンバーに共有リンクを渡すだけで、3D空間上での距離計測やウォークスルー体験が可能になります。チーム横断での意思決定が格段に速くなるのも納得です。


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XGRIDSの活用シーン|5つの業界別メリット

XGRIDSはどのような業務にフィットするのでしょうか。ここでは、導入効果が特に高い5つの業界を紹介していきます。

建設・設備・BIM(AEC)|現地調査の省人化とBIM連携

建設業界でのXGRIDS活用は、現地調査の省人化BIM連携の効率化が主なメリットです。

従来は複数人で長時間かけていた採寸作業を、1名の担当者が歩くだけで完了できます。取得した3DGSをその場で共有すれば、干渉チェックや工程見直しの意思決定も前倒しが可能です。

さらに、Revit向けのAI壁・窓生成プラグインを使えば、点群データからBIMモデルへの変換作業を大幅に省力化できます。

製造・物流・拠点管理|設備の見える化と高頻度更新

工場や物流拠点では、設備レイアウトの「見える化」と定期的な更新が重要です。

XGRIDSを使えば、設備の所在・搬送経路・安全動線を3Dデータとして直感的に把握できるようになります。棚替えやライン変更のたびにPotalCamで更新スキャンを行えば、常に最新の空間データを維持できるのも大きな利点です。

新入社員の教育研修でも、実際の現場を再現した3D空間を使うことで、効率的なオンボーディングが実現します。

小売・チェーンストア|本部と店舗の「現実の差分」を解消

多店舗展開する小売業では、本部が把握している店舗レイアウトと現場の実態にズレが生じることが少なくありません。

定期的なスキャンで各店舗の最新データを本部に集約すれば、MD(マーチャンダイジング)や販促施策の検証がデータに基づいて行えるようになります。3DGS空間上で視線動線やゾーニングをレビューし、売場改善の再現性を高めることも可能です。

文化財・観光・教育|保存からデジタル活用へ

文化財や観光施設では、フォトリアルな3Dデータが保存記録としてだけでなく、活用コンテンツとしての価値を持ちます。

Unity / Unreal Engine連携により、博物館の展示物をVRで体験できるコンテンツや、観光地の没入型ツアーを制作することも可能です。来館前の事前体験や、来館後の振り返りコンテンツとして、来訪者の満足度向上にもつながります。

不動産・内装・オフィス|現況共有と改修検討をスムーズに

不動産や内装業界では、物件の現況を正確に共有することが商談の出発点です。

XGRIDSで取得した3DGS空間があれば、クライアントとオーナーが同じ3Dデータを見ながら改修方針を議論できます。簡易計測機能で寸法の目安もその場で確認できるため、見積り前提のすり合わせがスムーズになり、手戻りの削減にも効果的です。


XGRIDSの撮影から活用までの5ステップ

実際にXGRIDSを導入する場合、どのような流れで進めるのでしょうか。撮影から下流連携までの基本ワークフローを5ステップで解説します。

XGRIDSの撮影から活用までの5ステップを示すフローチャート。現地下見、スキャン実施、データ変換、レビュー共有、下流連携の流れ
STEP作業内容ポイント
1. 現地下見動線・反射物・混雑時間帯・電源を確認ポール・車載・ドローンの併用可否もこの段階で判断
2. スキャン実施Lixel Goでモニタリングしながら歩行スキャンバックパック・ポールで死角を補い、複数マップは後で合成
3. データ変換LCC Studio / Lixel Studioで点群最適化+3DGS生成動体除去で人・車を消去。カラー点群も同時に出力
4. レビュー・共有LCC Viewerで距離・面積計測、アバター歩行必要に応じてUnity/UnrealでVR体験を追加
5. 下流連携Revit(BIM)、Unity、Unreal Engine等に出力.ply / .las / .e57 / .usdzで既存システムと接続

導入のコツ: 最初に「何の意思決定に使うか」を明確にしておくと、撮影範囲・出力仕様・共有設計が自然と決まります。目的が曖昧なまま始めると、必要なデータが足りなかったり、逆に過剰な範囲をスキャンしてしまうことも珍しくありません。


XGRIDSの向き不向き|得意な領域と注意が必要な場面

どんな技術にも得意・不得意があります。XGRIDSの導入判断で失敗しないために、向き不向きを正直にまとめました。

得意な領域

  • 広い範囲を短時間でフォトリアルに記録したい場合 — 工場・商業施設・オフィスフロアなど
  • 現場の状況変化を高頻度で更新したい場合 — 棚替え・レイアウト変更の定期スキャン
  • BIM・ゲーム・VRなど下流活用を前提にしたい場合 — 「測る」と「見せる」を両立

注意が必要な場面

場面理由対処法
鏡・ガラスが多い空間反射がSLAMの位置推定を乱すルート設計の工夫とアクセサリ選定で対応
直射日光・風雨の屋外強い光がカメラ画像に影響時間帯選定とIP54活用。運用ノウハウが成果を左右
大規模な外装・上空ハンディ単体ではカバーしにくいドローン接続・車載ユニットの併用が前提

弊社Advalayでは、累計5,000件以上の3Dスキャン・バーチャルツアー制作の経験から、こうした注意点への対処ノウハウを蓄積しています。「自社の現場で使えるか不安」という方は、お気軽にご相談ください。


XGRIDS導入で失敗しないための5つのポイント

XGRIDSは優れた技術ですが、導入の進め方を誤ると効果を発揮しきれないケースもあります。よくある落とし穴と回避策を5つにまとめました。

#落とし穴回避策
1目的が曖昧なまま導入先に「意思決定の場面」を列挙し、要件を明確化してから始める
2ルート設計が不十分鏡・ガラス・混雑の対策と、撮影時間帯の選定で再撮を大幅に削減
3出力先が未定BIM / VR / Web、どこに使うかを決め、拡張子・解像度・容量を早期に合意
4初回スキャンだけで満足更新KPI(頻度・範囲・レビュー担当者)を設定し、データの”資産化”へ
5権限設計の後回し社内限定 / 社外共有 / 一般公開の線引きを最初に定義する

特に重要なのは1番目の「目的の明確化」です。「とりあえずスキャンしてみよう」から始めると、取得データの仕様が下流の用途と合わず、やり直しが発生するケースが見受けられます。


XGRIDSと他の3Dスキャン方式の違い|比較表で解説

XGRIDSの導入を検討する際、三脚レーザースキャナーやフォトグラメトリとの違いが気になる方も多いのではないでしょうか。3方式の特徴を比較表にまとめました。

XGRIDSと三脚レーザースキャナー、フォトグラメトリの3方式を精度・操作性・取得速度・フォトリアル出力の4項目で比較した図
比較項目三脚レーザースキャナーフォトグラメトリXGRIDS(ハンディ×3DGS/点群)
精度ミリ級(最高精度)対象物により変動点間5mm級(実用十分)
操作性設置→測定→移動の繰り返し撮影に一定のスキルが必要歩くだけで取得
取得速度1地点ずつで時間がかかる後処理に時間がかかる短時間で広範囲を一括取得
フォトリアル出力△(点群のみ)○(テクスチャ付きメッシュ)◎(3DGSで高品質)
向いている場面局所の厳密測量プロダクト・小空間現場スピード・合意形成重視

選び方のポイント: ミリ級の測量精度が絶対条件であれば三脚レーザースキャナー、小さな対象物の精密記録ならフォトグラメトリが適しています。一方で、「広い空間を素早くフォトリアルに記録し、関係者と共有して意思決定を加速したい」という用途では、XGRIDSが最も効率的な選択肢です。


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XGRIDSに関するよくある質問

Q1. 3DGSとフォトグラメトリ・NeRFの違いは何ですか?

3DGS(3D Gaussian Splatting)は、広範囲かつフォトリアルな3D空間を軽快に閲覧・編集できるのが強みです。フォトグラメトリはメッシュベース、NeRFはニューラルネットワークベースの表現ですが、いずれも広範囲対応やリアルタイム編集の面で3DGSに劣ります。XGRIDSは3DGSを標準ワークフローに組み込んでいるため、点群(測る)と3DGS(見せる)を同時に活用できます。

Q2. 既存のBIM・CAD・ゲームエンジンにデータを持ち込めますか?

はい、可能です。XGRIDSは.ply / .las / .e57 / .lcc / .usdzなどの出力形式に対応しています。RevitにはAI壁・窓生成プラグインで接続でき、Unity / Unreal Engineにはプラグイン経由で3DGSデータを直接インポートできます。

Q3. 屋外や高所、広範囲のスキャンはできますか?

ハンディ本体だけでは難しい場面もありますが、ポール・車載ユニット・ドローン接続・四足歩行ロボットなどのアクセサリを組み合わせることで対応可能です。屋根や外装の撮影にはドローン接続が効果的です。

Q4. 撮影から納品までに必要なソフトは何ですか?

基本的な構成は、Lixel Go(撮影監視)→ LCC Studio / Lixel Studio(変換・編集)→ LCC Viewer(共有)の3ステップです。動体除去や複数マップ合成など、現場で起きやすい課題に標準対応しています。

Q5. XGRIDSの料金・費用感はどのくらいですか?

XGRIDSの料金はハードウェアの機種選定、ソフトウェアライセンス、撮影範囲によって異なります。具体的な費用については、現場条件や用途をお伺いしたうえで個別にお見積りをご案内しています。お気軽にお問い合わせください。


まとめ:XGRIDSで現場の3Dデータ活用を始めよう!

XGRIDSは、歩くだけで高精度な点群と3DGSを同時に取得できるハンディ型3Dスキャナーです。マルチSLAM技術による安定した位置推定、3DGSの標準ワークフロー、BIM・Unity・Unreal Engineへの柔軟な出力形式が特長で、建設・製造・小売・文化財・不動産など幅広い業界で活用が広がっています。

「自社の現場でも使えるのか試してみたい」「PoC(実証実験)から始めたい」という方は、まずは現場条件や活用目的をご相談いただくところからスタートしてみてはいかがでしょうか。

弊社Advalayは、3Dスキャン・バーチャルツアーの制作実績5,000件以上の専門企業です。XGRIDSの撮影代行はもちろん、要件定義・PoC設計・現場オペレーション・BIM/VR連携・運用定着まで、「撮って終わり」にしないワンストップの伴走支援をご提供しています。お気軽にお問い合わせください

著者: 柴山 紘輔(株式会社Advalay 代表取締役)|プロフィール・編集方針

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柴山 紘輔

柴山 紘輔

株式会社Advalay 代表取締役。Matterportを活用した3Dバーチャルツアーの制作・導入支援において、1,500施設以上の支援実績を持つ。不動産・建設・文化財・商業施設など、幅広い業界でのデジタルツイン活用を推進。

Advalay
Advalay編集部
このメディアは、デジタル技術を中心としたコンテンツを発信しています。デジタルツインを活用したマーケティング事業を行っているAdvalayだからこそ専門的で網羅的な情報をお届けできます。どなたでもわかりやすく、楽しめるコンテンツを作っていますのでぜひご覧ください。
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